【LIMIA歳時記】12月は「師走」。いよいよ年末です

12月は陰暦で「師走」。由来は、僧侶(師は僧侶の意)が仏事で走り回る忙しさから、というのが一般的ですが、実はこれは当て字なのだとか。他にも、四季の果てる月、稲のない田のさまをいう、など様々な説がありますが、平安時代にはすでに語源がわからなくなっていたそうです。「LIMIA歳時記」では、季語と、それにまつわるストーリーを月に1回ご紹介しています。

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灯に揺れる赤いセーター

今月ご紹介する季語は「セーター」。

だんだん寒くなってきて、着るものが増えてきましたね。冬は着るものの名前がたくさん季語になっています。ジャケット、コート、ショール、マフラー、手袋、などなど。

それらを何枚も着ることを「重ね着」といいますが、これも季語です。重ね着をして「着ぶくれ」することも季語。ふだん使う言葉が季語になっていると考えると、なんだか楽しくなってきます。

今日ご紹介する「セーター」も、そのうちのひとつ。この言葉は明治の頃に日本に入ってきた外来語です。「セーター」という言葉は「汗」をあらわす英語の「sweat」に由来しており、19世紀にアメリカのアイビーリーグのフットボール選手が、汗をかいて減量するために着ていたことからsweater、つまり「汗をかくもの」と名付けられたという説が有力なようです。

季語としての歴史はとても浅く、一般に普及した昭和になってから。あたたかくて軽くて色取りも美しいセーターをすっぽりとかぶって着ることは、当時の日本人にとってはとても新しく、楽しい体験だったことでしょう。

また、セーターや手袋、マフラーなどを編む「毛糸編む」という言葉も季語。若い頃、好きな人のために編み棒を一生懸命に動かした……という記憶のある方も多いのではないでしょうか。

最後に、1985年に27歳の若さで亡くなった女優・夏目雅子さんの俳句をご紹介しましょう。彼女は22歳頃から句会に参加し、「海童(かいどう)」という俳号を持っていました。

【今月の一句】
セーターの始めての赤灯に揺れて 夏目雅子

●文 如月サラ(きさらぎさら)
エディター、俳人。(株)マガジンハウスで『anan』『Hanako』などの編集者を経て独立。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて女性のエンパワーメントについて研究中。

●イラスト アネタイヨシコ

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