
明治神宮前のカフェ/OnJapan CAFE
東京を象徴する発信地である原宿は、国内外問わず旅行客に人気の地域である。そんな地域にありながら、表通りの喧噪から一歩離れた、ゆったりと過ごせるカフェを計画した。
2020年の東京オリンピックに向けて、多様なプラットフォームを活用して日本の魅力を海外へ発信し、共有する事業の一環として、飲食するだけの空間に留まらない情報やコンテンツを体験できる場として、このカフェが位置づけられている。日本に関する様々な情報を多言語で発信し、体験の場を提供することで、日本人ばかりでなく訪日外国人までもターゲットにした、マルチリンガルなカフェである。また、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食に着目し、旨味をテーマとした豊かな日本の食文化も提案している。
まず1つの特徴として、日本の芸術、食文化、武道、建築や庭園など多岐にわたる日本文化を紹介した数百冊の英文書籍を蔵書しており、利用者は自由に閲覧することができる。壁一面のライブラリは空間に色を添えいるが、単なる空間演出のためのディスプレイではなく、先に述べた事業内容の重要な一翼を担っている。また、旬の食材を使用した料理レッスン、日本酒や抹茶のセミナー、生け花や書道のワークショップなど日本の伝統文化を体験できるフレキシブルな場として計画している。可変的な家具や照明計画により空間に冗長性を持たせることで、こうした多様なイベントに対応している。
コンクリートの躯体に大きく穿たれた窓からは、街と繋がる風景に接続することはできず、隣地にある建物の無味な壁面が広がっている。前面道路は、繁華街の裏路地のため人通りも疎らである。そのため、内部空間の充実化と、隠れ家的な落ち着いた雰囲気の両立が求められた。まず数百冊の洋書を所蔵するために大きな本棚を計画し、本棚が設置される壁面全体を同様の素材と色合いで仕上げた。コンクリートの質感と調和の取れた木質の穏やかな色調の中に、洋書の表紙や背表紙がアクセントとなり、多様な背景を作り出している。床材は経年変化により徐々に深みを増してゆく素材を採用しており、日本古来より美意識の1つである風情を坪庭で表現した。洗面室へのアプローチは壁と天井共に黒板塗装を施しており、客席とは一変した空間となっている。様々な事柄をチョークで描くことで、空間のカスタマイズを可能としている。また、ゆとりをもった距離感を大切にして客席の配置を行った。
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