内装工事の現場日記

埼玉県草加市に開業した児童デイサービスが完成するまでの様子を、担当スタッフが現場日記としてお伝えした記事を、まとめてご紹介いたします。

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高田博章建築設計 tkdaaa.com

放課後等デイサービスってなぁに?

埼玉県草加市の複合ビル1階空き店舗を
「放課後等デイサービス」へとリノベーションするプロジェクトです。

放課後等デイサービスとは、学校に通う障害をもった子供たちが、
放課後や長期の休みを利用して生活能力向上のための訓練を行い、
自立した生活をしていけるようサポートする施設です。

現況調査

新たなリノベーションプロジェクト「児童デイサービス」がスタートしました。
初日は、現場調査ということで計画地である埼玉県草加市に行ってきました。
道路に面した複合ビルの1階部分をリノベーションします。

室内は、かなり綺麗な状態で使われていたため、大部分既存として生かそうと考えています。
テナントは以前、事務所として使用していたために天井には多くの蛍光灯が並んでいました。
施設に通う子供達は、剥き出しの蛍光灯を的にしてボールをぶつけてしまう事例があり
万が一割れた電球が子供たちに降りかかってしまっては危険なため、
照明器具のみ全て取り替えて使用する予定です。

計画地は、駅からのアクセスが良く、建物裏には公園があり
子供たちには、すごく良い環境でした。

次回からは、本格的に工事がスタートします。
随時アップしていきますので、工事完了までどうぞお付き合い下さい。

新設壁の位置決め

今回計画中の施設は、2店舗目になります。
(我々は今回からお手伝いさせていただいています。)
既にオープンしている1店舗目の施設を見学させて頂いたのですが、
子供たちは元気いっぱいで、壁や床の仕上げ材をよく見ると
小さな怪獣が暴れ回った形跡が所々に目に付きました。

今回計画する施設では、子供たちの好奇心を妨げないよう
ノビノビと学習したり、走り回ったり出来る公園のような施設を目指して
プロジェクトを進行していきたいと思います。

今日から工事も始まり、新設する壁の位置を決めるため「墨出し」を行いました。
今回依頼する工務店さんは、過去に事務所の作品を多数手がけてくれているため、
細かい部分も難なく対応してくれ問題なく墨出しは終了しました。
次回からは、この位置を基準に壁を立ち上げていきます。

軽鉄下地工事

前回の墨出しした位置から、壁の骨組みとなる軽鉄下地を立ち上げした。
写真からは伝わりにくいですが軽鉄とは、軽量鉄骨の略称で、文字通り「軽い鉄」です。
女性でも容易に持ち上げられる程度の重さです。
また、加工もしやすいため、様々な現場で使用されています。
今回骨組みが完成したので、次の工程は壁の肉付けです。
軽鉄の上に石膏ボードを仕上げていきます。

内装下地工事

前回、骨組みが完了したので
今日からいよいよ壁の肉付けです。
内装下地として石膏ボードを張ってゆきます。
石膏ボードは、主に建物を火災から守るため
耐火性能向上のために普及している材料です。
細部の微調整も熟練の職人さんのおかげで
完璧に仕上げていただきました。

レーザー加工

今日は現場に向かわず、ある仕上げ材料に加工を施すため
都内某所の実験室に行ってきました。
どの仕上げ材に加工するのかは、
後日ご紹介するので楽しみにしていて下さい。
次回からは、また現場の様子をアップしていきます。

床の下地工事

今日は、床の下地材を張る作業が終了しました。
この作業は、床を平らにするための工程で、この作業が雑になってしまうと、
ひどい現場では床が凸凹になってしまうので、かなり重要な工程になります。
下地を張る作業が終了したので、次回は更に不陸を解消するために
研磨やパテの処理を施します。

アーチ型の開口

今回の物件は、子供たちのための施設となりますので
少しでも可愛らしさを演出できないかと
扉の枠をアーチ型にすることにしました。
今日は、その輪郭が出来上がっていました。
既製品の建具枠を使用せずに、製作したアーチ開口は
とてもシンプルなので、アーチの形を強調できる
ディテールになっています。
完成が待ち遠しいです。

下地処理工事

今日は、床下地の上に、パテを塗り研磨処理を行いました。
まずパテ処理は、細かい溝や隙間を埋めるための作業です。
次に研磨処理は、そのパテでできた凸凹と捨て張りとを水平にするため
機械で水平にならしていきます。
今日で、パテ塗りと研磨処理が終了しました。
次回は、床の仕上げ材であるコルクを張っていきます。

床の仕上工事

今日は、床の仕上げ材であるコルクを貼る作業をしました。
パネル一枚ずつ貼る作業は、とても大変で
職人の方が3人がかりで、ようやく全体の半分を終了しました。

コルクの床

今日、全てのコルクが張り終わりました。
素足で歩いてみても、足の裏に全く違和感なく
とても綺麗に仕上げていただきました。
コルクを張り終え、現場は見違えるほど完成に近づいた様ですが
やっと半分位まで来たところです。
ちなみに、写真中央部に写っている黒い点のようなものは
以前紹介したレーザー加工による、施設のロゴを象ったものです。

多機能トイレ

現場へ行くと、多機能便所の床が仕上がっていました。
水色の仕上げ材を使用しました。
コルクの床との境目がとても綺麗に仕上がっていました。
多機能便所は、施設を利用する車椅子のお子さんにも
対応できるように設けています。
今回で施設全ての床が仕上がりました。
次回からは、壁にクロスを貼っていきます。

壁紙工事

今日は、新規の壁にクロスを貼る作業を行いました。
既存の壁に、なるべく近い色のクロスを選んでいます。
クロスを貼り終えたら仕上げの作業は、ほぼ終了します。
残りは、建具、設備設置のみになり、工事完成間近になってきました。

夜間工事

工期が短いプロジェクトだったので
後半は音のでない工事を夜間にも進めることになりました。
夜間の工事現場へ行くと、素敵な写真が撮れました。
開口をアーチ型にした事で、光が柔らかく感じられます。

塗装と壁紙工事

今日、全てのクロスを貼り終えました。
アーチ開口の枠は、壁の色に合わせ白色で塗装していただきました。
新規のクロス、アーチ開口の塗装ともに綺麗に仕上がっており
既存の壁との違和感もなく、外部からの光が差し込むと
全体的にとても明るく清潔感のある空間となりました。

衛生設備の設置工事

今日は残る工程2つのうち、衛生設備の取り付けを行いました。
車椅子にも対応した多機能トイレとなっています。
さらに、職員の方々にヒアリングした際にご要望がありました
汚物流しも設置しました。
ちなみに、こちらの物件では給水管の口径が小さいため
タンク式の汚物流しを採用しました。

建具工事

今日、建具取付の作業を終え、全ての工程が終了しました。
約1ヶ月間という工期の中、現場はものすごい勢いで工事が進み
あっという間の1ヶ月でした。
引戸には、柔らかな印象のメープル柄を採用しました。
また、子供たちが指を挟まないよう、指導訓練室の外側に扉を設置しました。
多機能トイレは、もちろん車椅子対応の引戸を設えています。

竣工写真の撮影

今日は、本プロジェクトの最後になる竣工写真の撮影を行いました。
カメラマンの方にお願いし、お越し頂いた甲斐もあり
とても素敵な写真を撮影していただけました。
こうして竣工写真を撮影していると、改めて工事が終了したという実感が湧いてきます。
建築という職業は、様々な重圧と責任感が伴いますが
その分以上の達成感や充実感を感じさせてくれる1日でした。

本プロジェクトの現場日記については、これでで終了致します。
お付き合いありがとうございました。

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建築士・建築デザイナー

高田博章が主宰する一級建築士事務所。略歴'78: 東京都生まれ '00: 東京理科大学卒業'02: 同大学院修士課程修了'02-'07: EDH遠藤設計室'07…

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