太陽光発電における日射量とは?発電量に大きな影響を与えるって本当?

太陽光発電を実際に運用している方や新規導入を検討している方なら、太陽光発電システムの発電量に最も影響を与えているのは「日射量」であると聞いたことがあるかもしれません。そこで今回は、日射量についての説明をしながら、ご自宅の太陽光発電でより多くの発電量を得る方法についてご紹介します。

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日射量が多ければ発電量も多くなる

ここでは、太陽光発電で発電量に最も影響すると言われる「日射量」についてご説明しましょう。まず初めに、太陽光発電の発電量を計算する式について見てみます。

【発電量=太陽光発電の容量(kW数)×日射量×損失係数】

上記の式から、日射量が増えれば発電量もその分だけ多くなることがわかります。日射量とは「きまった時間内に太陽から届く光のエネルギー量」を指し、単位はkW/㎡(もしくはMJ/㎡)で表されます。つまり、太陽光のエネルギーが大きくなれば、多くの発電量が見込めると考えると理解しやすいでしょう。ちなみに、一定時間にどれだけ強く太陽光が当たったかは日射量で示されますが、一瞬当たりの光の強さは「日射強度」で示されます。

日射量が多くてもパネルの温度によっては発電量が増えないことも

太陽光発電において、1年の中で最も発電量が多く確保できる時期は5月と言われています。しかし、日射量が増加する梅雨明けから真夏にかけての7~8月になるのではないかと想像した方も多いでしょう。真夏よりも初夏の方が多くの発電量を見込める理由には、パネルの温度がかかわっています。

理論上では、日射量が多くなればなるほど太陽光発電システムにおける発電量も増やせます。しかし実際には、日射量が多くなるとパネルの温度が高くなるという弊害が生じるのです。ソーラーパネルは「パネルの温度が上がると発電効率が悪化する」という特性を持っており、日射量の増加に伴ってパネルが高温になれば損失係数も大きくなってしまうことになります。

詳しくは、ソーラーパネルの温度が上がることで電圧が低下し、それが日射量の増加による電流の上昇を上回ってしまうため、電流×電圧で表される電力量の数値としては低くなってしまうことになります。

なお具体的には、一般的に多く選ばれている結晶系シリコン太陽電池の場合で表面温度が10℃上昇すれば4%発電量が減ってしまうと言われています。これに当てはめると、ソーラーパネルの温度が70℃ほどになってしまう真夏の時期には、5月のパネル温度を25℃とすれば20%近くの発電量が失われてしまう計算となるのです。

これは、地域ごとの年間予測発電量にもかかわってきます。たとえば、日射量が多くてもパネルが熱くなりやすい地域では多くの発電量が見込めないことがあります。逆に、それほど日射量が多くならない地域であっても気温の上昇による発電量の損失が抑えられ、年間では多くの発電量を確保できる場合があります。

発電量を増やすためにできることとは

日射量やパネル温度など、自然条件の影響で発電量が変化してしまうとなれば、自分たちで何か対策することで発電量をもっと増やせないだろうか? と、考える方も多いはず。ここでは、発電量を増やすためにご家庭でできる難しくない対策についてご紹介します。

【1.ご家庭で使用する電力消費量を減らす】
太陽光発電における発電量を増やす前に「自宅での電力消費を減らす」ことを考えれば、余剰電力が増えて売却できる電力量を増やすことにつなげられます。コンセントを差し込んでいるだけで消費されてしまう待機電力を減らしたり、照明器具のLED化などに取り組んで日常的な電力消費量を減らしたりするだけでも、かなり効果的だったという実例もあります。コストもあまりかからずどなたにでもできる対策ですから、さっそく実行してみても良いでしょう。

【2.ソーラーパネルの清掃をまめに行う】
発電量は自然条件のほか、パネル表面の汚れや付着物によっても低下してしまうことがあります。もしパネルが汚れがちになっていると感じているなら、まめに清掃する方法も有用と考えられます。屋根の上のパネルをご自分で清掃することは難しいですが、カーポート上のパネルなら母屋の2階から安全に洗浄できる場合もあります。新規設置を考えている方は、清掃の手間を考えて屋根ではなくカーポートやガレージへのパネルの設置を検討してみても良いでしょう。また、汚れの付着を抑えながらパネル本体が太陽光を反射することで発生する損失も予防できるパネル用のコーティング剤なども出回っています。

まとめ

こちらの記事では、太陽光発電における日射量と発電量の関係をご説明しながら、ご家庭で発電量の損失を抑えて売却する電力量を増やす方法についてもご紹介しました。せっかく太陽光発電をご自宅で行うなら、より高効率に発電できる方法を考えたいものです。しかし、その手段にあまりコストが掛かっては意味がありませんから、どなたにでもできる安全で簡単な方法から取り入れていくと良いでしょう。

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