60歳代「貯蓄2000万円以上」の割合は?厚生年金と国民年金の平均受給額も確認

60歳代で2000万円以上の貯蓄があるのは全体の32.4%程度です。今回は、60代の平均貯蓄額を二人以上世帯と単身世帯にわけて確認した後、年金受給額についてもみていきます。

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厚生年金と国民年金だけで生活できるのか

物価高が相次いだ今年は、「仕事をもう少し長く続けようか」と悩む60歳代の方も多かったのではないでしょうか。

いざ年金生活となると年金のみの収入が基本となりますが、物価高の中で、少子高齢化により減る可能性があると言われる年金のみで生活するのは不安があるでしょう。

2019年には「老後2000万円問題」が話題となりましたが、今の60歳代はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。

60歳代の貯蓄を二人以上世帯と単身世帯にわけて確認した後、年金受給額についてもみていきます。

【注目記事】つみたてNISA「やっぱり買うべきじゃなかった」後悔されがちなインデックス投資信託4選とは

【円グラフ】60代の貯蓄分布を「二人以上世帯・単身世帯」それぞれ確認

1. 60歳代の平均貯蓄額はいくらか【二人以上・単身世帯別】

金融中央広報委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2021年」によれば、60歳代の平均貯蓄額は以下の通りです。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 60歳代の平均貯蓄額

二人以上世帯の平均貯蓄額…2427万円

単身世帯の平均貯蓄額…1860万円

このように2人以上の世帯と単身世帯では、約800万円の差があります。

しかし、平均値は貯蓄の多い上位層が引き上げる傾向にあるため、実態に則しているとはいいづらい点があるので注意が必要です。

より、実態に近い中央値は以下の通りになります。

1.2 60歳代貯蓄の中央値

二人以上世帯の中央値…810万円

単身世帯の中央値…460万円

このように、中央値で見ると、2000万円にはほど遠い金額となります。

では、実際に60歳代で2000万円以上の貯蓄がある世帯は全体の何%程度なのでしょうか。

2. 60歳代で2000万円以上貯蓄がある割合は?厚生年金と国民年金の受給額も確認

60歳代・二人以上世帯で2000万円以上の貯蓄がある割合は32.4%です。

全体の約3割しか2000万円以上の貯蓄がないことがわかります。

公益財団法人生命保険文化センターによれば、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均22万1000円、老後を豊かに過ごすためには36万1000円とのこと。

一方で、老後生活の柱である年金令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況によると、公的年金の平均額は以下の通り。

2.1 国民年金の平均月額

〈全体〉平均年金月額:5万6252円

 〈男性〉平均年金月額:5万9040円

 〈女性〉平均年金月額:5万4112円

2.2 厚生年金(第1号)の平均月額

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

 〈男性〉平均年金月額:16万4742円

 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

令和4年度のモデル夫婦「会社員の夫と専業主婦の妻」の年金は月約22万円ですが、最低日常生活費は足りたとしても、豊かな老後生活を送るために毎月約14万円足りません。

老後2000万円問題は夫婦で「月5万5000円」足りず、老後を30年間と仮定した場合に2000万円足りないという試算になります。

ゆとりある老後生活を過ごしたいと思うと、2000万円以上必要になるでしょう。

3. 資産寿命を伸ばす方法

公的年金だけでは豊かな老後の生活を送れないのであれば、貯蓄などの資産寿命をのばすことになります。

資産寿命を伸ばすためには、主に3つの方法があります。

65歳以降も収入を得る

資産運用をしてお金を増やす

節約をする

貯蓄額が少なくても収入を得られれば、貯蓄を取り崩さずに生活ができます。また貯蓄を取り崩すとしても、取り崩すスピードを緩やかにできるでしょう。

「人生100年時代」といわれている今、65歳以降の方の多くが仕事をしています。総務省統計局によると2021年時点で65~69歳の方の50.3%、70歳以上の方の18.1%が仕事をしています。

出所:総務省「2.高齢者の就業」

このように高齢者といわれる年齢になっても多くの方が仕事をしているのがわかります。

収入が多くなると受け取る年金額が減る場合もあるので、どのくらい稼ぐかには注意が必要ですが、資産寿命を伸ばすために仕事をして収入を得るのは選択肢の1つでしょう。

また、運用をしてお金を増やすのも方法の1つです。しかし、投資の場合はリスクがあるので注意が必要です。

最近ではつみたてNISAやiDeCoといった、運用益にかかる税金が非課税になる制度もありますので、まずは情報収集をしてみるといいでしょう。

節約に関しては、物価が上昇している今多くの家庭が実践しているかもしれませんが、過度な節約はやめましょう。

過度な節約をしてしまうと、大きなストレスがかかってしまうので、無理のない範囲で続けられる節約をするといいでしょう。

たとえば格安スマホに変えたり、電気やガスの会社を変えたりして固定費の削減をおこなうと、無理なく節約が続くでしょう。

固定費の節約は一度行えばずっと効果がありますので、ぜひ検討してみてください。

4. まとめにかえて

今回は60歳代の平均貯蓄額について説明をしました。老後2000万円問題に代表されるように、公的年金だけでは、豊かな老後を送れない可能性があります。

しかし、2000万円以上の貯蓄がある60歳以上の人は全体の3割ちょっとに過ぎません。

今回の記事を参考にしていただき、計画的にお金を貯めていただければ幸いです。

参考資料

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査2021年(二人以上世帯調査)

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査2021年(単身世帯調査)

生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」

厚生労働省 令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

厚生労働省「令和3年簡易生命表」

総務省「2.高齢者の就業」

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