【学生・社会人別】一人暮らしだと月々どれくらいの生活費がかかる?
一人暮らしを始めるにあたって、一番気になるのはやはり生活費のこと。毎月、家賃の他に食費や光熱費、交際費など様々なことにお金がかかります。また、学生や社会人など、職業などによってもお金の使い方は異なるでしょう。そこで今回は、学生と社会人、それぞれにかかる一人暮らしの生活費をご紹介します。
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■家賃の目安は?立地や間取り、アパートかマンションかによってどれくらい違う?
一人暮らしにおいてもっともお金がかかるのが家賃です。間取りや条件によって家賃はまったく異なるので、条件ごとの家賃を把握し、自分に合った部屋を見つけることが大切です。
家賃の目安は、一般的には月収の3分の1と言われています。この時の「月収」とは手取り額のことを指しているので、月収18万円の人は14〜15万円が手取りとなります。
具体的な収入と家賃の金額としては以下のようなイメージです。
・月収15万円以下…家賃4〜5万円
・月収15〜20万円…家賃5〜6万円
・月収20〜30万円…家賃6〜8万円
・月収30万円以上…家賃8〜10万円
また、アパートとマンション、間取りや立地によってどのくらい値段が変わるのでしょうか。以下を参考に、自身のこだわりポイントと予算を検討してみましょう。
【アパートとマンションの差額】
一人暮らしの場合、住む物件はアパートかマンションの二択から選ぶことがほとんどでしょう。
両者の違いは、建物の構造。
アパートは
・木造
・プレハブ
・造軽量鉄骨造のもの
マンションは
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)
・鉄筋コンクリート造(RC)
・鉄骨造(ALC)のものを指します。
一般的にマンションの方が頑丈なつくりになっていて、5階建以上の場合は必ずエレベータが付いています。
防音効果もマンションの方が高いので、同じエリアや同じ間取り、同じ築年数であっても、マンションの方が家賃は1万円ほど高くなります。
【間取りによる家賃の違い】
一人暮らしの間取りは、主にワンルーム、1K、1DK、1LDKの4種です。
ワンルームは、トイレやバスルームを除くすべてのスペースがひとつになっている部屋のこと。キッチンも部屋の中に含まれています。
一方、1Kはキッチンが部屋とは別で確立されているもの。そのため、1Kで6帖と記載されている場合は部屋のみの広さを指していますが、ワンルームの6帖にはキッチンも含まれているため、実際の部屋のスペースは6帖未満になってしまいます。
家賃で比較すると、ワンルームと1Kでは、同じ立地や敷地面積であっても、最大1万円の差額が生じることも珍しくありません。
1DKは、部屋とは別で4.5〜8帖ほどのダイニングキッチンがついている部屋のこと
1LDKは部屋と別で8帖以上のリビングダイニングキッチンがついている部屋のことです。
1Kと1DKの家賃の差額は2万円前後、1DKと1LDKの差額は3万円前後が目安です。
【立地による違い】
駅からの距離によっても家賃に差が出ます。
徒歩5分以下と徒歩6〜10分の物件ではほとんど家賃に差はありませんが、徒歩11分になるとぐっと家賃は下がります。徒歩5分以内の物件と比べると1万円以上の差額が生じ、徒歩16〜20分の物件になると、そこからさらに1万円ほど下がります。
また、急行が止まったり始発電車があったりする駅の場合は、隣駅と比べ家賃相場が1万円ほど上がることもあります。
■食費の目安は?自炊と外食とお惣菜、どれが安くつく?
収入のうちの3分の1が家賃にかかるとして、残りの3分の2のお金の使い方に気をつけたいところです。中でも毎日お金がかかる「食費」は、出費を左右する大事なポイントとなります。
総務省統計局が行なった「全国単身世帯収支実態調査(平成26年)」によると、一人暮らしの1ヶ月の食費平均額は男性で41,772円、女性で32,142円という結果になりました。
年齢別では、以下の通りとなります。
・30歳未満…男性は36,100円、女性は2,8048円
・30〜39歳…男性は42,152円、女性は30,217円
項目別に見てみると、野菜や海藻などの素材に関しては女性の方がお金をかける傾向があるのに対し、お弁当や冷凍食品を指す「主食的調理食品」は明らかに男性の方が高くなっています。
さらに外食の平均額を男女で比較すると、30歳以下では5,000円、30〜39歳では1万円ほど男性の方が高くなっていました。
これは、男性は外食が多く、女性の方が自炊をする傾向にあることを示していると言えるでしょう。
男女の差額からも自炊の方が安く済むことがわかりますが、実際どのくらい差額が生じるのでしょうか。以下では、自炊と外食、お弁当やお惣菜などの中食を活用した場合をシミュレーションしてみましょう。
【自炊の場合】
3食自炊でまかなう場合、米1キロ、野菜、肉、魚、卵、調味料などを買い揃えたとしても1週間分は3,000円ほど。
中食や外食に比べると食費はぐんと下がりますが、代わりに調理の際に使用するガスや電気代が高めになります。
【中食の場合】
朝はコンビニでパンやおにぎり、飲み物を買うと想定し300円、昼と夜はコンビニや惣菜屋さんで買ったお弁当500円を食べると想定します。
すると1日あたり、
300円+500円+500円=1,300円。
1週間で9,100円の計算になります。栄養に気を使ってサラダなどを買い足すと、さらに費用がかかりそうです。
【外食の場合】
朝は中食派と同様にコンビニで買うと想定し300円、昼は定食屋さんで700円のランチ、夜は1,000円で外食していると想定します。
すると1日あたり、
300円+700円+1,000円=2,000円。
1週間で14,000円の計算になります。お酒を飲んだりすると、さらに高くなることが予想されます。
上記は3食すべてを自炊や中食、外食にした場合のイメージです。自炊と外食では1万円以上の差が出ました。
しかし実際は、一人暮らしで毎日自炊をするのは難しく、一方で外食ばかりというわけにもいかないでしょう。
自炊用の食材を1,800円程度に抑え、代わりに中食を週4日、外食を週3日に抑える場合を見てみましょう。
1,800円+500円×4日+1,000円×3日=6,800円。
すべて自炊をするよりは高くなりますが、中食や外食よりは安く、栄養バランスも整えやすく無理のない方法です。
他にも、食材を冷凍したり、お弁当が作れなくてもごはんだけは持っていったりするなどの工夫をすれば、費用は抑えられるはずです。
■水道光熱費、通信費、携帯料金の目安
食費とともに、毎月必ずかかるのが水道代や光熱費、通信費です。
「全国単身世帯収支実態調査(平成26年)」によると、「光熱・水道」の月額平均は、30歳未満と30〜40歳を見てみると、男女ともに7,000〜8,000円。
電気代、ガス代、水道代をそれぞれ見てみると以下の通りとなりました。
・電気代の平均…3,000〜3,500円
・ガス代の平均…2,200〜2,500円
・下水道代の平均…1,700〜1,800円
通信費に関しては、男女ともに7,000〜8,000円が平均額となっていて、携帯電話の通信料金は5,000〜6,000円程かかっていることがわかります。
上記の金額は、住む地域によっても変動します。契約する会社がエリアによって異なることが理由ですが、中でも関西のガス代に関しては、ガスの自由化に向けて各社が料金見直しを行ったため値下げ傾向が顕著になりつつあります。
東京と比べても、基本料は半額近くにまで下がっているようです。また、これらの費用を節約するにはさまざまな方法があるので、節約アイディアを以下でいくつかご紹介します。
【ガス代】
暮らしの中でもっともガスを使うのがお風呂と言われているため、お風呂での節約を心がけるとガス代が大幅に削減できます。
具体的には、追い炊きの回数を減らすためにお風呂にフタや保温シートをかぶせたり、シャワーを短くしたりするなどの工夫が考えられます。
40度のシャワーの場合、1分短くなるだけで3円の節約につながります。
また、キッチンでお湯を沸かす際は電気ポットではなく、やかんで必要な量だけを沸かす方が節約になります。
1リットルの水を3回コンロで沸かしたとしても、3リットルの水を電気ポットで1度に沸かして保温するより安く済ませることができるのです。
【電気代】
一人暮らしの物件では、だいたいが30Aでの契約となっています。
しかし、これを20Aに引き下げれば、電気の使いすぎを防ぐことができます。30Aの基本料金が840円ほどなのに対し、20Aは560円ほど。実際に一人暮らしでは20Aでも十分です。
他にも、コンセントを抜いて待機電力を抑える、冷蔵庫にものを詰め込みすぎない、テレビの明るさを少し抑えるなどの方法が考えられます。
掃除機を使う時間を減らすために、あらかじめクリーナーなどでほこりは取っておくという方法なども効果的です。
【水道代】
水道代に関しては、主にお風呂とトイレでの工夫が効果的。お風呂でついシャワーを出しっ放しにしてしまうという方が少なくありませんが、10分の洗髪などの間に3分間シャワーを止めるだけで36リットルの節水につながります。
これを1ヶ月続けると1,000円の節約になります。
トイレでは、流す際の流水レバーに注意。いつも大で流すという方が多くいますが、実はこれを小にするだけで2リットルの節水になります。
こちらも金額に換算すると1ヶ月で170円の節約。1年で2,000円削減できます。
【通信費】
今やスマートフォンは生活必需品のひとつ。利用頻度は抑えられなくても、パケット代を抑える工夫をしましょう。
自宅にインターネット回線が引いてある場合は、極力そちらに切り替え、外出時も公共のWi-Fiサービスを活用しましょう。
また、電気とインターネット、携帯電話のセット割を提供している電気会社もあります。他にも、2016年4月から開始した電力自由化にともない、各社がさまざまなプランを発表しています。
これらを比較し、自分に合ったプランを見つけるのも手です。
■学生の交際費、雑費の目安
家賃や光熱費などを引いた金額が、自由に使えるお金になります。学生の場合は平均していくらくらい使っているのか見てみましょう。
全国大学生活協同組合連合会が行った「第51回学生生活実態調査の概要報告」によると、一人暮らしの学生が受け取っている親からの仕送りは平均で月額71,440円、奨学金の平均は23,270円、アルバイトの収入は平均25,320円。
その他の収入などを加味した上での平均収入は、月額122,580円となりました。
家賃が5万円、自炊や学食などを利用して食費が2万円、水道・光熱費が7,000円、携帯電話などの通信費が5,000円とします。すると、残りは4万円弱となります。
ただし、残りがすべて自由に使えるというわけでもなく、統計によると、主に以下の出費が見られました。
・教育娯楽費…8,490円
・書籍費…1,680円
・日常費…4,800円
これらを引いた金額が交際費に充てられますが、その額は25,000円前後。
学生の場合、サークルの飲み会などは1回あたり3,000〜4,000円程度。毎週参加するとあっという間にお財布が空になってしまいそうです。
また、女子の場合は化粧品や髪型にも気を使いたいところでしょう。こちらは女子の方が金額が多くなる傾向にありますが、それでも2万円以内には抑えておくのが賢明です。
その他、交通費なども考慮すると、やはり交際費や雑費は15,000円程度が理想的です。
万が一のことなども考えて、最終的に手元には1万円を残しておくことも考えておきましょう。
そのためには、上記の書籍費を浮かせるために学校などの図書館を活用することなどの工夫をすることが大切。図書館であれば書籍代を節約できるだけでなく、冷暖房の設備も整っているので、電気代やガス代の節約にもつながるでしょう。
■社会人の交際費、雑費の目安
社会人の場合は、年齢や経歴によっても収入はまったく異なります。今回は新社会人の場合を見てみましょう。
厚生労働省が行った「平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)」によると大学卒の初任給の平均額は203,000円。
これは所得税や社会保険料なども含んだ金額になるので、実際に手元に残るのは16〜17万円ほどになります。
住民税も給与から引かれますが、前年度の所得に対してかかるものなので、新社会人の場合はありません。
家賃が7万円、外食などが増えるので食費は25,000円、水道・光熱費が7,000円、携帯電話代と自宅での通信費が10,000円とします。すると残りは5万円前後。
そこから日用品などに5,000円使い、貯金を15,000円すると、残りは3万円。
学生に比べると自由に使えるお金が3万円というのは大きな額に見えますが、社会人の場合は自分でスーツやメイク道具などの身だしなみ費用も捻出しなくてはなりません。
さらに、社会人の場合は食事に行くお店も学生に比べ価格が高くなります。すると、交際費に充てられる金額は2万円前後が理想的だと言えそうです。
■まとめ
学生と社会人では収入が違いますが、必要な支出も異なることがわかりました。両方に共通して言えることは、万が一の時のために、多少は手元にお金を残すことが大切だということ。まずは、自分の中で優先順位をつけながら、生活費のシミュレーションをしてみましょう。
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