
「宇宙」×「ロンドン」ミックス
築9年築浅物件のマンションリノベーション。
カメラマンのお施主様は自宅兼仕事場としての
お部屋のリノベーションを希望されていました。
もともとLDKに面していた洋室の壁を取り払い、
リビング側のTVボードとワークスペース側の本棚を兼ねた
大きな作り付け家具を造作することで、
LDKとワークスペースを緩やかに区切る構成としました。
L型キッチンのリビング側の壁を大きく開口し、
窓からの光が入りやすい明るいキッチンにしました。
テーマは「宇宙×ロンドン」
「宇宙っぽい感じの内装にしたい。」というお施主様のご要望と、
お住まいだったこともあるロンドンの要素を織り交ぜ、
普段あまり使わないような素材をたくさん集めて、
どこか不思議で面白い内装になりました。
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宇宙っぽい感じ
「ロンドンで買ってきた照明が宇宙っぽいんですよね~。
宇宙っぽい感じの内装にしたいです。」
イギリスがEUからの離脱を決定するより少し前、
Nさんがロンドン旅行から帰って来て最初の打合せの時の一言。
それまで、Nさんのお家のリノベーションの方向性はプランもイメージもこちらが提案し、
木肌の素材感を活かしたナチュラルな雰囲気の内装をイメージしていました。
私自身もよくやる内装だけど、雰囲気のある内装。
そんな風に考えていました。
数回の打合せで、なんとなくのイメージが固まってきましたが、
「宇宙っぽい感じ!」とひっくり返されました(笑)
Nさんがその照明器具の写真を見せてくれる。
マットな黒い金属の三角錐の下に玉虫色に輝く不思議な球のついた照明器具を見た時に、
その宇宙っぽい感じの内装という意味が、一気に理解できたような気がしました。
自分とNさんとの間で「これだ!」という感覚を共有した瞬間でした。
宇宙的内装の仕上げって?
そうとなれば話は早い。
予算を考えながら設備や仕上げの材料など、どんどん決まっていきました。
普段使わないようなツヤツヤしたウレタンクリア塗装のカリンフローリング
(最近はマットな木肌の素材感を活かしたナチュラルなフローリングが自分の好みでしたが、
ここではこのちょっとだけ不自然なツヤ感が逆に最適だということに気が付きました。)、
くすんだゴールドの真鍮トグルスイッチ、
白く塗装したコンクリ―ト現し天井、
キリン柄の壁紙、
石目調の本磨きタイル巾木などなど。
※玄関正面アクセント壁紙と白い壁紙の切替え出隅の納まり。
言葉で書くと何だかとてもバラバラなようですが、
宇宙なんだからとにかく何でも受け入れて取り込めちゃう、そんな広大で寛容なイメージがありました。
しかし、その照明器具を中心に宇宙的なバランスのとれた空間のイメージはつかめていました。
例えばこんな見方ができます。
トグルスイッチはメカっぽくて宇宙船みたい。しかもゴールドだからファンタジー!
天井の躯体コンクリートの凹凸や石目調のタイル巾木はどこかの星の地表の模様。
玄関開けたらキリンがたくさん群れて居たり、寝室で鳥が苺を盗んでいたり、
壁から馬が顔を出して覗いているのだってなんだか不思議で面白い。
星や機械や物理現象のように無機質な質感や幾何学的な形態と
土や生き物などの有機的で動的な様相がごちゃ混ぜに存在する宇宙的な在り方。
そういう雰囲気を目指しました。
宇宙にロンドンをミックス
Nさんがお住まいだったことがあり、
ちょっと前に旅行にも行ってきた「イギリス・ロンドン」というテーマも入っています。
イギリスのレンガ色のような茶色の本棚、
競走馬のペーパークラフト、
Nさんがあちらで住んでいたお部屋にあったようなキッチン、
ウィリアムモリスの壁紙(ウィリアムモリスはイギリス人デザイナー)、
白いツヤ有り塗装の洋ドア、
ポールスミスのようなカラーリングで色彩豊かな床。
現場に足を運んで内装が出来上がっていくにつれ全体像が表れてきましたが、
「ああ、Nさんってスゴイな」
と思いました。
Nさんのそんな「宇宙観」と「ロンドン観」がミックスされたお部屋となりました。
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