医療保険はケガも保障してもらえるの?傷害保険との違いは?

私たちが医療を受ける機会は、病気のときだけでなく、ケガをした場合も考えられます。テレビCMなどの影響で「医療保険はがんなどの病気のとき、保障をしてもらえるもの」という印象が強いかもしれませんが、医療保険はケガで入院や手術をした場合にも給付を受けることができます。医療保険と区別がつきにくい保険に傷害保険があり、こちらはケガの保障がメインとなっています。医療保険と傷害保険について、理解を深めましょう。

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医療保険が保障の対象とするのは

医療保険は病気やケガで「入院する」「手術を受ける」という事態になった場合に、給付金を受け取ることができる商品です。給付金額は「入院時には日額○○円」「手術1度につき○○円」のような形で決められています。医療保険には、がんや三大疾病などにかかった場合に、より手厚い保障が得られるよう、特約をつけることもできます

ケガの治療については「入院するほどではないけれど、リハビリなどもあり通院が長引くので、経済面での負担が大きくなる」という心配もあります。そのため、医療保険の中にも「ケガの場合は、入院しなくても給付が受けられる」という特約を用意している保険会社もあります。

いっぽう、医療保険で対象とならない医療行為もあります。

・美容が目的の医療::豊胸術、隆鼻術など
・疲労回復のための医療::マッサージ、疲労回復のための注射など
・人間ドック、健康診断など
・治療目的でない教育入院など
・妊娠出産にかかる費用、不妊治療など

肩こりや腰痛などで整形外科や接骨院、整体院などを利用する人もいますよね。日常生活の疲れからくる肩こりや腰痛などは、医療保険や後述する傷害保険でも保障(補償)が受けられません。ただし「ぎっくり腰になって、入院や手術が必要になった」という場合は、急性腰痛症や椎間板ヘルニアなどの病名がつき、疾病に該当することになるので、保障(補償)の対象となることもあります。

ケガを保障の対象とする保険は?

病気の保障をするのではなく、ケガへの補償に特化した商品が「傷害保険」です。傷害保険は被保険者が「急激かつ偶然な外来の事故」によりケガをした場合に、補償を受けられるものです。

●用語の意味
・急激:原因となった事故から時間をおかずにケガが発生し、被保険者が予測や回避することが不可能であること
・偶然:「事故(原因)の発生」「ケガの発生」「事故とケガの発生」のいずれかが偶然であり、予知できないこと
・外来:ケガの原因が、被保険者の身体の外から来ること

傷害保険で補償される場合、補償されない場合

「急激かつ偶然な外来の事故」とは、言い換えれば「被保険者が避けようのなかった事故が原因で、急にケガをしてしまったとき」に補償を受けることができます。

たとえば、ひどい日焼けや靴ずれなどは「急激」に発生したとはいえないケガのため、傷害保険の補償を受けることができません。疾病による入院や手術も傷害保険の給付対象ではありません。きわめて危険な業務に従事している、危険度の高いスポーツをしているという状況下での事故とケガについても、補償の対象外となります。

傷害保険で支払われる保険金

死亡保険金、後遺障害保険金、入院保険金、手術保険金、通院保険金などが給付されます。事故があった日から一定期間内の死亡、後遺障害、入院、手術などに限って補償を受けることができます。

傷害保険の種類

傷害保険にはいくつか種類があるため、ご自身とご家族のニーズに合わせて選択することができます。

●普通傷害保険
単に「傷害保険」という場合は、普通傷害保険を指すことが多いです。事故が起こった場所が国内外のいずれかを問わず、また職場内、家庭内、通勤中、旅行中などあらゆる場面で起こるケガに対して、補償を受けることができます。被保険者だけではなく、家族全体が補償の対象となるタイプの商品もあり、家族傷害保険やファミリータイプなどの名称がつけられています。

●交通事故傷害保険
被保険者が交通事故によってケガをした場合に補償を受けることができます。自動車やバイクの事故だけではなく、エレベーターやエスカレーター、船舶などに乗車中の事故も補償されます。また、被保険者が乗り物に乗っておらず、歩いているときに自動車やバイクとの事故を起こしたケースでも補償が受けられます。普通傷害保険と同じく、家族全体が補償を受けられるタイプもあります。

●国内旅行傷害保険
日本国内での旅行中におけるケガを補償する商品です。入院や通院、手術などの補償に加えて、持ち物に損害を受けた場合や、他の人に損害を与えた場合の補償もあわせて受けられる商品もあります。

●海外旅行傷害保険
海外旅行中のケガについて補償する商品です。商品によっては海外旅行中のケガだけでなく、病気で医療を受けた場合や、持ち物が破損したり盗難に遭ったりした場合の損害、飛行機の遅延などが理由で受けた損害まで含めて補償するタイプのものもあります。

国内・海外旅行傷害保険はクレジットカードの付帯サービスとして提供されることもありますが、補償の範囲や保険金の支給額がニーズに合っているかどうか、旅行前に確かめておくことが大切です。

加入している傷害保険の中身、把握できていますか?

医療保険や傷害保険に加入していても、万が一のケガや病気の際に、十分な保障(補償)を受けることができなければ、加入の意味がありません。

保障が受けられる範囲を確認するには、まずは保険証券などで、ご自身が契約している保険の名称、特約などを正確に把握しましょう。その上で、各保険会社が定めている「約款」を確認しましょう。Web上でも約款を閲覧できる保険会社が多いです。

とはいえ、約款には専門用語が並んでいてわかりにくい場合も多いのが現実です。せっかく契約内容を確認したつもりでも、思わぬ勘違いや思い込みで、正確な保障(補償)内容を把握できないことも考えられます。

万が一の場合への備えを万全にするために、専門家とともに契約内容や約款の確認を進め、間違いが起こらないようにしましょう。

医療保険、傷害保険の保障の内容を確認しよう

医療保険は、病気やケガで入院や手術をした場合に、保障が受けられる保険です。疲労からくる肩こりや腰痛など、保障の対象とならない場合もあるので注意しましょう。ケガで入院や手術をした場合に補償を受けることができるのが傷害保険です。医療保険と似てはいますが、傷害保険は病気の場合について、補償を受けることができません。

医療保険、傷害保険のいずれも、加入している保険がどのような場合に保障(補償)を受けられる商品か、しっかり把握しておくことが大切です。保障(補償)の内容が必要かつ十分な状態かどうか、専門家とともに確認をして、万が一の場合への備えを万全にしましょう。

プロフィール

河野陽炎
3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。

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