飾り付け方無限大!〔アン・デコール〕で聞いた《アーティシャルフラワー》利用のコツ
「グリーンは飾りたいけど、世話が大変」「枯れて落ちた葉っぱを毎日片付けるのは手間」――そう考えている人にぜひ試してもらいたいのが、《アーティシャルフラワー》です。《アーティシャルフラワー》とは何でしょうか。上手な飾りかたやお手入れ方法、またアーティシャルフラワーに似合う雑貨などについて、〔アン・デコール〕店長の小林友彦さんにきいてきました。
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都会の喧騒を感じさせない立地
〔アン・デコール〕があるのは、東京 品川駅から徒歩5分ほどオフィスビルの1F。敷地ゲートからビルエントランスの間に植えられた緑が、大都会のオアシスのような雰囲気を醸し出しています。
お店の入口は、ビルの内側に。季節ごとに替えるディスプレイの前はInstagramスポットとしても人気が高い場所。お買い物に来る人だけでなく、通りすがりの人も写真を撮っているんだとか。
取材したのが10月ということもあり、ハロウィーン仕様。今頃はきっとまた模様替えして、クリスマス仕様になっていることでしょう。
ものが多くてもスッキリ見せるコツとは?
入店してびっくりしたのはその広さ。小林さんによれぱ、店内面積は200坪で、代々木にあったショールームの2倍の規模になったんだとか。広さを利用して、色とりどりで種類も豊富なアーティシャルフラワーを“面”で見せてくれます。
肝心のディスプレイ方法ですが、花の種類や、価格、大きさ……ではなく、なんとカラーごとに分けているんです。例えば、ピンクのエリアには、淡いものから濃いものまで、ピンク系のバラ、チューリップ、ラン、カラーなどが並びます。
そのためか、どの区画もぎっしりアーティシャルフラワーが盛られているのに、店内はスッキリした印象。また、目的のものも見つけやすくなっています。
実はこれ、落ち着いた空間を演出する手法の一つとのこと。「マルチカラーでは、煩雑になりがちでそわそわしてしまう。こんなふうに色分けして飾ってあるほうが、落ち着いて長時間滞在できるんですよね」と説明してくれました。
お店にとってはアーティシャルフラワーをじっくり選んでもらうためですが、落ち着いたリビングを演出するのにも、色分けしてディスプレイするという方法は転用できそうですね。
アーティシャルフラワーと関連グッズを見ながら買える
店内が広いだけあって、展示数も多く、5000点ものアイテムが並んでいます。「全部記憶しているんですか?」との問いに「さすがに全部は……」と笑っていました。でも、アーティシャルフラワーが大好きだという気持ちは、製品を見つめる眼差しから伝わってきます。
そんな小林さんだからか、常連客や店内で開催しているアレンジメント教室のこうした力も大人気!「今度は、これをしたいんだけど」「どこそこの展示会で、これを選んだのよ」と、会話が盛り上がっていました。
ちなみに、取材日に開催していたレッスンはミニクリスマスツリーのアレジメント。どこをどうすればバランスよく、見ごたえのあるアレンジになるのか、講師たちの指導にも熱が入ります。
こういったレッスンは、随時開催しており、予約はオフラインで。材料は現地で調達できるので、手ぶらで参加できるのも魅力ですよね。
アレジメント上達の近道は、このようなレッスンを受けることですが、アイデアだけなら、店内のいたるところで見つけられます。
例えばこちら、お正月向けのウォールプレート。せっかく洋風にコーディネートしていても、飾り物が純和風ではミスマッチですよね。お家の雰囲気に合わせて洋風に見せつつ、ほんのり和のテイストを取り入れるとしたら? という疑問に見事に答えたアレンジメント例といえるでしょう。もちろん、材料はすべて店内でそろえることができますよ。
実は、以前のショールームでは、本当に見せるだけで販売はしていなかったとのこと。来店者から「これが欲しい」と言われても「では、どこそこのお店をご利用ください」と案内していたんだそうです。
でも、ショールーム兼ショップになったおかげで、アーティシャルフラワーはもちろん、デコるのに必須なリボン、花器、フレーム、今の季節であれば小さなプレゼントボックスや大きな鈴なども、〔アン・デコール〕で手に入れられるようになりました。
個人的には、凝った柄の幅広リボンが「1巻売りで、この価格!?」と驚きましたが、クォリティもデザイン性も高いのに、全体的にお得な価格。これはもう、実際に確かめていただきたい!
ところで、「100円ショップの造花ではダメなのか」と思われるかもしれません。小林さんは、「造花という存在を身近なものにしてくれたという点で、一定の役割を果たしてくれたと思います。とはいえ、〔アスカ商会〕では、植物の特徴を忠実に再現するため、素材や染色、型作成においてこだわりがある」と言います。
「花びらの繊細さを出したい場合は、布を、花びらや葉で、少し厚みのあるものはラバーで塗装、多肉植物は、ウレタンフォームを使うなど、植物の特性に合わせた素材を研究し、採用しています」(小林さん)
では、価格が高いのかというと、そんなこともなく、より多くの人の手にとってもらえるよう、同じ植物のアーティシャルフラワーでも、価格差の出せるような加工をしているとのこと。2本で280円というお手頃価格のものもあるので、まずはそこからはじめてみて、段々とグレードアップする、という方法もありですよね。
使い方は無限大! ぜひとも生活に取り入れて
「生花」に対して「死花(しにばな)」などと言われてしまう造花を「アーティシャルフラワー」と呼ぶのは「そういうイメージを払拭したかったから」と小林さんが説明してくれました。むしろ、「よりアーティスティックな使い方があるんだ、ということを知っていただきたい」と力説します。
例えば、1本300円ほどのアーティシャルフラワーについているいくつかの花をひとつずつ茎から抜いてバレッタにアレンジしたり、長い茎を丸めたりねじったり、さらには切ったりしてリースにする、前述した2本280円ほどのアイテムにラフィアを巻いてブームにしてプレゼントするなどなど。
飾るだけではなく、手作りにも大いに活かせそうです。
「でも、アーティシャルフラワーって埃がたまりがちですよね?」という問いにも、「わたしたちも、特別な道具を使って手入れしているわけではなく、市販の使い捨てワイパーを使っているだけ。意外なほどお手入れは簡単なんですよ」と教えてくれました。
「ひとくちに《アーティシャルフラワー》といっても、どんな種類のものがあるか想像もつかないし、逆に『こういう種類のものはないよね』と諦めている人もいるかもしれません。でも、〔アン・デコール〕なら思わぬ発見ができます。ぜひとも一度、足を運んでみていただきたいですね」(小林さん)
これまで、ほとんど興味を持って見ることのなかったわたしでも、〔アン・デコール〕で精巧な《アーティシャルフラワー》を目にすることで、すっかり虜になってしまいました。品川駅で降りたら、ちょっと足を伸ばして寄ってみるのはいかがでしょうか。
【アン・デコール】
●住所:東京都港区港南1丁目8番15号 Wビル1F
●電話:03-6712-0506
●営業時間:月〜金曜日9:30〜19:30、土曜日9:30〜17:00
●定休日:日曜日・祝日
●写真・文/渡辺まりか
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