豊田の石場建て

豊田市の郊外に立つ平屋の石場建て。建て主さんは、子育て中のご夫婦。
階高を低く抑えた田の字の間取りに、深い大屋根。

天然乾燥の材木を手刻みで組み上げた構造に、竹小舞を掻いて土壁を塗りました。
基礎は割栗石敷き玉石基礎、コンクリートを使用せず、昔ながらの石場建てです。

南側正面は、濡れ縁に懐かしい木製建具、内部は縁側と障子を挟んで和室。
石場建てで、風の抜ける縁の下は、空気と水を土に戻す環境改善装置。

私は、建築行為または人間の行為は、自然に負荷しか与えない行為だと決めつけてきました。
建築士として私にできる事は、極力ゴミにならない自然素材で作り、永く住み継いで頂ける伝統工法の家作りをする事で、少しでも自然への負荷を減らす事だと考えてきました。

しかし一昨年の夏に、高田宏臣さんの「土中環境」に出会い、人間の行為で自然環境を改善する方法がある事、そしてそれは古くから当たり前にされてきた土木の造作だという事を知った。
人間が自然環境を改善する事は20年前に諦めていたのですが、まさかこんな所で出会うとは夢にも思わぬ幸運な出来事でした。しかも、改善の要の一つが、民家であり、石場建てだった。

今まで石場建てをやってきて本当に良かった。
そしてこれからは、自然環境の改善にもつながり、心から良いと言える石場建ての家作りを今後も続けていきたい。

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南側正面。 コンクリート基礎のない、玉石基礎の石場建て。

南面には、濡れ縁に木製建具、縁側と障子の奥には畳の続き間。

北側は、下見板の腰壁に色漆喰。

玄関の床は、杉の厚板。

真壁の玄関。 建具は舞良戸。

茶の間の小屋裏現しの空間に桧の太鼓梁。

玄関には、パントリーを兼ねた内玄関。

和室と茶の間の続き間は畳の部屋。

洗面化粧台も無垢の杉板による造作家具。

板張り、小屋裏現しの子供部屋。

玄関の上はロフト。

縁側には、懐かしい木製建具。

雨戸に網戸にガラス戸、最後に障子。 建具職人さんの作る建具は、100年後までメンテンナンスできる、高耐久。

玄関ポーチの沓脱石と、足固めの鼻栓。

自然石の基礎と、光付けした柱。

無垢の木を使って手作りした照明。

木組みの家に合わせて、木組みの照明です。

こちらの照明は障子張り。

濡れ縁。深い軒の出で、冬は暖かく夏涼しく。

垂木の見える軒裏。

木製建具は、懐かしいシングルガラスの格子戸。

向こうが見渡せる縁の下。

土中環境の改善の為の敷葉工法。

手作りの雨戸・網戸・ガラス戸・障子。

小さな床の間と、地袋。

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