八幡の土蔵|土蔵を農家住宅の離れとしてリノベーション
金沢市郊外の幹線道路から500メートルほどしか離れていないが、山と森に囲まれた集落に位置している。椎の木に囲まれた500坪の敷地に母屋と2つの土蔵があり、このうちのひとつの土蔵を、定年退職に伴い帰郷する夫婦が母屋に住む両親との同居スペースを確保するために改修した。
以前は米蔵として使われていた建物を居住スペースとするために、新に水廻りを中心とした設備(給排水、電気)を入れる必要があった。土蔵に対し構造的、造作的に極力負担をかけないようにするために、片側を乳白ガラスで覆ったボックスを土蔵の中に差し込み、南の外壁に木製サッシの大開口を設けた。乳白ガラスで囲まれたボックスは、窓のないトイレ・洗面に蔵内部より採光を得ると共に、夜間は蔵内部に対して行灯のように柔らかく発光する装置となる。
家山真建築研究室