電気料金、もっと抑えられるかも?ライフスタイルに合ったプランで賢く節約しよう!

日々の暮らしに欠かせない電気。「月々の電気代はそれなりにかさむけれど、電気料金を節約するためには電気を使わないようにするしかない」と思い込んでいませんか?しかし、実は電気料金プランを見直すだけで、電気代を安く済ませられるかもしれません。そこで今回は、電気料金プランの見直し方などについてご紹介していきます。

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■まずは契約アンペアをチェックして節約

電気料金プランの見直しと言っても、どこから手をつけるべきかわからない人も多いのではないでしょうか?

最も簡単にチェックできるものとしては、「契約アンペア」が挙げられます。

契約アンペアとは、同時に使用できる電気の量の上限を定めたものです。アンペア数によって基本料金が異なるため、契約アンペアを変更することで電気料金を節約できる可能性があるのです。

そもそも、電気料金はどのように計算されるのでしょうか?例えば東京電力の場合、以下の式で電気料金が計算されています。

《電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金》

上記の電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電気の使用量に応じて課金されるため、この部分を節約するためには節電をする必要があります。

そこで注目したいのが、契約アンペアによって金額が異なる基本料金です。

例えば、東京電力の一般家庭向けプラン「従量電灯B」では、以下のように電力量料金が3段階になっています。

・120kWhまで…1kWhあたり12.52円

・120kWh~300kWhまで…26.00円

・300kWh超…30.02円

また、基本料金に関しては以下のように設定されています。

・10A…280.80円

・15A…421.20円

・20A…561.60円

・30A…842.40円

・40A…1,123.20円

・50A…1,404.00円

・60A…1,684.80円

先ほど述べた通り電力量料金は電気の使用量によって決まるので、同じだけ電気を使用した場合には、40Aから30Aに変更することで月々280円を節約できる計算になるのです。

ただし、契約アンペアの見直しはすべての人が行えるわけではありません。

実は、電気料金にはアンペア料金制と最低料金制の大まかに分けて2つの料金体系があり、電力会社によってどちらのシステムを採用しているのかが異なります。

契約アンペア制では、東京電力の例で見たように契約アンペア数ごとに基本料金が定められており、さらに電気使用量に応じて課金されます。

北海道電力、東北電力、北陸電力、東京電力、中部電力、九州電力などはこの契約アンペア制を採用しています。契約アンペアの変更ができるのは、こちらの契約アンペア制を採用している電気事業者と契約している場合です。

それに対して最低料金制は基本料金が無く、ある一定の量までは一律の最低料金が定められており、それ以上は使用量に応じて課金されます。

例えば関西電力では、一般家庭用の「従量電灯A」というプランの場合、以下のように料金が設定されています。

・15kWhまで…一律373.73円

・15kWh~120kWhまで…1kWhあたり22.83円

・120kWh~300kWhまで…29.26円

・300kWh超…33.32円

このシステムを採用している電力会社としては、関西電力のほかに中国電力、四国電力、沖縄電力などが挙げられます。

これらの電力会社を利用している場合には、契約アンペアによる料金の差は無いので、ライフスタイルに合ったお得な料金プランを検討してみると良いでしょう。

■契約アンペアを見直すときのポイント

まずは、現在契約しているアンペア数を確認しましょう。玄関や洗面所などにある分電盤を見ると、ブレーカーが色分けされていたり、数字が書いてあったりします。

色分けは電力会社によって異なるため、わからない場合は各電力会社のウェブサイトなどで調べましょう。

また、毎月の電気使用量のお知らせにも記載されています。

次に契約アンペア数を見直しますが、ただやみくもに下げればよいというわけではありません。

エアコンや照明、テレビ、電子レンジ、掃除機、洗濯機、ヘアドライヤーなど家の中には電化製品がたくさんありますが、これらを一度に使おうとして契約アンペア数以上の電流が同時に流れると、ブレーカーが落ちる仕組みになっています。

ブレーカーが落ちても、スイッチひとつで回復する場合が多いですが、あまり繰り返すとブレーカー自体がうまく作動しなくなる恐れがあるのでとても危険です。

そのため、同時に使う電気の量を見定めて、必要な分がギリギリ収まるアンペア数を選ぶのが安全に節約をするコツです。

同時に使用する電気の量は、1年のうちで一番電気の消費量が多いときを基準にして考えるとよいでしょう。月々の電気料金を比べてみた場合、どの季節に一番多く支払っているでしょうか?

一般的に春や秋の電気消費量は少なく、夏と冬に多く消費すると言われています。

特に冬は、日が短いことから照明をつけている時間が長かったり、電気ストーブや電気毛布などの暖房器具を使ったり、長袖や厚手の服で洗濯物が増えることから洗濯回数が増えたり、気温が低くて洗濯物が乾きにくいため洗濯乾燥機を使ったりと、電気消費量が増えやすい傾向にあります。

一方、夏場もエアコンによる電気消費量が多く、夏の需要全体のおよそ半分を占めると言われています。

また、東京電力エナジーパートナーによると、1日の電気消費量をグラフにしてみたときに、夏と冬では電気需要のカーブが異なるとされています。

夏は日中にのみエアコンをつけている場合が多いため、昼夜の電気消費量の差が大きくなり、ピーク時の電気消費量は冬に比べて多くなります。

それに対して冬は起きて活動を始める朝と、日が暮れて暗く寒くなる夕方の2つのピークがあり、全体的に緩やかなカーブを描きます。

電気の使い方は家によってさまざまですが、契約アンペア数を考えるときに重要なのは「一度にどれくらいの電気を使うか」というポイントなので、ピーク時に何アンペアが必要になるのかを考えるとよいでしょう。

では、具体的にどんな電化製品がどれくらいの電気を必要とするのでしょうか?まずは、家の中にあるさまざまな電化製品のアンペア数がどれくらいなのかを把握しましょう。

アンペアとは、電気の流れる量を表す単位のことで一般的にはAと表します。

電化製品の電気消費量というと消費電力(W)が思い浮かぶ人が多いと思いますが、「電力(W)=電圧(V)×電流(A)」という式に当てはめることで、ワット数からアンペア数を計算することができます。

日本の電圧は全国一律100Vなので、例えば1,000Wの掃除機と1,500Wの電子レンジの場合は、以下の式でアンペア数を導き出せます。

・1,000Wの掃除機のアンペア数…1,000(W)÷100(V)=10A

・1,500Wの電子レンジのアンペア数…1,500(W)÷100(V)=15A

東京電力エナジーパートナーによる主な電化製品のアンペア数の目安は、以下の通りとなっています。

・掃除機(強)…10A

・450リットルクラスの冷蔵庫…2.5A

・電子レンジ…15A

・ドラム式洗濯乾燥機の乾燥時…13A

・IHジャー炊飯器…13A

・プラズマ42型テレビ…4.9A

ただし、例えばインバータエアコンは暖房使用時の稼働中は6.6Aですが、立ち上がり時などは一時的に20A前後になるなど、使用中に変動がある機器も多いため注意が必要です。

さて、これらの電化製品を常に使っているものと一時的に使うものに分けて考えます。

例えば、冷蔵庫(2.5A)や照明(1A)、エアコン(6.6A)などを大体いつも使用しているとすると、常時10.1Aは必要だということになります。

その上で、一日の生活を思い浮かべてみて、
「食器洗浄機(13A)でお皿を洗う一方で洗濯機(13A)を回しながら掃除機(10A)をかける」
という場面がある場合、さらに追加で39Aが必要となり総アンペア数は
「10.1A+30A=49.1A」
となるため、契約アンペアの目安は50Aとなります。

一方、一度に使うのはせいぜい
「炊飯器(13A)でご飯を炊きながら電子レンジ(15A)でおかずを温める」
くらいだとすると、追加で必要なアンペア数は28Aとなり、総アンペア数(10.1A+28A=38.1A)から判断すると契約アンペアは40Aあれば足りることになります。

このように、アンペア数の合計が一番大きくなる場合を想定して、現在契約しているアンペア数より一段階下げられそうであれば、その分の基本料金を節約することができるのです。

もし、現状ではアンペア数を変更できないというときには、ほんの少しライフスタイルを変えてみてはいかがでしょうか。

多くの電気を消費する電化製品を同時に使わないように、食器洗浄機や洗濯乾燥機などは、タイマー機能を使って稼働時間をずらせばアンペア数のピークを抑えることができます。

電化製品の機能をフルに使って賢く節約しましょう。

■安い時間帯がある電気料金プランで節約

契約アンペア制でない場合や、契約アンペアの見直しを済ませてもっと節約をしたい場合には、電気料金プランの変更を検討してみましょう。

例えば、時間帯によって電気料金が変わるプランは、複数の電力会社が提供しています。

当たり前のことですが、電気の消費は多くの人が活動している昼間に集中しています。一方、発電所はこまめに発電量を調整することができないため、夜間は電気が余りがちになります。

そんな電力会社の事情もあり、夜間に電気料金を安く設定したプランが多く見られるのです。

夜間以外にも、休日や春・秋など、オフピークに電気料金が安くなるプランは多くの電力会社で用意されているため、ライフスタイルと照らし合わせて検討してみてもよいかもしれません。

例えば、以下のようなプランが見られます。

【関西電力の「時間帯別電灯」】

昼間の電気料金が少し割高になる代わりに、23時から7時の間の電気料金を安く設定しています。

関西電力の通常のプラン「従量電灯A」では第2段階(120kWhから300kWhまで)は29.26円ですが、「時間帯別電灯」では日中の料金が31.66円、夜間は13.10円です。

電気給湯器を使用している場合はお風呂も夜間に入ったり、洗濯乾燥機や食器洗浄乾燥機などをタイマーで夜間に使ったりすることで節約が期待できます。


【東京電力の「夜トク」】

夜間の割安になる時間帯が23時から7時と短い「夜トク8」と、21時から9時と長い「夜トク12」があり、夜間の料金がそれぞれ20.78円、22.55円となっています。

■自分に合ったお得なプランで節電

時間帯別のほかにもお得なプランはあります。特にオール電化の住宅に住んでいる場合には、電気使用量が多い人向けのプランに切り替えた方がお得かもしれません。

一般的なプランでは、電気料金は使用量が増えるほど1kWhあたりの値段が高くなります。すると、オール電化住宅などで使用量が多い場合には、電気料金は割高になってしまいます。

それに対して、オール電化用のプランはどんなに使っても1kWhあたりの電気料金は変わりません。

例えば、以下のようなプランが選択肢として挙げられます。


【東京電力の「スマートライフプラン」】

1時から6時までの夜間は17.46円、それ以外の昼間は25.33円で固定となっています。

夜間蓄熱式機器などを使用したり、タイマー機能で洗濯や食器洗浄を夜に行ったりすれば、効率よく節約することができます。


【九州電力の「電化でナイト・セレクト」】

昼間と夜間に固定料金が設定されており、夜間10時間が13.02円と割安になるプランです。

夜間時間帯を21時~7時、22時~8時、23時~9時から選ぶことができ、夜遅くまで起きている人や朝に家事をする人など、さまざまな生活スタイルに対応しています。

また、昼間の電気料金は夏と冬の平日が26.40円、休日が20.88円、春と秋は平日が23.56円、休日が17.55円と平日より休日が安く、夏と冬よりも春と秋に安くなっており、電力需要の少ない時間に電気を使うことで節約ができるようになっています。

ほかにも、以下のようにそれぞれの土地の事情に寄り添ったプランが用意されている場合もあります。また、ライフサポートと電気料金がセットになっているプランも登場しています。


【北海道電力の「融雪用電力A~D」や東北電力の「よりそうCスノー」など】

道路の融雪設備を使用する人向けのプランであり、毎年3か月あまりの間のみ決められた時間に電気を使うことができます。


【中部電力の「暮らしサポートセット」】

水回りや鍵のトラブルにすぐ対応してくれるサービスや、さまざまな電話相談サービス、ハウスクリーニングの割引などが、電気の基本料金プラス300円で受けられます。

注意すべきなのは、電力小売全面自由化した2016年4月を境に、電気料金プランを変更した電力会社が多いことです。

それにともなって、今までにあったプランに新規に加入することができなくなっている場合があります。

一方で、新しい料金プランができているところもあるので、今まで知らなかったお得なプランが見つかるかもしれません。

一度詳しく調べてみることをおすすめします。

ここでは紹介しきれませんでしたが、主要電力会社以外にもガス会社や携帯電話会社など新規の電気事業者は多数あり、それぞれさまざまな料金プランやサービスを提供しています。

既に集めているポイントがさらに貯まったり、支払いがセットで割引になったりと、自分に合ったプランが見つかる可能性があるので、馴染みの会社が電気事業を始めていたらどんな料金プランがあるのか調べてみましょう。

■まとめ

いかがでしたか?電気料金の節約というと照明をこまめに消したり、エアコンの設定温度を変えたりといった「節電」にばかり目が行きがちですが、電気料金プランを変えるだけでも安く抑えることができる場合があります。電力自由化で選択肢の幅が広がり、これまでよりさらにいろいろな料金プランやサービスが出てきているので、ぜひ一度、調べてみてください。

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