2022年03月30日更新

裕福な女性の結婚式が暴動によって悪夢に　経済格差がもたらす社会秩序の崩壊　「ニューオーダー」公開決定

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　第77回ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞を受賞した映画「ニューオーダー」が、6月4日より劇場公開されることが決まった。

　「ニューオーダー」は、経済格差がもたらす社会秩序の崩壊を描いたスリラー映画。マリアンが夢に見た結婚パーティーの日、裕福な家庭に生まれ育ったマリアンを祝うため、豪邸には着飾った政財界の名士たちが集う。一方、マリアン宅からほど近い通りで、広がり続ける貧富の格差に対する抗議運動が暴動と化す。暴動の勢いは爆発的に広がり、ついにはマリアンの家にも暴徒が押し寄せてくる。華やかな宴は一転して殺りくと略奪の場となる。運良く難を逃れたマリアンだったが、軍部による武力鎮圧と戒厳令が待っており、日常は悪夢に変わる。

　監督を務めるのは、長編デビュー作から4作品連続でカンヌ国際映画祭に正式出品され、コンペティション部門での脚本賞を含む3冠に輝いてきた、メキシコのミシェル・フランコ。ごく普通の人間の人生がふとしたきっかけで崩壊の危機に陥る様子を冷徹な視線で描いてきたフランコは、「我々の暮らすメキシコに限らず、世界は極限状態に追い込まれている。まるで日々ディストピアに近づいているようにね。そしてパンデミックによって事態が更に悪化したことで、期せずしてこの作品は時代に即したものになってしまったんだ」と、本作について語っている。

　公開された日本版ビジュアルには、ほおに涙が伝うマリアンの顔と、武装した男たちの姿が対比的に描き出されている。さらに、メキシコ国旗に使われている色の1つで、スペインからの独立を象徴する緑色が、ペンキのようにぶちまけられた、不穏な展開を予感させるデザインとなっている。

【作品情報】
ニューオーダー
2022年6月4日（土）、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給：クロックワークス
(C) 2020 Lo que algunos soñaron S.A. de C.V., Les Films d’Ici

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