注文住宅の相場はどのくらい?注文住宅の費用とローンを解説!

自分たちの理想の住宅を作りたいという方には、一から相談しながら作れる注文住宅が向いています。しかし住宅は人生で最も大きな買い物といっても過言ではありません。実際にどのくらいの値段がかかるのか、気になるところですよね。今回はそんな方向けに、注文住宅の費用感やローンの注意点などについて解説します。

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注文住宅の費用の相場とは?

「注文住宅には相場がない」とさえいわれます。これはフリーオーダーならではの特徴で、好きなだけこだわりを入れられるためです。

営業担当者も顧客の要求がわからないうちは「ケースバイケースです」としかいえません。

とはいえ、顧客は家づくりの専門家ではありません。「ケースバイケースです」といわれても「平均的にはどのくらいなのか」気になるところですよね。

つまるところ知りたいのは「自分たちにとってベストなオーダーをした大多数の人たちの家は、どのくらいのお金がかかったのか」ということでしょう。


【地域別・注文住宅に使っている費用】
住宅金融支援機構が実施している調査「平成25年度フラット35利用者調査」によると、地域別の注文住宅費用は以下のようになっています。

全国平均:(費用総額)32,450,000円(坪単価)362,000円
首都圏:(費用総額)35,510,000円(坪単価)536,000円
近畿圏:(費用総額)32,890,000円(坪単価)45,9000円
東海圏:(費用総額)33,680,000円(坪単価)396,000円
その他地域平均:(費用総額)30,320,000円(坪単価)281,000円

抜きん出て高いのが東京都(費用総額38,930,000円、坪単価812,000円)です。

敷地面積が狭いためと(全国平均のおよそ2分の1)、その一方で延べ床面積は全国平均とほぼ同等であることから、階数が増える傾向があるためと考えられます。

さらに東京都は土地取得費用も全国一の高さで、2015年4月から2016年3月まで、土地の売買が行われた14件の平均取得費用は41,320,000円になります。

最も低いのが鳥取県(費用総額26,490,000円、坪単価257,000円)です。東京都と比較すると、平均敷地面積は2.1倍、坪単価はおよそ3分の1です。

最も坪単価が低いのは、愛媛県(費用総額28,720,000円、坪単価184,000円)でした。土地が広いのが特徴で、平均敷地面積は東京都と比較すると3.2倍、全国平均の1.74倍です。

鳥取県と愛媛県では調査期間中に合わせて131件の事例がありましたが、土地の購入費用はすべて「ゼロ」つまり土地代がかかっていませんでした。


【注文住宅の「値切り」は原則不可能!】
建売住宅と違って、注文住宅は基本的に「値引き」はできません!もし見積もりを見て「高いかも…」と感じるのであれば「何を削るか」を考えます。

大抵の場合、工数や材料費を落とすことになるでしょう。特注をやめて標準仕様の中から選択するか、建材や壁紙のグレードアップを諦めるといった方法もあります。

具体例としては、以下のようなコストカット案が挙げられます。

・玄関前の植栽や敷石の種類を変更する(50,000円~)
・寝室の床材は節有にする(100,000円~)
・壁面作り付けの収納を諦める(200,000円~)
・廊下を天然無垢材からフローリング材にする(300,000円~)
・お風呂を在来工法のフルオーダーからセミオーダーのシステムバスにする(500,000円~)

変更前後のグレードによって、調整される価格は大きく変動します。しかし唯一確実にいえるのは「安くなるのには必ず明確な理由がある」ということ。

価格を調整するときは、仕様と見積もりをよく読んで、理解した上で計画を進めましょう。

ちなみに「なぜ建売住宅は値引きが可能か」というと、入居者が決まっていない完成済み物件はハウスメーカーの「在庫」になっているためです。

企業は一刻も早く在庫を現金化して次の商売に投資したいと考えています。売れないまま古くなっていく物件は放っておくとどんどん価値が落ちてしまうため、ある程度値引きをしても手放したい商品というわけです。

一方で注文住宅は極端な話、お金で揉めたら工事をストップすることさえありえます。

職人はいつでも「よい仕事」としたいと考えているものですが、それは仕事に対して正当な評価と対価をくれる人に対しての話。技能に払うお金を渋るお客様にはシビアです。

住宅ローンは間に合わない!注文住宅のローンの流れとタイミングとは?

注文住宅は契約から入居まで、数ヶ月から数年単位の時間がかかります。

そこで気になってくるのが「住宅ローンのタイミング」つまり「いつお金が必要になり、その借り入れや返済の準備はいつから始めるべきか」という点です。


【注文住宅のローンは完成後にしか借りられない】
住宅ローンは住宅の抵当権を担保にして借り入れます。ローンが返済できない状態が続くと、抵当権が実行され、住宅が競売にかけられます。そして売却したお金で借金の返済をするという仕組み。

いわゆる「借金のかたに家をとられる」という状況です。

金融機関ではローンの申し込みをうけると担保があるかを確認し、それが審査に通って、初めてお金を貸し出してくれます。

つまり住宅ローンは、完成済みの住宅がないと借り入れることができないということです。

注文住宅の場合、住宅ローンの借り入れをうけられるのは、物件が完成し、引き渡しが終わったあとということになります。


【資金は住宅完成前から必要】
しかし注文住宅を建てるときは、契約や着工の時点である程度の金額を支払う必要があります。具体例として、よくあるパターンを紹介します。

・土地契約時に、土地の手付金(10%)を支払う
・建築契約時に、建物の手付金(10%)を支払う
・土地の決済(土地代の90%を支払う)
・住宅の着工時に20%の手付金を支払う
・上棟の時点で建物金額の30%を支払う
・引き渡しのときに残金精算(建物金額の50%やその他諸費用を支払う)

例えば土地代10,000,000円、建物20,000,000円の注文住宅を購入する場合、住宅ローンを使った支払いができるのは、住宅が完成してローンの本審査を通ったあと、最後の「引き渡し」のときになります。

しかし実際は住宅ローンを組む前に、土地代や建築の中間費用として20,000,000円の資金が必要になるのです。

すべて自己資金で支払いができる人であれば問題ありません。

しかしそこまで潤沢な余剰金を持っていない人にとっては、土地や住宅の購入が決まってから、実際に担保となる建物が完成して住宅ローンの融資をうけるまでの間に必要となる資金を、どこからか調達する必要が出てきます。

そこでよく利用されるのが、住宅の担保なしで借り入れができる「つなぎ融資」です。


【つなぎ融資とは】
つなぎ融資とは住宅ローンで返済することを前提にした融資です。住宅の契約から実際の引き渡しの期間に限ってうけることができます。

住宅ローンと違って担保が不要で、融資期間中に支払うのは利息分のみ。顧客にとっては多額の中間費用を貯めなくとも家を建てることを可能にする嬉しい仕組みです。


【つなぎ融資を利用した住宅ローンの流れ】
つなぎ融資を利用した場合、住宅ローンの流れは、以下のようになります。

1、土地を決める(土地を購入する場合はローンを組んで購入)
2、注文住宅を建てる業者を決め、契約を結ぶ
3、相談しながら家の設計をする
4、家の間取りや形、仕様が決まったら住宅ローンとつなぎ融資を申し込む(土地のローンと同じ金融会社)
5、つなぎ融資で住宅完成前に必要なお金を支払う
6、工事開始(工事中に請求される金額も、つなぎ融資で支払う)
7、住宅が完成する
8、完成した住宅を担保に住宅ローンの審査が行われる
9、審査通過後、住宅ローン開始
10、住宅ローンでつなぎ融資の返済をしていく(元金のみ)
11、つなぎ融資を完済したら、残った住宅ローンの返済をする

上記は土地がない場合の流れです。すでに持っている土地に住宅を建てる場合、土地の部分は省きます。


【つなぎ融資の注意点】
つなぎ融資は、住宅ローンよりも金利が高く設定されています。現在住宅ローンの金利は非常に低く、変動金利で0.6%、35年間の固定金利でも1%程度です(2017年4月時点)。

一方でつなぎ融資の金利はおおむね3%前後です。上記の具体例であった20,000,000円を金利3%のつなぎ融資で調達し180日間借りると、精算のときには利息分がおよそ300,000円になります。


なお同額の20,000,000円を金利1%、35年返済の住宅ローンで借り入れた場合、180日間で支払う金利はおよそ53,000円です。

実際の計算方法はもう少し複雑で、単純に比較することはできません。しかしわずかな金利の違が大きな差になることはわかってもらえるでしょう。

またつなぎ融資と住宅ローンは、基本的に同じ金融機関で申し込みます。そのためつなぎ融資を取り扱っている金融機関を選ばなければなりません。

もし土地を購入する際にもローンが必要なら、土地のためのローンを借りるのも同じ金融機関である必要があります。さらにつなぎ融資は住宅ローンとは違うローンなので、申込事務手数料や印紙代は別にかかります。


【つなぎ融資不要の住宅ローンもある】
一部の金融機関が提携している金融商品に、住宅の完成前にローンを組めるものがあります。

銀行と消費者の間を取り持つサービスで、銀行に対しては「住宅の完成を保証」し、消費者に対しては「住宅の完成前に金利の低い住宅ローンを利用する」ことを可能にしたものです。

利用のための手数料がかかり、提携する銀行を探す必要がありますが、つなぎ融資による日割りの利息よりも安く済む場合が多く、一考の価値があります。

また物件の完成前に分割して融資をうけられる「分割実行」が可能な住宅ローンも存在します。これは一部の金融機関が取り扱っているサービスで、住宅の完成前から住宅ローンの低金利が適用されます。

審査基準は厳しく、提出資料も多いため消費者の負担は増えますが、分割実行によってつなぎ融資を不要にできれば、数十万円単位での節約が可能になります。

まとめ

注文住宅は考えることも決めることも非常に多く、労力のかかる一大事業です。しかし自分にとって最高の家を建てられたときの感動と愛着は素晴らしいものになるでしょう。後悔や不満の残らない家づくりのために、注文住宅の特徴やお金について理解を深め、計画的に建築を進めましょう。

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