賃貸vs持ち家どちらがお得?メリットとデメリットを徹底検証
住まいは生活の基盤ともいえる大切なもの。一昔前までは結婚してマイホームを手に入れるスタイルが主流となっていましたが、近年は持ち家を持たず、生涯賃貸で暮らすという家庭も増えてきています。
では賃貸と持ち家では、どちらがお得に住めるのでしょうか?それぞれの良い点と悪い点をしっかり比較して、賃貸にするか持ち家にするかの選択を慎重に行いたいですね。
果たしてどちらがよりお得なのか、さまざまな視点からチェックしてみましょう。
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■賃貸のメリット&デメリット
賃貸はトータル的に見て、持ち家よりも「高くつく」イメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?費用面はもちろん、生活面におけるメリットやデメリットも知っておきましょう。
【メリット1】家の維持費を積み立てる必要や手間がない
老朽化によって建物が傷み、改修工事が必要になった場合は、賃貸であればその費用は管理組合が負担します。
通常賃貸の場合は毎月「管理費」を支払っており、そのお金が使われることになります。管理費さえきちんと払っていれば、修繕のための維持費を自ら積み立てておく必要はありません。
またトイレが壊れたり、浴室の湯沸かし機能が作動しなくなったりなど、室内の設備に不具合が生じた場合には、管理組合が速やかに対応してくれます。
持ち家の場合は業者を自分で探してコンタクトを取り、修理依頼をしなければならず、何かと面倒です。
賃貸はそういった手間がなく、すべて任せられる点もメリットといえます。
【メリット2】家の住み替えがしやすい
住んでいる家に飽きたり、転勤で別の土地に移らなければならなくなったりすることもあるでしょう。
そんなときでも賃貸なら、いつでも住み替えが可能です。
もちろん住み替える場合はまた新たに敷金・礼金や仲介手数料、引っ越し費用がかかりますが、持ち家を売却して引っ越す手間や負担を考えると、賃貸の方がよりお手軽です。
ご近所トラブルがあり、住んでいる物件にいづらくなった場合も、賃貸なら悩む前に住み替えを検討できるといった気軽さがあります。
中には常に新しい物件を求めて幾度となく引っ越しを繰り返しているケースも多く見られます。同じ家に住み続けるよりも、常に変化を求めて生活することを望む方に賃貸は最適なのです。
【メリット3】初期費用を抑えられる
持ち家を手に入れるためには、購入時に多額の資金が必要となります。
物件購入価格はローンを組んで毎月返済していくスタイルが主流ですが、その他の諸費用はローンに含めることができず、まとまった金額を貯金から下ろさなければなりません。
しかし賃貸の場合は初期費用が少なくて済むため、貯金を大きく削る心配はないのです。
では実際に賃貸と持ち家では、初期費用にどのくらいの差が出るのでしょうか?仮に60平方メートルの住居に入居するケースで比較してみましょう。
持ち家として購入する場合、物件価格を30,000,000円とすると、そのうちの20%、つまり6,000,000円を頭金として支払う必要があります。
そこに印紙税、住宅ローン借入手数料のほか、不動産会社が仲介に入っている場合には仲介手数料なども支払わなければなりません。
これが物件価格の7%程度かかり、合わせて8,100,000円が初期費用としてかかる計算になります。
一方、賃貸として借りる場合の賃料を130,000円とすると、この額に礼金と仲介手数料を足した家賃3ヵ月分、つまり390,000円程度が初期費用としてかかります。(通常敷金もかかりますが、退去時に戻ってくることを想定してあらかじめ外して考えています。)
こうして比較してみると、初期費用に関しては賃貸の方が8,000,000円弱安くなることがわかります。
なるべくリーズナブルに住まいを手に入れることを重視するなら、断然賃貸がおすすめです。
【デメリット1】ずっと家賃を払い続ける必要がある
賃貸の場合は、住み続ける以上は家賃を払い続けなければなりません。
元気に働いている間は問題ないですが、定年後も同じように家賃や更新料、駐車場代を払う必要があります。
年金収入のみでこれらの費用を支払い続けることはかなりの負担です。生涯ずっと賃貸に住み続けると決めたら、老後の支払い用に貯金をしておくなど計画的に配慮することが求められるでしょう。
【デメリット2】防音性が低い物件が多い
一般的な賃貸物件は構造や設備の強度が低く、壁が薄いといった特徴があります。
そのため防音性が低く、上下や両隣の物音や話し声が気になりやすいです。もちろん自分の出す音や振動にも注意を払って生活する必要があります。
それゆえにピアノなどの楽器はNG、ペットNGなどの制限を設けているケースがほとんど。また小さい子供がいる家庭の場合は、子供の泣き声や足音などで周囲に迷惑をかけてしまう可能性を考慮しなければなりません。
防音性に関しては賃貸には期待できず、防音を重視するなら持ち家がおすすめといえるでしょう。
【デメリット3】リフォームなど改築を自由にできない
せっかくの自分の住まいですから、いろいろと手を加えて自分仕様の空間に生まれ変わらせたいですよね。
しかし賃貸の場合は自分の所有物ではなく、あくまでも「借りている」わけですから、間取り変更などの改築はもちろん、壁に穴を開けるといった行為もNGです。
もしも勝手に手を加えてしまった場合は、退去する際に多額の費用を支払って元に戻さなければならなくなる可能性も。
賃貸であることを常に念頭に置き、入居時のままの状態をなるべくキープすることが求められます。
■持ち家のメリット&デメリット
続いては持ち家のメリットとデメリットをご紹介します。前述した賃貸のメリットとデメリットと比較しながらチェックしていきましょう。
【メリット1】老後の住宅を確保できて安心
持ち家ならではのメリットが、老後安心できること。住宅ローンの支払い中は大変ですが、支払いが終われば、老後は経済的な負担がほとんどありません。
また「家」という大きな資産があることは大きな安心に繋がります。
さらに資産があることで、子や孫に財産として残せるといったメリットもあります。
特に一戸建ての場合はマンションに比べて資産価値が下がりにくいため、なるべく資産価値をキープして相続したい場合は、日頃からきちんと修繕しておくとよいでしょう。
【メリット2】社会的信用を得やすい
家を購入するとその家が担保となるため、社会的信用が高くなります。
例えば急にまとまったお金が必要になってお金を借りたい場合も、持ち家に住んでいれば賃貸の場合よりもスムーズに借り入れ手続きを行えます。
お金を借りる際以外にも、さまざまな契約時に有利です。
【メリット3】リフォームできる
家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、住まいの増改築ができる点も持ち家ならではの魅力。
集合住宅の場合は管理規約が絶対条件のため自由度を制限されてしまいがちですが、一戸建ての場合は希望に添ったリフォームを実現できます。
子供の成長に合わせて間取りを変更したり、バリアフリー仕様にしたり、持ち家ならより快適な住まいを目指すことができるでしょう。
好みに合わせてアレンジできることで、より楽しく有意義に生活できます。
【デメリット1】多額の初期費用が必要
「持ち家を購入した方が月々の家賃負担が少なくて済む」とよく耳にしますよね。確かに一生涯賃貸に住む場合と持ち家とでは、ローン返済に終わりがある持ち家の方がお得といわれています。
しかし持ち家購入時には非常に多額の資金が必要なため、大きなお金の準備が必要です。
先述したように、物件価格の20%程度の頭金、そして7~8%程度の諸費用(印紙税やローン融資手数料など)を支払わなければなりません。
ある程度貯蓄がなければ持ち家購入は難しく、賃貸のように気軽に手続きできるものではないといえるでしょう。
【デメリット2】簡単に住み替えができない
何らかの理由によって住み替えたい場合、持ち家だと賃貸のように気軽に行うことができません。
どうしても住み替えを希望する場合はその持ち家を売却しなければならず、場合によっては当初よりはるかに資産価値が下がっていて、かなり損をしてしまうケースも想定できます。
ただし期間限定の海外赴任などで再び戻ってくる場合は、その間持ち家を賃貸で貸して家賃収入を得るといった選択肢もあります。
売却する負担を考えると、安易に手放さない方がよいでしょう。
【デメリット3】維持費がかさむ
マンションの場合は毎月修繕積立金を支払う必要があり、共用部分の修繕の際にそのお金が使われます。
一戸建ての場合は月々の維持費はかからないものの、修繕が必要になるときのために自己管理で貯金をしておかなければなりません。
賃貸の場合は毎月支払う管理費の中に修繕のための資金が含まれており、その額は持ち家に比べてかなり良心的です。
管理費の相場は家賃の5~10%程度といわれていて、家賃100,000円の物件の場合の管理費は5,000~10,000円程度。
持ち家がマンションの場合は、管理費のほかに修繕積立金を支払わなければならず、この相場が20,000円程度ですから、賃貸の方が安く済むのは一目瞭然です。
月々の負担が多くなるのは、持ち家の場合は避けられないといえるでしょう。
■持ち家と賃貸、結局お得なのはどっち?
これまで持ち家と賃貸のメリット・デメリットを見てきましたが、こうして比較してみると「どちらが損でどちらが得」と一概に判断できないことがわかります。
費用面で考えると、一般的に毎月の家賃にかける費用は月収の25%以内が目安とされています。
家賃が25%以内の賃貸物件であれば、多額の住宅ローンを抱える持ち家に比べて一見楽に感じるかもしれません。
しかし問題は退職をし、年金収入のみの生活になったときです。家賃が年金収入の25%を超えてしまうと、一気に家計が圧迫され、それまでの生活水準を保つことができなくなります。
場合によっては家賃すら払えず、家を失って途方に暮れてしまうケースも考えられるでしょう。
もちろん貯蓄が潤っていればその心配はなく、老後は貯金を崩しながら賃貸に住み続けることも可能です。
ただ持ち家なら初期費用はかさむものの、ローン完済後には賃貸のような生活苦に陥る心配がありません。
つまり将来的な生活の安定を重視するなら、持ち家を選ぶ方がお得といえます。
ここで1つ注意したいのが、持ち家のローン返済後にどれだけ住み続けるかにもよるということ。
なぜならローンの完済によって経済的負担が一気に減るため、完済後にその家に長く住むほど持ち家の方がお得になっていくからです。
ただしローンを完済する頃には建物の老朽化がかなり進んでいる頃で、場合によっては大規模な補修工事が必要になる場合も。
そうなると多額の修繕費用がかかってしまい、ひとえに「長生きすれば持ち家の方が得」とも言い切れません。
費用面で損得を判断するよりも「賃貸と持ち家のどちらがライフスタイルに合っているか」を重視して選ぶとよいでしょう。
例えば転勤が多い方であれば、持ち家ではなく気軽に住み替えができる賃貸、老後はお金の心配をせずにのんびり生活したい方は、若いうちにたくさん働いてコツコツとローン返済をしていく持ち家…というように、自分や家族のスタイルにマッチするかどうかを考えましょう。
最近では若いうちに持ち家を購入し、なるべく早いローン完済を目指すケースが多いようです。確かに将来的には楽ですが、家の良し悪しを分別できるようになるまでは賃貸暮らしをおすすめします。
例えば方角による遮光性の違いや必要な設備環境など、実際に生活してみないとわからないことがたくさんあるからです。
その分別ができずに勢いで持ち家を購入してしまうと、あとあと「リビングは別の方角がよかった」「この設備は必要なかった」と後悔することになりかねません。
いずれ持ち家購入を考えている場合は、まずは賃貸生活によって住まいに求める条件を吟味し、その上で持ち家購入に踏み切るとよいでしょう。
持ち家は一度購入したらそう簡単には住み替えることができません。慎重に物件選びを行いましょう。
■おわりに
いかがでしたか?家族構成やライフスタイルの変化に合わせて柔軟に住まいを変えたい場合は賃貸を、家族が一生住めて財産となる住まいを手に入れたい場合は持ち家を選ぶのがベストです。ただし一口に持ち家といっても価格や条件はさまざま。まずは一括見積もりを活用して、希望条件に合う物件をチェックしてみましょう。たくさんの物件に触れることで、どんな住まいが適しているかが自然と見えてくるはずです。
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