マンションは新築?それとも中古?それぞれのメリットとデメリットまとめ
マンションの購入を考えるとき、迷いがちなのが「新築か中古か」。本当は新築マンションがいいけれど、予算の都合上中古マンションも視野に入れて検討中…というケースが多いでしょう。しかし新築と中古の違いは「価格」だけではありません。設備環境や保証・制度など、さまざまな面において相違点があります。
そこで今回は、新築と中古の違いを徹底的に比較してみました。それぞれの長所や短所を把握して、自分のスタイルにマッチする住まいの形を見極めましょう。
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■まず気になるのは費用!新築と中古でどう違う?
マンション選びの際、やはり最終的な判断材料ともいるのが「費用」。マンションは物件そのものの価格がメインになりますが、購入時の諸費用の違いも事前に調べておきましょう。
【違い1】物件価格の違い
一般的に新築の方が中古よりも価格が高くなることはご存知でしょう。具体的な数字を挙げると、中古マンションは新築マンションの4割から5割程度の価格で売り出されています。
もちろん一口に「中古」といっても築年数によってさまざま。物件の状態によって価格に開きがありますが、中古の方が新築に比べると費用を抑えられることは確かです。
またエリアによっても新築と中古の物件価格に違いがあります。都市部の人気エリアでは新築と中古にさほど差はありませんが、郊外部では価格の開きが大きいです。
新築にしても中古にしても郊外部の方が購入時のお得感はありますが、逆に売りに出す際は売却価格を低く設定する必要があります。
現時点での価格だけに注目するのではなく、将来性も踏まえて総合的に判断するとよいでしょう。
【違い2】諸費用の違い
マンションを購入する際には、不動産の登録料や住宅ローン手数料など、物件に対してかかるお金以外にもさまざまな「諸費用」がかかります。
そのうち新築にのみかかる費用、中古のみにかかる費用をそれぞれピックアップしてみました。
まずは新築マンションに必要な諸費用です。
・修繕積立金基金
これは新築マンション特有の費用で、毎月支払う修繕積立金の負担を軽減するためのものです。住むエリアや物件の内容によって異なりますが、一般的には200,000~400,000円程度が相場となっています。
・オプション費用
新築マンションによっては、部屋のグレードをアップできたり、インテリアや設備を追加できたりする場合があります。モデルルームの内装や設備はこういったオプションを使った仕様になっていることがほとんどです。
このオプション、つい金銭感覚が狂ってしまって、気がついたら数百万円プラスに…というケースも珍しくありません。
高品質でデザイン性の高い内容に魅了されてしまいがちですが、予算と十分照らし合わせながら検討する必要があるでしょう。
次に中古マンションに必要な諸費用を見てみましょう。
・仲介手数料
中古マンションの場合は、売り手(マンション所有者)と買い手の間に立って物件紹介やさまざまな手続きを行う仲介業者がいることが多いです。仲介業者を介してマンションを購入すると、仲介手数料が必要です。
仲介手数料は
「(物件価格×3%+60,000円)×1.08(消費税)」
が相場で、例えば30,000,000円の中古マンションにかかる仲介手数料は1,036,800円です。不動産会社が売り主の場合は仲介手数料が発生しませんが、一般的にはこの程度かかると認識しておきましょう。
・リフォーム費用
リフォームをしていない中古マンションの場合は、リフォームを行ってから入居するスタイルが一般的です。かかる費用はリフォームの種類やグレードなどによって大きく異なります。
例えばトイレの便器交換は50,000円~100,000円程度、浴室リフォームは800,000~2,000,000円程度、間取り変更や全設備交換など大がかりなリフォームになると3,000,000円程度が相場で、細部にもこだわる場合は10,000,000円以上になることも珍しくありません。
金額の幅が大きくそれなりに予算もかかりますが、自分好みの設備や仕様に変更できるよさがあります。
フルリフォームやフルリノベーションをしても、かかる費用は新築物件価格の3分の2程度で済むでしょう。
こうして諸費用だけで比較してみると、新築マンションに比べて中古マンションは費用がかかることがわかります。
物件価格だけを見て「中古の方が安い」と決めつけるのではなく、プラスされる諸費用のことも考慮するとよいでしょう。
■新築マンションのメリット&デメリット
これまで費用面における違いを見てきましたが、費用面以外にもさまざまな違いがあり、新築・中古それぞれに良し悪しがあります。まずは新築マンションの長所と短所を見極めましょう。
【メリット1】見た目が綺麗
新築マンションの醍醐味といえば、何といっても見た目が綺麗なこと。誰も使っていないピカピカの内装や設備は、誰もが憧れます。
建物内部だけでなく、外から見たときに見栄えがいいのも新築ならではのよさです。新しさを重視し、初めから中古マンションを視野に入れずに探す人も多いようです。
【メリット2】最新設備を搭載している
新築マンションには最新の設備が備わっており、住み心地は抜群です。個人の専有部分はもちろん、共用部分の設備も充実しているケースが多く、総合的に見て住宅の質が高いといえるでしょう。
セキュリティシステムも中古マンションに比べてしっかりしているため、安全性が高い点も大きな魅力。特に小さい子供がいる家庭の場合は、安心して暮らせるかどうかを重視して新築を選びやすい傾向にあります。
【メリット3】コミュニティに溶け込みやすい
新築マンションの場合は、契約者全員がほぼ同時に入居を開始します。「顔見知りがいない」という同じ条件の下でスタートを切るため、コミュニティに参加しやすいといったメリットがあります。
すでに形成されたコミュニティに入るときにありがちな、気後れやストレスを感じることがありません。コミュニティ自体に一体感が生まれやすいといわれます。
【メリット4】税制面においてさまざまな優遇措置を受けられる
新築マンションを購入すると住宅ローン控除や登録免許税、不動産取得税などの軽減措置を受けられます。
中古マンションでは条件が多く、対象外になる制度もあります。税制面では新築の方が何かとお得と考えてよいでしょう。
【メリット5】長期保証が付いている
新築マンションの場合は、建物の構造部において最低でも10年間の保証を受けることができます。
設備面においてもメーカー保証付きで、アフターサービス面も優遇されます。保証やアフターメンテナンスの満足度の高さで選ぶなら、断然新築マンションでしょう。
【デメリット1】モデルルームとのギャップ
すでに完成している新築マンションなら実物を見学できますが、多くの場合は未完成でいわゆる「青田買い」となり、モデルルームを見学して検討することになります。
この際注意しなければならないのが、実際の物件とモデルルームとのギャップです。
展示されているモデルルームの間取りはグレードの高い住戸のものであるケースが多く、実際の予算に見合う住戸はもっと狭かったり、使いにくい間取りだったりすることがあります。
またモデルルームの設備や仕様はオプションでグレードアップしているケースがほとんど。
「モデルルームの内容が標準装備されている」と勘違いしてしまうことがないように注意しましょう。
【デメリット2】立地条件のよいところを見つけにくい
新築マンションは数が少なく、希望のエリアにない場合もあります。また駅近など利便性の高い立地にはすでにマンションが建っているため、中古に比べて立地条件が悪くなってしまうのは否めません。
【デメリット3】資産価値の減り幅が大きい
新築マンションの資産価値は、通常5年で大幅にダウンし、その後は緩やかに下降していきます。
特に注目したいのが、購入してすぐに20~30%程度下落してしまうこと。実は新築マンションの物件価格には広告費や販売会社の利益が上乗せされているため、それを差し引いた額が本来の資産価値になるからです。
一般的にいわれているのが、築15年以降は価格下落のペースが安定するということ。
資産価値の急激な低下を懸念するのであれば、初めから築15年以降の中古マンションに限定して探すことをおすすめします。
新築マンションは「新しくて綺麗なマンションに住みたい」「設備やサービスが充実しているところがよい」など、見た目や機能性のよさを求める方に適しています。
また「長期保証が付いていてほしい」「税金の優遇措置はできるだけ利用したい」など、安心・安全を重視する場合にもおすすめです。
■中古マンションのメリット・デメリット
では次に中古マンションのよい点と悪い点をご紹介します。前述した新築マンションと比べながら見ていくと、自分に適したマンションのスタイルが見えてきます。
【メリット1】物件数が多く、選択肢が豊富
中古マンションは豊富な物件が揃っています。そのため「なるべく一定のエリアで物件を探したい」という場合に最適です。
たくさんの選択肢の中から探すことができるため、好みや条件に合った物件を見つけやすいこともメリットでしょう。
また中古マンションは好立地に建っている傾向があり、駅近だったり周辺環境がよかったりと利便性の高さが魅力。
新築でそういった物件を探してもなかなか見つからず、仮にあったとしても予算を大きくオーバーする可能性があります。限られた予算内で好立地な物件を探すなら、中古マンションが最適でしょう。
【メリット2】実際の物件を見学できる
中古マンションは必ず実物を確認できることが大きなメリットです。希望する物件に足を踏み入れて、間取りや広さはもちろん天井の高さ、窓の配置などを確認できます。
また収納の大きさ、通風や採光、眺望などもはっきりとわかるため、住んだときのイメージを具体的に思い描くことができます。
新築マンションの場合はモデルルームとのギャップが懸念されますが、中古マンションならそういった心配はありません。
またそのマンションにどんな世帯が住んでいるのかを確認することもできます。「20~30代のファミリーが多い」「年配層が多い」などが事前にわかるため、住んでいる住民の層によって自分たちが馴染めそうかを判断できるでしょう。
【メリット3】自分好みの空間が作れる
新築の場合はすでに新しい設備や内装が備わっており、基本的には「万人に便利」な作りになっています。
決められている内容は変更できないため、中には自分好みではないインテリアや壁紙が使われていたり、使わない設備が入っていたりすることも。
それに対して中古マンションの場合は、自分に快適な空間作りが可能です。必要な箇所のみ自分好みにリフォームできますし、予算が許せば住まい全体を自分仕様に変更することもできます。
物件価格が安い分、浮いた予算をリフォーム費用に回せることが魅力です。
【メリット4】資産としての価値が下がりにくい
前述したように、新築マンションの物件価格には広告宣伝費や不動産会社の利益が上乗せされているため、物件価格がそのまま資産の価値になるわけではありません。
そのため仮に購入後すぐに売却したとしても、購入時の価格で売れることはほとんどなく、資産価値の下落も激しいです。
しかし中古マンションの場合は売り手の希望と相場によって物件価格が決まるため、物件価格と資産価値がほぼ同じ。購入後の資産価値が下がりにくいため、購入後に大幅な値下げがされることもありません。
【デメリット1】保証期間が短い
中古マンションにおける主要構造部の保証期間は、売り主が個人の場合は2~3ヶ月程度。
新築の保証期間10年に比べると、かなり短く設定されています。中には保証なしのケースもあるため、注意が必要です。
購入後にこのままでは住めないような欠陥が見つかることのないように、事前にホームインスペクション(住宅診断)を利用するとよいでしょう。
また「住宅瑕疵担保責任保険」や大手不動産会社の保証サービスを利用すれば、万が一のケース時に安心です。
【デメリット2】共用部分を変えることができない
個人の所有する「専有部分」であればリフォームやリノベーションを行うことができますが、エントランス・共用廊下・階段など他の住民と共同で利用する場所に関しては、個人で手を加えることができません。
また専有部分と勘違いしてしまいがちなベランダ・窓のサッシ・玄関ドアも実は共用部分。勝手にデザインや仕様を変えることができないため、注意しましょう。
【デメリット3】新築に比べて耐震性が低い
築年数が浅めの中古マンションは耐震性に問題ないケースが多いですが、築年数が古い物件は要注意です。特に昭和56年(1981年)6月1日以前に建てられた物件は要注意です。
こうしたマンションには新しい耐震基準に合っていないため、耐震面に不安があります。
築年数を確認し、耐震性に不安がないかどうかをしっかり見極めましょう。また手入れがきちんと行われている中古マンションは、管理組合によってその都度補修・改修がされている証拠です。
見た目から受ける印象や仲介業者からの情報をもとに、安全なマンションかどうかチェックすることが大切です。気になる場合は、耐震診断を依頼するとよいでしょう。
中古マンションは「特定のエリア内で探したい」「とにかく立地条件のよいところがいい」など、エリアが限定されている場合や利便性を重視したい場合に適しているといえるでしょう。
また住居のデザインや設備、仕様にこだわりが強い方にもおすすめです。
■おわりに
いかがでしたか?新築マンションと中古マンションはどちらにもよい点と悪い点があり、一概にどちらがベストとは言い切れません。選ぶ際に大切なのは「求める条件にマッチしているのはどちらか」ということです。住まいに何を求めるのかを明確にすれば、おのずと答えが見えてくるでしょう。
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