
不動産投資は節税になるのか?【連載:初めての不動産投資物語】
「不動産投資をすれば節税できる」という話を聞いたことはありませんか? 実は節税のためだけのアパート経営には、あらゆるリスクが潜んでいます。
不動産投資に関連の深い税金としては固定資産税や都市計画税の他に、所得税や法人税、相続税など様々なものがありますが、「なぜ、どのような税金の節税につながるのか」を理解しておきましょう。
本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています
- 891
- 1
- 0
-
いいね
-
クリップ
◆登場人物
・タテ吉さん
年齢:43歳
職業:アパートオーナー
年収:2500万円
プロフィール:大手食品メーカーに勤務するサラリーマンだったが、アパート投資に成功して脱サラ。現在はアパート10棟を保有し、悠々自適の毎日を送っている。</font>
・マガ男君
年齢:32歳
職業:大手食品メーカー勤務
年収:450万円
プロフィール:タテ吉さんの元後輩。会社の先行きにやや不安を感じており、不動産投資に関心を持っている。
不動産投資は本当に節税になるのか?
マガ男:不動産投資をすれば節税できる、という話は本当でしょうか?
タテ吉:うーん、全面的に正解だとは言えないな。
マガ男:どうしてですか?
タテ吉:まず、節税という言葉は、「支払う税金を安く抑えること」という意味で使われることが多いよね?
マガ男:はい。「税を節約する=節税」というイメージです。
タテ吉:でも、アパート経営のための物件を持っていると、その分だけ固定資産税や都市計画税を支払うことになる。それに、不動産投資で利益を上れば、その分だけ所得税だってかかる。
マガ男:所得税って、僕たちサラリーマンが源泉徴収されている税金ですよね?
収入が増えると支払う所得税額も増える
タテ吉:その所得税を抑えるためには、どうすればいいか。1つの方法としては、「所得を減らす」ということが考えられないだろうか?
マガ男:なるほど! 確かに、その通りですね。
タテ吉:でも、不動産投資をして利益が上がれば、収入は増えてしまう。
マガ男:そうすると、支払う税金の額だって増えてしまいますよね……。じゃあ、節税効果っていうのは嘘なんですか?
タテ吉:いや、そうとも言い切れないんだ。どんな時に節税効果が上がるか、一緒に考えてみよう。
不動産投資には経費がかかる!
マガ男:収入を減らすってことは、せっかく建てたアパートで家賃収入を得てはいけないってことになりませんか?
タテ吉:確かに、そういう方法もあるね。でも、不動産経営の所得は「収入-必要経費」という計算をするだろう?
マガ男:そうなると……収入を上回る経費がかかっていれば、不動産所得としては赤字になりますね!
タテ吉:では、不動産所得にかかる経費ってどんなものがあるか、分かるかな?
不動産経営を始めた年には赤字が出る
マガ男:真っ先に思いつくのは、アパートを建てる費用ですね。
タテ吉:他にも登録免許税や不動産取得税を支払わなければならない。これらの費用は多額になりがちだし、アパート経営の収入もまだたくさんは上がっていないから、初年度は赤字を出すことができやすいだろう。
マガ男:でも、それって初年度だけですよね。経営をしていく上では、修繕費や管理会社に払うお金、保険料などがありますか?
タテ吉:実は、アパートなど固定資産と呼ばれるものは、購入・取得したその時点で一度に経費にするのではなく、いったん資産として帳簿に計上した後、耐用年数に応じて少しずつ経費としていく仕組みがある。これを減価償却というんだ。
マガ男:経費が計上できるから、最終的には節税ができる、というわけなんですね!
タテ吉:それがまさに注意点だ。サラリーマンとして給与所得だけを得ていた人は「減価償却費が計上できるから、不動産投資をすれば節税になります」という言葉が魅力的に見えてしまう。
所得税を節税するためだけの不動産投資がはらむ危うさ
タテ吉:そもそも、不動産投資に興味があるマガ男君は、節税のためや赤字を出すためにアパートを経営したいわけじゃないだろう?
マガ男:もちろん、ゆとりある生活のためです。
タテ吉:じゃあ、アパート経営で収入と所得を上げていきたいところだよね。それならば、初めから赤字経営を目指すという姿勢は、経営者として失格だな。
マガ男:なぜですか? 節税ができるのなら、赤字になってもメリットはあるような気がするのですが……。
赤字経営にこだわることのリスク
タテ吉:アパート経営を始めたときから、赤字経営を目指してしまうとする。そうすると時間が経って空室率が増えていくにつれて、ますます赤字幅がふくらんでいく。赤字経営による節税という効果があったとしても、それを上回る経費をかけて修繕やリフォームをしたり、広告を打ったりする必要が出てくるんだ。
マガ男:確かに、アパート経営で修繕費や広告宣伝費が出てこないとなると、どこからお金を出すのかが問題になります。
タテ吉:マガ男君が今もっている資産を目減りさせながら、不動産投資を続けていかなければいけなくなるんだろう?
マガ男:赤字経営のデメリット部分がどんどんのしかかってくる感じがします。
タテ吉:節税につながる対策というのは、確かにある。でも、あくまで「収入をきちんと上げて税金を納める中で、できるだけ税額を抑える方法」という考えをすべきなんだ。節税のことばかり考え過ぎず、不動産経営で収益を上げること、納税をきちんとすることを目指すといいね。
- 891
- 1
-
いいね
-
クリップ
あなたにおすすめ
関連キーワード
関連アイデア
-
火災保険に対する質権設定とは?質権設定のメリット・デメリットを解説【専門家監修】LIMIA 住まい部
-
ローンを利用して実家のリフォームをする時のポイントと注意点LIMIA 住まい部
-
【専門家監修】地震保険に積立型はある?掛け捨て型と積立型の保険はどう違う?LIMIA 住まい部
-
地震保険特約による補償の上乗せをもう一度検討する必要があるのはなぜ?LIMIA 住まい部
-
火災保険が満期になったら?満期返戻金の手続きと保険の見直しに関して解説【専門家監修】LIMIA 住まい部
-
地震保険は賃貸物件にも必要?加入するなら家財保険!その理由とはLIMIA 住まい部
-
生命保険の一括払いは可能!支払方法の種類、一時払い終身保険のメリットとはLIMIA 暮らしのお役立ち情報部
-
火災保険に入らないことはできるの?火事のリスクや費用について解説【専門家監修】LIMIA 住まい部
-
【専門家監修】地震保険の契約期間について!地震保険だけ解約することはできる?LIMIA 住まい部
-
親(親名義)の家をリフォームするなら贈与税に要注意!LIMIA 住まい部
-
火災保険を名義変更するには?名義変更が必要なケースや名義変更の注意点【専門家監修】LIMIA 住まい部
-
【専門家監修】【比較】中古戸建てフルリノベーションと新築戸建て、どっちがお得?LIMIA 住まい部
-
専門家監修!バリアフリーリフォームの費用と事例|減税や補助金とは?LIMIA 住まい部