リビングを2倍以上の広さに!狭小地の二世帯住宅で実現した広い家

住宅密集地の中の、狭小地に建つ二世帯住宅。
  
法律上建てることが可能な、建坪16坪ちょっとの中に、
二世帯5人が暮らす場所を確保する必要がありました。
  
そのため、様々な工夫で「広い家」を目指しました。
  
そんなMS-House のストーリーです。

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無駄のないシンプルな外観

仲摩邦彦建築設計事務所 / Nakama Kunihiko Architects ac.auone-net.jp

無駄のない、シンプルな外観をしています。

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出来るだけ広いスペースをつくり出すために、
まず、
可能な限り大きな四角形で、
敷地全体を囲いました。
  
そして、
その一部を刳り貫くようにして、
駐車スペースと、玄関へのアプローチを、
確保しました。

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家全体を見ると、
敷地を出来るだけ大きく囲った、四角形になっていますが、
道路から見ると、左右2つの部分に分かれています。

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左半分は、通常の外壁と窓。
  
右半分は、鉄と木で出来た格子になっています。

駐車スペースに架けられた、透明な「屋根」

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駐車スペースの部分は、
玄関へのアプローチを兼ねています。
  
そして、1階親世帯の部屋の窓も、また、
この駐車スペースに向かって設置されているため、
この場所は、庭の代わりにもなっています。
  
住宅密集地に、
出来る限り広く、家を建てるために、
なかなか確保することが難しくなる、貴重な屋外空間は、
駐車スペース、玄関へのアプローチ、庭、等々、
様々なものを兼ねた場所となっています。

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駐車スペースの部分には、
鉄の格子(グレーチング)の「屋根」が架かっています。
  
「屋根」といっても、スケスケの格子なので、
雨も通せば、光も通します。
  
そのため、
この「屋根」があっても、
1階の窓から、十分に光を採り込むことが出来ます。

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この鉄の格子(グレーチング)の「屋根」は、
スケスケであるため、
法律で規制される面積には入りませんでした。
  
そのため、
この「屋根」を、
敷地全体に渡って、架けることにしました。
  
というのも、
下から見ると、特に邪魔にもならない、
スケスケの、透明な「屋根」ですが、
2階から見ると、
家を広くする、貴重な「床」になるからです。

2倍以上に広がったリビング

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2階にあがると、
駐車スペースの上に架かっていた、鉄の格子が、
テラスの床になります。
  
この鉄の格子は、
光も雨も通す、スケスケの状態であるため、
面積には算入されず、
法律で規制されることはありませんでした。
  
スケスケの床なので、何もないのと同じ、
というわけです。
  
この「透明な床」によって、
2階にあるリビング・ダイニングの広さは、
倍以上に広く感じられます。

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周囲からの視線に対しては、
敷地全体を大きく囲うことで、
目隠しをしています。
  
レースのカーテンなどを使って、
窓のところで、目隠しをしてしまうと、
部屋の広さは、
カーテンのところまでしか、感じることが出来ません。
  
しかし、ここでは、
窓よりもずっと先の、
テラスまでを含めて、大きく囲って目隠しをしているため、
敷地境界線ギリギリまでが、
まるで部屋の中のように感じられます。

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テラスと反対側の壁は、すべて、
収納になっています。
  
収納といっても、扉を付けてあるだけで、
内部は、自由に使ってもらうようにしました。
  
コストを下げながらも、
部屋全体の統一感を保つようにするためです。
  
また、天井は、
部屋の奥の壁に向かって、わずかに傾斜しています。
  
厳しい斜線制限を回避しつつ、
部屋の奥行を強調したい、と考えました。

周囲からの視線を遮る、囲われたテラス

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テラスは、
木の格子で、完全に囲われていて、
光と風は通しますが、
周囲から、のぞかれることはありません。

テラスを中心にした、シンプルな動線

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リビング・ダイニングから、
キッチン、そして、洗面所へ。
  
水廻りは、
最短距離の一直線の動線で、
結ばれています。
  
子供室は、
テラスを取り囲むようにして、
配置しています。
  
リビングから、
いつでも様子をうかがうことが出来、
また、テラスを介して、
容易に、行き来することも出来ます。

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テラスに面した子供室の部分は、
法律上可能な、出来る限りの高さにして、
3階部分となる、ロフトを設けました。  
  
「広い家」にするために、
様々な部分に、工夫を凝らしています。

廊下や階段も、部屋の一部に取り込む

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キッチンは、
廊下や階段に向かって、
ガラス張りになっています。
  
幼い子供や家族の動きが、
いつでも、目に入るように。

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キッチンと廊下との境を、ガラスにすることで、
廊下や階段が、何となく、明るくなりました。
  
単なる通路ではなくて、部屋の一部という感じに。
  
また、廊下の天井には、
トップライトを設けたため、
さらに明るく、居心地がよくなりました。
  
そこからの光は、
ガラスを通して、キッチンの方まで届き、
キッチンの方も、単なる作業場ではなく、
明るく、居心地のよい場所になりました。

地下も利用

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一部に、
法律の面積制限にかからない、地下室を設けました。
  
この反対の面に、
大きな窓がとれるように、テラスも一緒に掘ってあります。
(ドライエリアといいます)

そのため、地下室であっても、
それほど暗くはなく、圧迫感もありません。
  
縁なしの畳を敷いて、
ちょっと和風の、趣味の部屋になっています。

様々な工夫で、狭小地に「広い家」を

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住宅密集地の、
広いとは言えない敷地と、
厳しい法律上の制約。
  
そうした中で、
屋内と屋外を、一体につなげて、
敷地全体を、広く使うことによって、
「広い家」を実現しようと考えました。

MS-House

住宅密集地の、狭小敷地に建つ、
二世帯住宅です。
  
様々な設計上の工夫をすることで、
「広い家」を実現しようと考えました。

設計:仲摩邦彦建築設計事務所

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東京都小平市の一級建築士事務所です。「これしかない」と納得できるようなものを目指し、そこでしか出来ない個性的なものを実現するために、ひとつひとつ丁寧に取り組んで…

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