厚生年金「平均14万円」はホントかを探る「年金受給の3つのワナ」を解説

令和4年4月分から昨年と比べて0.4%減額された年金。厚生年金の受給額が平均14万円ですが、実は3つのワナがあります。今回は年金について考察し、受給額や注意点などを確認したいと思います。

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【厚生年金】年金受給額の格差についても確認

新年度がはじまり1カ月が過ぎました。今年は3年ぶりに緊急事態宣言のないゴールデンウィークも迎えることができ、新たなスタートがはじまったと感じるでしょう。

しかし、良いニュ-スもあれば、悪いニュースもあるもの。ガソリン価格をはじめさまざまなものが値上がりし、家計を圧迫しています。

所得が増えれば良いのですがなかなか難しく、年金に限っては令和4年4月分から昨年と比べて0.4%の減額が決定しています。

将来の収入源である年金が下がったと聞くと、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は年金について考察し、受給額や注意点などを確認したいと思います。

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【図表】年金制度は2階建て&みんなの厚生年金受給額はどのくらい?

1. 公的年金の仕組みを詳しく解説!国民年金と厚生年金とは

まずは日本の年金制度について確認をします。平成27年に年金は一元化され、日本の公的年金は2階建ての年金制度となっています。

1階部分の国民年金は、国内に住む20歳から60歳までの方に加入義務があります。毎月の保険料は加入者一律で「学生、自営業者、会社員や公務員の被扶養配偶者」などが該当します。

国民年金は480月(40年)の支払いで満額支給となり、未納月がある場合にはマイナス調整されます。国民年金に関しては加入月数が重要なことを覚えておきましょう。

2階部分の厚生年金ですが、お勤めの形態と期間によって支払い義務が発生します。保険料は給料から天引きされ、保険料は収入によって異なります。

支払った保険料が多いほど将来の受け取り額が多くなるため、加入期間に加えて、支払い期間中の収入が重要となります。

2. 厚生年金の平均月額「14万4366円」はホントか

公的年金の仕組みについて触れましたので、次は厚生年金の平均月額を確認してみましょう。

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は14万4366円です。

思ったよりたくさんもらえると感じる方もいれば、少ないと感じる方もいるでしょう。金額に関して受け取り方はさまざまだと思いますが、受給する際に注意したい点が3つあるためお伝えしていきます。

2.1 手取り額に注意する

厚生年金の平均月額を確認しましたが、実際に受け取る金額とは一致しません。先ほどの平均月額はあくまでも総支給額であり、いわゆる手取り額ではありません。

給与明細にも「総支給額」と「差引支給額」のように違いがあります。同じように、総支給の年金からも各種税金や社会保険料が差し引かれるため、手取り額は減ることに注意が必要でしょう。

特に、少子高齢化が進んでいるため、介護保険料や健康保険料など今後は更に増える可能性もあります。

総支給額ではなく手取り額、自由に使える金額がどの程度なのかしっかり把握することを心がけましょう。

2.2 厚生年金の受給格差に注意する

厚生年金は支払い期間だけでなく、年収によって保険料が決まるため、受給額に大きな差がでます。厚生年金の1万円ごとの受給人数は以下の通りです。

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

1万円未満:10万511人

1万円以上~2万円未満:1万8955人

2万円以上~3万円未満:6万6662人

3万円以上~4万円未満:11万9711人

4万円以上~5万円未満:12万5655人

5万円以上~6万円未満:17万627人

6万円以上~7万円未満:40万1175人

7万円以上~8万円未満:69万4015人

8万円以上~9万円未満:93万4792人

9万円以上~10万円未満:112万5260人

10万円以上~11万円未満:111万9158人

11万円以上~12万円未満:101万8423人

12万円以上~13万円未満:92万6094人

13万円以上~14万円未満:89万7027人

14万円以上~15万円未満:91万3347人

15万円以上~16万円未満:94万5950人

16万円以上~17万円未満:99万4107人

17万円以上~18万円未満:102万4472人

18万円以上~19万円未満:99万4193人

19万円以上~20万円未満:91万6505人

20万円以上~21万円未満:78万1979人

21万円以上~22万円未満:60万7141人

22万円以上~23万円未満:42万5171人

23万円以上~24万円未満:28万9599人

24万円以上~25万円未満:19万4014人

25万円以上~26万円未満:12万3614人

26万円以上~27万円未満:7万6292人

27万円以上~28万円未満:4万5063人

28万円以上~29万円未満:2万2949人

29万円以上~30万円未満:1万951人

30万円以上~:1万6721人

平均受給額は14万4366円ですが、最も受給人数が多いのは9万円以上~10万円未満を受け取っている方です。

平均値は上下ともに大きな数値に影響を受けやすいですが、平均値よりも約5万円少ない方が多いのが現状でしょう。

2.3 厚生年金は男女差にも注意する

続いて、厚生年金の受給額の平均を男女で確認してみましょう。

男性(国民年金含む):16万4742円

女性(国民年金含む):10万3808円

このように男女間で約6万円の開きがあります。月に6万円ですから、仮に20年続くと1440万円とかなり大きいといえます。

これは女性の方が結婚や育児などで離職するケース多いため、勤務期間や時間が大きく影響しているのでしょう。

働き方も変わってくるとは思いますが、現状では男女差にも注意が必要です。

3. セカンドライフは年金だけで大丈夫か

ここまで厚生年金の平均値を参考に、男女間の受給格差など注意点を確認してきました。

在職中の収入や期間により年金額にバラつきが出来るため、平均値は参考程度で考えるのが良いでしょう。

最も重要なことは、自分の年金額がどの程度なのかをしっかり把握することです。ねんきん定期便などを利用して、現状把握を進めましょう。

何事も準備は早い方が良いですから、まずはご自身の将来についてしっかりと考えていただき、余裕を持って準備をおこなうことをおすすめします。

参考資料

日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)

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