【年齢別・年金一覧表】厚生年金・国民年金「60歳~90歳以上」はいくら受給しているか

公的年金の最新受給額データを、最新版の厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに俯瞰します。今の年金世代の受給額を知ることはマネープランを立てる上で何らかの参考になるでしょう。

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最新版 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をひもとく

「老後の暮らしは、公的年金だけでは足りない」と薄々感じている現役世代の方は多いのではないでしょうか。

今回は、いまの年金エイジが受け取る年金額を、2022年12月に公表された、最新版 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに見ていきます。

年金暮らしを支える「老後資金」の準備方法は人それぞれです。いまのシニア世代が受け取る年金額を知ることは、老後を見据えたマネープランを立てる上で、何らかの参考になるでしょう。

【注目記事】60歳代で「貯蓄4000万円以上」の世帯はどれくらい?平均は2537万円

【最新版・年金一覧表】いまの年金エイジが受け取る公的年金額(出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)

1. 【厚生年金・国民年金】日本の公的年金のしくみ

さいしょに、公的年金のしくみについて復習します。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」、2つの年金制度から成り立ちます。そのため「2階建て」などとも呼ばれますね。

2つの年金制度のあらましを以下にまとめました。

1.1 国民年金(1階部分)

加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方

保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)

年金額:満額77万7792円(※)✕調整率(未納期間がある場合は差し引かれます)※令和4年度の年額

1.2 厚生年金(2階部分)

加入対象:主に会社員、公務員など

保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)

年金額:加入期間や納付保険料によって決まります(国民年金に上乗せで支給)

2. 【年金一覧表チェック】国民年金と厚生年金の受給額を確認

では、いまのシニア世代は実際にどのくらい年金を受給できているのでしょうか。

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、「60歳」から「90歳以上」までの、各年齢の平均年金月額を1歳刻みで確認します。

出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」

2.1 国民年金の平均年金月額

60歳:3万8945円

61歳:4万150円

62歳:4万1904円

63歳:4万3316円

64歳:4万3842円

65歳:5万8078円

66歳:5万8016円

67歳:5万7810円

68歳:5万7629円

69歳:5万7308円

70歳:5万7405円

71歳:5万7276円

72歳:5万7131円

73歳:5万7040円

74歳:5万6846円

75歳:5万6643円

76歳:5万6204円

77歳:5万6169円

78歳:5万5844円

79歳:5万5609円

80歳:5万5483円

81歳:5万7204円

82歳:5万6981円

83歳:5万6815円

84歳:5万6828円

85歳:5万6404円

86歳:5万6258円

87歳:5万5994円

88歳:5万5560円

89歳:5万5043円

90歳以上:5万1382円

2.2 厚生年金の年金平均月額

60歳:8万7233円

61歳:9万4433円

62歳:6万1133円

63歳:7万8660円

64歳:7万9829円

65歳:14万5372円

66歳:14万6610円

67歳:14万4389円

68歳:14万2041円

69歳:14万628円

70歳:14万1026円

71歳:14万3259円

72歳:14万6259円

73歳:14万5733円

74歳:14万5304円

75歳:14万5127円

76歳:14万7225円

77歳:14万7881円

78歳:14万9623円

79歳:15万1874円

80歳:15万4133円

81歳:15万6744円

82歳:15万8214円

83歳:15万9904円

84歳:16万349円

85歳:16万1095円

86歳:16万2007円

87歳:16万1989円

88歳:16万952円

89歳:16万1633円

90歳以上:16万460円

※厚生年金には国民年金(基礎年金)の月額を含む

国民年金の平均年金月額は、65歳以降は5万円なかばで、ほぼ変わりません。国民年金の保険料が一律であるという性格が、ここに表れていますね。

一方、厚生年金を見ると、年齢とともに受給額が多くなっていることがわかります。

なお、国民年金と厚生年金には、共通して「65歳未満の年金額が低い」という点が見られます。これは以下の背景によるものです。

2.3 国民年金

65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ受給(※)を選んだ支給を選択した者となる。※繰上げ受給:1カ月繰り上げるごとに、年金額が0.4%減額される

2.4 厚生年金

65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となる

3. 【最新版・年金一覧表】受給額ゾーンごとの人数で確認!みんないくらもらっているの?

次に、受給額ゾーン(1万円刻み)ごとの受給権者についても見ていきましょう。

出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」

3.1 国民年金月額階級別の老齢年金受給者数

1万円未満 7万27人

1万円以上~2万円未満 28万4152人

2万円以上~3万円未満 90万3006人

3万円以上~4万円未満 274万9550人

4万円以上~5万円未満 463万6048人

5万円以上~6万円未満 791万730人

6万円以上~7万円未満 1500万3006人

7万円以上~ 187万2466人

国民年金の受給額のボリュームゾーンは、6万円~7万円未満。受給権者数は1500万3006人です。また、「4万円以上~7万円未満」の層が大多数を占めています。

また、月額1万円未満の方が一定数存在するのも事実です。極端に年金額が少ない場合などは、他の収入源をしっかり確保しておく必要があるでしょう。

貯蓄・就労収入・不労所得など、さまざまな手段が考えられますね。

出所:厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」

3.2 厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数

1万円未満:9万9642人

1万円以上~2万円未満:2万1099人

2万円以上~3万円未満:5万6394人

3万円以上~4万円未満:10万364人

4万円以上~5万円未満:11万1076人

5万円以上~6万円未満:16万3877人

6万円以上~7万円未満:41万6310人

7万円以上~8万円未満:70万7600人

8万円以上~9万円未満:93万7890人

9万円以上~10万円未満:113万5527人

10万円以上~11万円未満:113万5983人

11万円以上~12万円未満:103万7483人

12万円以上~13万円未満:94万5237人

13万円以上~14万円未満:91万8753人

14万円以上~15万円未満:93万9100人

15万円以上~16万円未満:97万1605人

16万円以上~17万円未満:101万5909人

17万円以上~18万円未満:104万2396人

18万円以上~19万円未満:100万5506人

19万円以上~20万円未満:91万7100人

20万円以上~21万円未満:77万5394人

21万円以上~22万円未満:59万3908人

22万円以上~23万円未満:40万9231人

23万円以上~24万円未満:27万4250人

24万円以上~25万円未満:18万1775人

25万円以上~26万円未満:11万4222人

26万円以上~27万円未満:6万8976人

27万円以上~28万円未満:3万9784人

28万円以上~29万円未満:1万9866人

29万円以上~30万円未満:9372人

30万円以上~:1万4816人

※厚生年金には国民年金(基礎年金)の月額を含む

厚生年金保険(第1号)の年金月額のボリュームゾーンは、「9万円~10万円未満」。受給権者数は113万5527人です。

厚生年金は、サラリーマン(会社員や公務員など)だった人が、国民年金に上乗せして受給します。自営業やフリーランス、専業主婦(主夫)などで、厚生年金加入期間がない人は、国民年金のみを受け取ります。

貯蓄の準備や年金以外の収入源の確保は、早い段階からぜひ意識しておきたいですね。

4. 【年金一覧表】データから分かる「老後の年金格差」への対策

今回は、最新版の厚生労働省資料をもとに、いまのシニア世代が受給する厚生年金・国民年金について、年齢ごとの平均月額、受給額ゾーンごとの受給権者数などを確認していきました。

現役時代の働き方や収入により、老後に受け取る年金には個人差があります。また、年金額は世帯単位で把握する必要もあるでしょう。

とはいえ、「公的年金だけでは老後を過ごすことは難しい」と感じる人が多数はではないでしょうか。

現役時代の生活レベルを維持したいと考えるならば、老後に向けた貯蓄の準備は必須です。預貯金をしっかり確保するとともに、「資産運用」を早めに始めることも一つの方法でしょう。

投資というと「なんだか怖い」「敷居が高い」といったイメージがあるかもしれませんが、リスクと上手につきあうコツをつかみ、効率よくお金を育てていけたら嬉しいですね。

商品内容やそのリスク、メリット・デメリットをきちんと理解したうえで、「長期積立」を検討してみるのも一案です。

個人年金保険や、「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」といった税制優遇制度の活用を視野に入れてみるのもオススメです。

参考資料

厚生労働省「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」

日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)

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