犬が早朝に吠えて困る…3つの原因とそれぞれの対処法を紹介
犬には犬の習性があり、人とは異なる部分が多々ありますが、人間社会の中で生活するためには社会性が求められます。そのような背景でよく飼い主さんを悩ませる犬の行動に、「早朝に吠える」というものがあります。この行動に対する対処として、吠える原因別の対処法と、犬の生活サイクルを人間に合わせる調整法をご紹介します。
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犬に関する悩みで多いのが無駄吠え
アンケートなどで上位に上がることが多い犬の飼い主さんの悩み事が、「無駄吠え」です。そして、吠えるタイミングがなぜか「早朝」だという悩みもよく耳にします。特に子犬やまだ若い犬の場合に多いようです。
大抵の場合、早朝は飼い主さんもご近所の方々も、まだ眠っている時間帯です。早朝に吠えられると、飼い主さんご自身がつらいということに加えて、ご近所の方々への迷惑にもなるため、対応に苦慮されることが多いのです。
今回は、早朝になると犬が吠える原因と、その対処法をご紹介します。
そもそも犬は早起き
動物は、昼間活動する昼行性、夜間活動する夜行性、早朝や夕方などの薄暗い時間帯に活動する薄明薄暮性というように、それぞれの種に適した生活パターンを持っています。
私達人間は昼行性で、犬や猫は薄明薄暮性です。人間は昼間の明るい時間帯が主な活動時間ですが、犬は獲物となる小動物が活発に活動する早朝や夕方の薄暗い時間帯に活動します。つまり、犬が早朝に起きて活動を始めることは、生理的にごく自然なことなのです。
ちなみに、初期の哺乳類は夜行性だったそうです。その頃の地球は、昼間の時間帯は恐竜に支配されていました。そこで哺乳類は、夜間に活動していたのです。やがて恐竜が絶滅すると、昼行性に移行する哺乳類が登場しました。中でも、完全な昼行性に移行した最初の哺乳類が、霊長類の祖先だったといわれています。
今では、人間が活動する地域で夜行性に移行する哺乳類が増えているという研究報告が世界各地から上がっており、日本もその中に含まれています。
犬が早朝に吠える原因と対処法
時間帯に関係なく、犬が吠えるのには原因があります。では、早朝に目覚めた犬が吠える原因と、その対処法について見ていきましょう。
1.要求
最も多いと考えられる原因が、「飼い主さんへの要求」です。
要求内容はご家庭での生活スタイルによりさまざまですが、主に下記のような要求内容が考えられます。
✔トイレに行きたい
✔お腹が空いた
✔ケージやクレートから出たい
✔散歩に行きたい
✔一緒に遊びたい
最初は「クンクン」といった小さな鳴き声から始まるでしょう。しかし、気付いてもらえないとだんだん声が大きくなり、吠え声に変わります。その段階で飼い主さんが気付き、または根負けして要求を叶えてしまうと、犬は「吠えれば要求が叶う」と学習し、早朝の要求吠え行動が強化されてしまいます。
対処法としては、室内でも排泄できる環境を整えてトレーニングする、中にフードを仕込み時間をかけないと食べられない仕組みの知育玩具を与えておくなどがおすすめです。タイミングとしては、まだ小さな鳴き声の段階で対処してください。そして愛犬の要求を把握したら、できるだけその要求が軽減するような対処を試みましょう。
2.警戒
外の気配に反応し、「警戒」のために吠えていることもあります。特に早朝は、新聞配達や早めに出勤・登校する人々、野良猫や野鳥などの他の薄明薄暮性の動物たちなどが活動を始めます。こういった音や気配に警戒しているのです。
この場合、外の気配ができるだけ愛犬に届かないようにしましょう。愛犬の寝床の位置が玄関や窓に近い場合は、外の気配を感じにくい場所に移動させます。
またカーテンやブラインドを利用して、なるべく外の気配が家の中に届かないようにします。
3.病気
吠えている原因が、「病気」の場合もあります。体の痛みや難聴などが原因の場合は、時間帯が早朝には限られないでしょう。高齢犬で夜間や早朝になると吠える場合は、認知症の可能性が考えられます。
いずれにしても病気の可能性がある場合は、動物病院に相談することをおすすめします。なお認知症で昼夜が逆転している場合は、この後でご説明する犬の生活サイクルを調整する方法が有効な場合があります。
犬の生活サイクルを調整する方法
「そもそも犬は早起き」の章でご紹介したように、動物はその種に固有の生活サイクルを持っています。しかし、そのサイクルを変更することもできます。かつて夜行性だった人間が昼行性に移行したり、昼行性に移行した哺乳類が再び夜行性に戻ったりしているのもその証の1つといえるでしょう。
早朝に吠える犬に子犬や若い犬が多いのも、まだもって生まれた習性が色濃く残っているからだと考えられます。犬たちは、やがて飼い主さんの生活サイクルに合わせて自分の生活サイクルを変更することができます。
そのための工夫として、下記のような方法でまずは試してみてください。
✔昼間はできるだけ散歩や遊びなどで活動的に過ごさせる
✔飼い主さんの就寝前に一旦起こして遊び、疲れさせてから排泄を済ませる
✔愛犬が就寝する際に、フードを仕込んだ知育玩具を与えてさらに就寝時間を遅らせる
早朝に吠える原因を突き止め、その原因に対する対処を行うとともに、愛犬の生活サイクルを飼い主さんのサイクルに合わせるよう並行して対処することで、徐々に改善されるでしょう。
まとめ
犬と一緒に暮らす場合、愛犬とご近所との関係も大切です。その中でも大きな問題になりやすいのが、吠え声でしょう。しかも吠える時間帯が、人々がまだ眠っている早朝であればなおさらです。
犬が吠えるのには、必ず理由・原因があります。また、犬にとって早朝は本来の活動時間なので、その時間に起き出すことはごく自然なことだといえます。それでも、人間社会の中で暮らしてもらうためには、吠える原因に対処し、かつ併せて人間の生活サイクルに合わせてもらうための工夫が必要なのです。
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