最近話題のVtoH(Vehicle to home)とは?太陽光発電と家と車の良い関係を解説

近年、新聞やテレビで取り上げられることも多くなったVtoH(Vehicle to home)住宅。まだ世に出て日が浅いため、ご存じない方も多いかと思われますが、なにを隠そうエネルギー問題を解決できるかもしれない画期的な住宅なのです。ここではそんなVtoHについて、その概要から太陽光発電との関係性、注意点や問題点まで徹底解説。VtoHを知らなかったという方も、これからの住宅のカタチに興味のある方も、VtoHを良く知るきっかけにしてください。

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VtoHってなに?

VtoH(Vehicle to home)とは、電気自動車(EV)や、プラグインハイブリッドカー(PHV)などの自動車がためた電力を、家庭用の電力にも使えるようにする技術やシステム。このVtoHが導入された住宅には従来の住宅にはない、以下のような特徴があります。

【特徴1】深夜電力をうまく活用し省エネを実現
日中に比べて、深夜間の電気料金のほうが安いのは知っていますか。VtoHでは、その安い深夜間に自動車に充電し、日中はその自動車に充電された電気を家に供給することができるため、電気料金の節約に貢献します。

【特徴2】電力需要のピークをずらし、環境にも優しい
東日本大震災に端を発したエネルギー問題。電力の需要に供給が追いつかず、計画停電がおこなわれたことも記憶に新しいはずです。日中に使う電気を自動車からまかなえるVtoHでは、電力需要のピークをずらすピークシフトが可能となります。

【特徴3】非常時には電源としても有効
電気自動車から取り出せる電気は高出力で、従来どおり、家電にも流用可能です。停電や災害などの緊急時には、非常用の電源として使うことができるので安心です。

VtoHと太陽光発電の良い関係とは?

消費エネルギーと創出エネルギーが相殺されるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)。政府は2020年までに、新築住宅の過半数でのZEH実現を目標としています。この目標実現のための一環として、VtoHでは太陽光発電とセットでの導入が推進されています。

実際に、VtoHと太陽光発電をセットで導入することで以下のような相乗効果も期待できます。

【期待できる相乗効果1】電気をより節約できる
実は、電気自動車(EV)や、プラグインハイブリッドカー(PHV)などの自動車の蓄電量は、1回のフル充電で一般的な家庭のおよそ2日分の電気代をまかなえるほど大容量です。太陽光発電と組み合わせることで、昼間は大容量のソーラーパネルによる売電、夜は深夜電力で充電が可能になり、電気料金を大幅に節約することができます。

【期待できる相乗効果2】環境により優しくなる
ピークシフトに貢献するのは当然として、住宅の電力の大部分を太陽光発電でまかなうことで火力発電や原子力発電の需要を相対的に減少させ、間接的に環境面にも良い影響を与えます。VtoH住宅と太陽光発電をセットで導入した場合、エネルギー自給率100%を実現させることも夢ではないのです。

【期待できる相乗効果3】災害時により強い住宅になる
自動車から電力を供給できるVtoHは、それだけでも災害に強いのですが、自動車に蓄電できる電気量には限りがあるため、長期間の使用はできないという問題がありました。その点、太陽光発電があれば、災害時においても安定した電力創生と電力供給が可能になり、災害に対してより強くなります。

VtoHについての注意点・問題点とは?

VtoHにはさまざまなメリットがあり、現在も多くの住宅メーカーで開発が進められています。しかし、注意点や問題点がないわけではありません。VtoHには以下のような注意点・問題点があります。

【注意点・問題点その1】EVの計画的運用が必須
VtoHでは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)が蓄電器としての役割を担います。しかし、EVを乗用してしまうと蓄電器として役割を果たせなくなり、逆に蓄電器として利用すると乗用車として利用できなくなってしまいます。VtoHでは、どちらにも対応できる計画的な運用が必要になります。

【注意点・問題点その2】初期コストが高い
VtoHに必須の電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッドカー(PHV)。国から補助金がもらえるものの、それでも従来のガソリン自動車に比べて価格は高め。また、家庭用と自動車用の電気を変換するパワーコンディショナーも別途必要になるため、VtoHの初期コストは高くなってしまいます。

【注意点・問題点その3】実績が少ない
高価な買い物である住宅だからこそ、安定や実績を求める人も多いはず。しかし、VtoH住宅はまだ登場してから数年しか経っていない新しい技術なので、十分な実績がありません。短期的には問題なくとも、長期的には重大な欠陥が見つかる可能性も考えられます。

【注意点・問題点その4】売電価格が下がることもある
太陽光発電とVtoHを同時に設置するとダブル発電となり、売電価格が下がることがあります。太陽光発電の発電量やメーカーの仕様によっては回避できるので、事前に確認しておきましょう。

まとめ

VtoH住宅は、日本の抱えるエネルギー問題を解決し、政府の推進するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を実現しうる新しい住宅です。環境や非常時への高い対応力も見逃せません。興味の湧いた方は、各住宅メーカーの提供するモデルハウスに足を運び、ご自身で実際に体感してみてはいかがでしょうか?

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