本当にお得?騙されない?不安を解消して太陽光発電を導入しよう

一般家庭にも普及が進んできた太陽光発電ですが、興味はあっても自宅に導入するには不安がある……という方は多いはずです。業者にシミュレーションと見積もりを頼んでも、「本当にメリットがあるのか」「強引に売り込まれないか」など、心配な点はたくさんあります。ここでは、太陽光発電の導入について多くの方が感じる不安の具体的な内容と対策、そして実際の工事の流れや導入にあたっての契約を、あわせて紹介します。

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採算はとれるの?経済的な不安

太陽光発電の導入を考えている人は、「余った電気を売って収入を得たい」「電気代を安くしたい」など、経済的な動機がある人がほとんどです。しかし、太陽光発電を導入するには少なくとも1,000,000円程度の初期費用がかかるため、本当に採算がとれるのか不安を抱いている方が多いのではないでしょうか。実際、思い切って導入しても発電効率が悪く、採算がとれないというケースもあります。

しかし、これは導入前の準備段階で、採算性について納得できるまで考えておけば防ぐことができます。大切なのは、複数の業者からシミュレーションをとり、検討しているプランで採算がとれるかどうか確認しておくことです。そのために、まずは収入と支出をすべてピックアップし、初期費用が何年で回収できるか計算してみましょう。

【太陽光発電の採算式】
・支出:初期費用(パネル費や設置工事費など)、メンテナンス費
・収入:設置した際に受け取った補助金、売電で得るお金、支払っていた電気代
太陽光発電で自宅の電気をまかなっている場合、それまで支払っていた電気料金も収入として計算します。収入と支出の差額がプラスになるなら、太陽光発電を導入するメリットがあります。

また、損益のバランスを考える上で大切なポイントは、初期費用を何年で回収できるか、という点です。

・初期費用÷(年間の売電金額-経費)=回収期間

この計算式で初期費用が10年以内で回収できるなら、その後の発電はすべて利益になるため、太陽光発電を設置するメリットは大いにあります。逆に10年以降になるとメンテナンスが必要になってくるので、費用対効果が下がってデメリットが大きくなってしまいます。

まずは購入と設置のための契約

太陽光発電を我が家に導入したいと思ったら、まずは販売業者を探すことになります。販売業者は地域に密着した営業活動をしている地元業者、インターネットを中心に集客して全国展開している大手業者、家電量販店、ショッピングセンターなどに出店している販売業者、などがあります。

地元業者の中には販売と施工をどちらも手がけている業者があり、それ以外では、地域の施工店が工事のみ請け負っているケースが多くなります。ちなみに、太陽光発電用のソーラーパネルを作っているメーカーが、直接販売をしているケースはごくまれです。

いずれにしろ、太陽光発電設備の設置までの流れは、販売業者に問い合わせや相談をし、見積もりを依頼するところからはじまります。その後、施工業者による現地調査がおこなわれ、設置イメージ、設計図、最終見積もりなどが提案されます。このとき、年間や各月の予測発電量もシミュレーションして、算出してもらえます。

これらの提案にすべて納得して太陽光発電の導入を決定すれば、いよいよ製品の購入と設置工事、そのほかアフターサービスなどを含めた契約を結ぶことになります。契約書に署名・捺印すれば契約は成立です。

売電のための契約

ここで忘れてはならないのが、電力会社と結ぶ売電契約も必須ということです。

太陽光発電の設置が完了すると、ユーザーは電力会社との間に売電契約(電力需給契約)を結びます。これは、太陽光発電から作られた電気のうち、余剰電力(自家消費分を差し引いた余りの電気)を、東京電力や中部電力、関西電力などの電力会社が買い取ってくれる制度(=売電制度/固定価格買取制度)を利用するための契約です。

売電期間は、10kW未満の住宅用は10年間と定められています。 また、売電価格は、太陽光発電の設置にかかる費用が下落するのに合わせて毎年引き下げられていますが、一度契約を交わせば、売電期間中は同じ価格のまま変わりません(制度改正により、2017年4月以降、売電価格は徐々に下がります)。

売電契約は太陽光発電設置後、ユーザー、施工業者、電力会社の3者立ち会いのもと、システムについて確認したあとで締結します。ここで確認するのは、自宅の太陽光発電システムを電力会社の電気供給設備に接続するための「系統連系」が正しくなされていることです。また、売電用の電力量計(メーター)を通して、電力会社の配線設備に電気を送る「逆潮流」が設置されており、これが正常に動作するかもチェックします。

電力会社がこれらの確認をしないうちは、国や自治体からの補助金を受け取ることができません。

それぞれの契約に際して注意したいこと

まず、太陽光発電購入・設置の契約に際して注意したいのは、導入について納得できるまでじっくり検討したうえで、契約書にサインすることです。

太陽光発電の業者の中には、新築の家などをターゲットにして訪問販売をおこない、強引な営業活動を仕掛ける業者が少なからず存在します。訪問販売業者がすべて悪質とは限りませんが、一方的にプランを提示して契約書を差し出すような業者は警戒しなければなりません。

たとえ太陽光発電導入に興味があったとしても、一旦判断を留保し、複数の業者について調べて相見積もりを依頼するなどの行動を取りましょう。また、もしも契約してから契約を解除したいと思ったときは、クーリングオフ制度を利用する方法があります。

もう1つの売電契約に関しては、導入する太陽光発電システムの詳細が決まった段階で、経済産業局に設備認定の申請をして認可を受け、さらに電力会社に「電力受給契約申込書」を申請する、といった一連の作業が必要になります。

ただ、こうした申請作業は施工業者に代行を依頼するのが一般的です。代行サービスは通常、有料になりますが、自身で複雑な申請をおこなうよりは手間がかかりません。煩雑な手続きになることを考えると、ミスなどを防ぐためにも、ある程度コストをかけて代行サービスを利用するのが無難な選択でしょう。

悪徳業者も存在する!?騙されないか不安

業者はもちろん、誠実に仕事をする人がほとんどです。しかし、中には利益重視の悪徳業者も存在し、見分けが難しく、騙されないか不安を感じる人もいます。たとえば、太陽光発電を導入した後のトラブルとして、「契約前にセールスマンから聞いたことと、導入後の結果が違う」という事例を見てみましょう。

【トラブルになる場合の主な原因】
・販売店が故意に嘘をついていた
・販売店の説明が不足し、認識に相違が生じていた
・たまたま発電量が少ない時期などで、一過性の問題だった

故意に嘘をつく販売店は自社の利益を最優先し、ある程度利益をあげると行方をくらませてしまいます。いわゆる「悪徳業者に騙された」と言われるケースなので、引っかからないためには契約前にセールスマンと納得できるまで話し込むことが大切です。メリットばかりを強調する業者は信用してはいけません。

他の2点は販売店と顧客との認識の違いで起こるトラブルです。発電した電気はまず自家消費に回され、余った分が売電になります。顧客側が発電した電気はすべて売却でき、利益になると誤解したままだったり、天候や日照時間で発電量が変動することをしっかりと理解していなかったりするケースが多くなっています。

信頼できる業者を見つけるには複数の業者にシミュレーションを依頼し、内容を比較することが大切です。誠実な業者であれば、シミュレーションから大きくはずれ、大損してしまうこともありません。わからないことは契約前にすべて質問し、誠実な対応の業者を選ぶようにしましょう。

価格は妥当?初期費用への不安

太陽光発電の設置にかかる費用は、見積もりをとって初めてわかるものです。そのため相場がわからず、一部の悪徳業者に法外な値段を請求されるといったトラブルも実際に報告されています。ただでさえ高額な初期費用を支払うのですから、その価格が妥当かどうか、不安になるのは当然です。

適正価格を知るためには、太陽光発電の導入を検討し始めた段階で、一括見積もりサイトで相場を調べておきましょう。同じ条件で見積もりを出せば似た価格帯になるため、相場が掴みやすくなります。中には、期間限定キャンペーンなどのトークで契約を急がせて、値引き分をシステム代に上乗せしている業者も報告されているので、注意しましょう。

このように、本格的に導入を決めているなら、1つの業者だけで決めてしまうことは大変危険です。複数の業者にシミュレーションと見積もりを出してもらい、詳細を比較して決めれば、妥当な価格で導入することができるでしょう。

工事の流れを理解しておけば、トラブルを未然に防げることも

太陽光発電の工事には、パネル設置工事と電気工事があります。屋根に穴を開ける必要があるパネル設置工事、家の電気系統に触れることになる電気工事のいずれも、施行者の技術が未熟だと、漏水や漏電といったトラブルを招きます。特に、電気工事の場合、工事をおこなうには「電気工事士」という専門資格が必要なほど、大きなトラブルに発展するリスクもはらんでいるといえます。

そこで、依頼する側でも工事の流れをある程度把握し、各工事の過程でこまめにチェックすることで、大きなトラブルを未然に防ぐことが重要です。また、「逐一作業を確認していますよ」という姿勢を見せることで、手抜き工事の防止などにもつながります。

太陽光発電の工事の流れとは

太陽光発電の導入に際しておこなわれる工事の流れを、パネル設置工事と電気工事に分けて説明していきます。

【パネル設置工事】
まずは、作業に入る前にパネルを屋根に上げるためのスライダーをセットします。続いて、屋根の上でパネル位置を確定したあと下穴を開け、下穴にコーキングを施すことで防水処理完了させます。

パネル設置の施工後、20年以上にわたって雨漏りなく過ごすことができるかどうかは、コーキング剤の材質にもかかっています。安価な材料だと長期使用に耐えられないので、どんな材質を使うのか事前に確認しておくとよいでしょう。

その後、パネルのフレームを取りつけるための支えとなる架台を固定し、ネジ山や架台の周辺などを念入りにコーキングします。架台とフレームが水平になるよう調整したら、フレームに合わせてパネルを並べていきます。

パネルを設置するときには同時に、パネルの裏側についているコネクタやアース線の接続もおこないます。軒先のカバーやパネル押さえの役割を果たす金具も取りつければ、工事は完了です。
【電気工事】
最初に、日常生活に支障のない場所を選んで、パワーコンディショナーや接続箱などの機器を取りつける位置を決定します。周辺を傷つけないよう養生マットを敷いたら、工事の開始です。

電気工事は、
パネルから出ているケーブルをまとめるための接続箱
→ソーラーパネルでできた電力を家庭で使えるように変換するためのパワーコンディショナー
→売電量を測定するための電力量計のボックス
ソーラーパネルから流れてくる強力な電流からシステムを保護するための太陽光ブレーカー
→発電量の計測と送信を担う検出ユニット
の順に設置がおこなわれます。

続いて、メインブレーカーにあたる分電盤内部と太陽光ブレーカーの2ヶ所に、CTセンサーを設置します。CTセンサーとは、各所の電流値を計測するための機械です。CTセンサーで計測した電流値は検出ユニットでまとめられ、カラーモニターで確認することができるようになります。最後に、家庭での発電状態を確認するためのカラーモニターを設置すれば、工事は完了です。

場合によっては、カラーモニターの代わりにHEMS(ヘムス)モニターを設置することもあります。HEMSとは、Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略。家庭の電力使用量を「見える化」したり、家電を「自動制御」したりして、エネルギー消費を抑えるために普及しつつある管理システムです。政府は、2030年までに、すべての家庭でHEMSが普及するよう目指しています。

電気が見える化されることは、各家庭の省エネ・節電に大きく貢献します。エネルギーの消費状況が家電やコンセント単位で把握できるようになれば、より多くの電力を消費している原因がわかるので、有効な対策をとりやすくなるからです。

太陽光発電を設置したいと考える背景には、電気代の節約に関心があるケースも多いでしょう。そのような方には、太陽光発電と合わせて、HEMS(ヘムス)モニターの設置もおすすめです。

工事後のトラブルを起こさないために注意すべきこと

ここまで太陽光発電の工事の流れについて説明してきましたが、実際には、作業が適切におこなわれているかどうかを素人が判断するのは難しいケースもあります。そこでポイントとなるのが、施工業者選びです。太陽光発電の工事トラブルでもっとも多いのは、雨漏り。施工業者を選ぶ際は、依頼する業者にパネル設置工事の豊富な実績があるかどうかを見るようにしましょう。

万が一何かトラブルが発生した場合も、ソーラーパネルにはメーカー保証がついています。しかし、そもそも工事に不備があったことがトラブルの原因であれば、メーカー保証の対象とはなりません。このことからも、施工業者選びには慎重になるべきだといえるのです。

まとめ

太陽光発電は初期費用が高いだけに、実際に導入して発電量がわかるまで不安は晴れにくいものです。しかし、複数の業者にシミュレーションを依頼・比較することで、相場や悪徳業者を見分ける目が鍛えられていくでしょう。不安を少しでも減らせるよう、納得できるまで調べましょう。購入・設置の契約は焦らず、熟考したうえでサインすることが大事です。そして面倒でも、事前に工事の流れについて把握したうえで情報を収集し、複数の業者から見積もりを取って吟味し、信頼できる業者に施工を依頼する、という手順を怠らないようにしましょう。

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