最新の平均寿命「年金受給期間」が男性16年・女性約22年へ。70歳代の貯金平均は
65歳から平均寿命まで、男性は約16年、女性は約22年という計算になります。上記はあくまで平均ではありますが、多くの方は年金受給開始から寿命を全うするまでの期間、年金と貯蓄で生活していくこととなります。
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人生100年時代と言われて久しいですが、いま日本人は何歳まで生きているのでしょうか。厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によれば、日本人の最新平均寿命は男性81.74歳、女性87.57歳でした(2022年7月29日公表)。
出典:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」(2022年7月29日公表)
一般的な年金受給開始年齢は65歳からです。繰上げ受給や繰下げ受給などもできますが、基本的には65歳から年金を受け取る方が多いでしょう。
こう考えると、65歳から平均寿命まで、男性は約16年、女性は約22年という計算になります。
上記はあくまで平均ではありますが、多くの方は年金受給開始から寿命を全うするまでの期間、年金と貯蓄で生活していくこととなります。
では今の70歳代は、十分な年金や貯蓄があるのでしょうか。今回は公的年金の平均額や、70歳代の貯蓄について調べてみたいと思います。
1. 70歳代「厚生年金と国民年金」受給額を1歳刻みで確認
まずは厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」もとに、70歳代の国民年金と厚生年金の金額を1歳ごとに見ていきましょう。
出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
1.1 国民年金の受給額の月平均
70歳:5万7234円
71歳:5万7153円
72歳:5万7066円
73歳:5万6874円
74歳:5万6675円
75歳:5万6235円
76歳:5万6204円
77歳:5万5881円
78歳:5万5651円
79歳:5万5525円
1.2 厚生年金の受給額の月平均
70歳:14万3775円
71歳:14万7105円
72歳:14万6331円
73歳:14万5724円
74歳:14万5467円
75歳:14万7519円
76歳:14万8172円
77歳:14万9924円
78歳:15万2159円
79歳:15万4467円
※厚生年金には国民年金(基礎年金)の月額を含む
平均で国民年金は5万円台、厚生年金は14~15万円台でした。
夫婦であれば年金だけで生活できる場合もありますが、貯蓄を切り崩す人も多いのではないでしょうか。
配偶者が亡くなりひとりとなった場合には、遺族年金もありますが、夫婦でいた時よりも年金額は減ります。また、夫が国民年金のみの場合は遺族年金が受給できないケースもあります。
また、厚生労働省の「健康寿命の令和元年値について」によれば、健康寿命は男性で72.68歳、女性で75.38歳。
長生きしたとしても、病気やケガ、介護などで出費が増える可能性も考えられます。
2. 70歳代は十分な貯金があるのか
それでは次に、70歳代の貯金を金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(令和3年)」より確認しましょう。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(令和3年)」をもとにLIMO編集部作成
2.1 70歳代以上世帯の金融資産保有額
平均2209万円
中央値1000万円
円グラフで分布を見ると、「3000万円以上」が22.1%、「2000~3000万円以上」が11.9%です。一方で貯蓄ゼロ世帯も約2割。少し前に話題になった「2000万円問題」の準備ができている方は約4割程度であるということが現実です。
また、より実態に近い中央値は1000万円という結果に。貯蓄が1000万円の場合、たとえば月5万円切り崩していくと、約16年で貯蓄がなくなってしまいます。
貯蓄は生活費だけでなく、趣味や旅行、付き合いや孫へのプレゼント、病気や介護が必要になった時などでも使うでしょう。中央値をみると心もとない金額に感じる方が多いのでないでしょうか。
3. 老後は備えあれば憂いなし
前述した厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によれば、75歳まで生きる男性は76.0%、女性は88.3%です。
出典:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」(2022年7月29日公表)
95歳までは男性の約1割が、女性の4人に1人が生存するということが読み取れます。
今後もこの傾向は続き、「人生100年時代」は本当に近くまで来ているのかもしれません。
人生の約3分の1を年金と貯蓄のみで生活することに
本日は最新の平均寿命と受け取れる年金についてみてきましたが、人生100年時代に65歳で退職した場合、実に人生の約3分の1を年金と貯蓄のみで生活することになります。
「老後は遠い未来」ではなく、確実にくる可能性が高い第2の人生です。その長さを考えれば、少しでも早いうちから対策を立てていく必要があるでしょう。
今はねんきんネットやねんきん定期便などを利用すれば、年金の受給予定額を確認することができます。また、運用益が非課税になるiDeCoやつみたてNISA制度を利用して、私的年金や貯蓄をすることも可能です。
今後も物価上昇など不安定な要素は大きく、老後必要と考えられる金額は大きくなることが予想されます。2022年も残りが短くなってきましたので、少しでも早く、老後について考えてみるのはいかがでしょうか。
普段の貯蓄にあわせて、今使える制度の利用を検討されることで、豊かな老後に少しでも助力できればと願います。
参考資料
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