プロが教える「ミニバラ」の育て方

コンパクトでかわいらしく、小スペースでも楽しめるのがミニバラの大きな魅力。ただし、病害虫に注意が必要なのは他のバラと同じです。ミニバラを上手に育てるのに必要な、ちょっとしたコツを解説します。

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コンパクトでかわいらしく、小スペースでも楽しめるのがミニバラの大きな魅力。ただし、病害虫に注意が必要なのは他のバラと同じです。ミニバラを上手に育てるのに必要な、ちょっとしたコツを解説します。

▲「ツベルゲンフェー'09」

1 苗と用土

*苗の種類

つぎ木苗とさし木苗がある!

■つぎ木苗
庭植えにも適します。パティオ系と呼ばれる大型のミニバラが多く、基本的な性質は一般のブッシュと同じですが、次のような特徴もあります。
●早く大株になる。
●肥料やけに強い。
●根腐れしにくく、過湿に 強い。
●用土(土壌)を選ばない。

■さし木苗 
開花株で売られている鉢苗の多くはさし木苗です。花は極小輪から花径5cmぐらいまでで、樹高は高くならず、おもにハンギング、鉢植えが多く、手軽に入手できます。用土による影響が大きく、次のような特徴があります。
●つぎ木苗より成長が遅く、コンパクト。
●肥料焼け、根腐れを起こしやすい。
●根元(株元)からシュートが出る。
●用土(土壌)を選ぶ。◎花が大きめで株もしっかり育つ、つぎ木苗「テディ ベアー」

◎開花株の鉢苗。ピンクの小花が咲き乱れるさし木苗‘ほほえみ’。全体によく締まって、色つやのよいものを選ぶ。

*用土の選び方

水はけのよい用土で育てる

ミニバラは水はけのよい用土で栽培することが重要です。
つぎ木苗に適する土 赤玉土中粒7:ピートモス2:赤土1の配合土。
さし木苗に適する土 ピートモス7:赤玉土中粒2:パーライト1の配合土。

2 植えつけ

*鉢に植えつける

開花株、ポット苗は根鉢をくずさずに植える !

植えつけの方法は、基本的にはほかのバラと同じです。ただし、ミニバラはポット苗が多いので、根鉢をくずさずに植えつけます。
3月から11月ごろまでに開花株の鉢を購入した場合は、そのまま花が終わるまで育ててから植えつけてもよいでしょう。ほぼ1年中出回っている小輪タイプのポット苗。ギフトなどのバスケットはポット苗がそのまま入っていることが多いので、必ず鉢に植えつける。
→黄変した葉や枯れ枝などをていねいにとり除く。
→水はけのよい用土に、根鉢をくずさずに植えつける。

*庭に植えつける

庭植えの場合は、新苗と同様の方法で植えつけます。

3 ミニバラの管理

日当たり、風通しのよい場所に植えられた「レディ メイアンディナ」。ミニバラの中では極めて大きな花を咲かせる。

*育てる場所

日当たりのよい場所で管理する

基本は、日当たりと風通しのよい戸外で育てます。鉢植えのミニバラを開花すると室内に飾るという人が多いようですが、古い品種のなかには、室内に3日間置くと葉や蕾が落ちたり、葉が黄変するものがあります。室内に飾る場合は1日程度にし、できるだけ戸外で日によく当て育ててください。
ベランダで育てる場合は、できるだけ雨の当たらない場所で、鉢と鉢の間隔をとって風通しがよくなる工夫をしてください

*水やり

「乾いたらたっぷり」が基本!

鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。

※ミ二バラは樹高が低いため、水やり時の水や土のはね返りが病気の原因になることも多いので、季節を問わず株元をマルチングしてもよい。

*肥料

固形肥料を置き肥する
3月〜11月ごろまで、30〜40日に1回の割合で、有機質の固形肥料を(4号鉢で1~2個が目安)置き肥します。

できるだけ株元から離れた鉢縁に置く。

固形肥料のほか、1週間に1回、水やりの代わりに薄めの液肥を与えてもよい。

*病害虫の予防と対策

ハダニと黒星病に注意!

梅雨どきから夏にかけて、ミニバラが葉を落とすのは黒星病とハダニが大きな原因。黒星病は4月〜11月ごろまで発生し、古い葉の表面に墨をにじませたような丸い黒斑が現れ、やがて落葉します。気温20〜25℃ぐらいのときに多発し、雨の多い梅雨時や秋の長雨時には特に注意が必要です。

夏の高温乾燥期に大量発生する。葉がカサカサしてクモの巣のような膜ができ、黄変して葉が落ちる。葉が落ちてしまったときの対処法

【つぎ木苗の場合】全体を浅く(軽く)剪定し、残っている葉はすべて摘みとり、枝に残るハダニは水を勢いよくかけて吹き飛ばしたら、殺ダニ剤と黒星病の薬剤を散布します。
芽が出たら薄い液肥を施し、新芽が5cm前後になったらピンチします(蕾がついたら蕾だけ摘みとります)。葉がふえたら花を咲かせ、固定肥料を施し、定期的に殺ダニ剤と黒星病の薬剤を散布します。

【さし木苗の場合】全体を浅く(軽く)剪定し、葉はすべて摘みとり、枝に残るハダニを落としたら、水はけのよい新しい用土(赤玉小粒7:ピートモス2:パーライト1など)で植え替えるとよいでしょう。そのほかの管理はつぎ木苗と同様に行います。

★ここがPoint!:ミニバラの密植は厳禁!

ハダニと黒星病の発生を抑えるためには、日当たりと風通しのよい栽培環境が一番大切。株間をとらずに寄せ植えたり、他の植物と密植すると、病害虫が発生しやすくなります。また、肥料や水も与えすぎると株が軟弱になってしまいます。

小さなコンテナに密植するのは病害虫を招く原因に。

4 ミニバラの手入れ

*花がら切り(夏剪定も同様)

基本は花がらだけを切る

ミニバラの花がら切りは、あまり神経質になる必要はありません。咲き終わった花がらを切りとるようにします。ただし、花が大きく、樹高が高くなるポリアンサ系などは、フロリバンダと同様の切り方で行います。
花が咲ききったあと、茶色くなってから花がらを切ると、次の芽が出るのに2週間かかります。同じ枝に咲いている花が混じっているくらいで花がらを切ると、1週間くらいで芽が出ます。◎房咲きの場合、咲き終わった順に花のつけ根から花がらだけを切る。

◎花が大きいタイプは、花枝の中ほどで切る。

◎全体を切った状態(夏剪定)。

*写真は切る位置を解説するために咲いている花を切っています

*冬剪定

樹高の1/2を目安に刈り込んでもよい

基本はブッシュの剪定と同じ方法です。樹高の半分ぐらいの高さで、細い枝を多く残し、中心がやや高くなるように刈り込みます。ていねいに行う場合は、一芽一芽、芽を見ながら切り、こんもりとした樹形に仕立てます。◎基本
枯れ枝や弱小枝、込み合った部分を切ってから、樹高の半分くらいの位置でバッサリ切ってもそれなりにきれいな花が咲く。かなり短めに切り詰めても大丈夫。

◎剪定前
大きめの鉢に、さし木苗のポット苗‘コーヒー オベーション’を4株植えた鉢。

◎剪定後
全体をゆるやかなドーム型に整えた。

ていねいに1本ずつ剪定する場合は、不要な枝を切りとってから、一芽一芽、芽を見ながらよい芽の上にハサミを入れていく。

こんもりとした樹形に仕立てるイメージで、ハサミを入れていく。

ミニバラ感覚で育てられるバラ

『フェアリー シリーズ』
すばらしい四季咲き性、花もちのよさ、育てやすさが特徴のバラのシリーズです。
とても丈夫で、強い四季咲き性をもつ‘ザ フェアリー’は、世界中で愛されている品種のひとつ。半日陰でも元気に育つので、初心者におすすめです。

1株に1000以上の花をつけ、5〜11月まで絶え間なく咲き続ける‘ラブリー フェアリー’。数株まとめて植えて強めに剪定すると、横に広がり見ごたえがある。

バラの育て方をもっと見たい方におすすめ!

「改訂版 プロが教えるバラのすべて」では、今回紹介したレシピ以外にもたくさんのバラの育て方のポイントをわかりやすく丁寧に紹介しております。

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