クワズイモの育て方〜肌がかぶれることもある?注意点も紹介〜

大きい葉っぱがおしゃれなクワズイモ。冬の寒さに強く、初心者でも育てやすくプレゼントにもぴったりの観葉植物です。今回はそんなクワズイモの育て方や植え替え、肌がかぶれてしまったり根が腐ってしまったりと育てる上での注意点もあわせて解説します!

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クワズイモってどんな観葉植物?種類は?

クワズイモはアロカシア属の植物。その名前に「イモ」とありますが、サトイモなどとは違って実際にイモができるわけではありません。成長が早いクワズイモは「出世芋」とも呼ばれ、縁起がよいということで、開店祝いや事務所開きのギフトとして贈られることも多いようです。

ワイルドな雰囲気をもった「インドクワズイモ」や、ちょっと小ぶりな「シマクワズイモ」もよく出回っていますが、すべてクワズイモとして売られている場合もあります。

もともとは熱帯アジアや太平洋諸島が原産地で、高温多湿な環境を好むクワズイモ。蒸し暑い日本にぴったりの植物ですが、サイズが大きくなるほど寒さに敏感になるので、冬越しにはやや注意が必要です。

クワズイモを選ぶときのポイント

クワズイモを丈夫に美しく育てるためには、選び方も重要なポイント。以下のことに注意して選びましょう。

➢ 根茎がしっかりしていて傷がない
根元がグラグラするようなものや、頼りない印象のものはNGです。力強く根をはり、鉢底に根先が見えているものを選ぶことが大切。

➢ 葉が健康なもの
葉がみずみずしくフレッシュで、ハリ・ツヤがあるものを選びましょう。緑が濃く、厚みのあるものがいいですね。斑が入っているタイプは、それぞれに違った表情を見せるので、斑の入り方や美しさも選ぶポイントになるでしょう。
葉を裏返して、病害虫がついていないかチェックすることもお忘れなく。

➢ 鉢とのバランス
クワズイモの葉は大きいので、鉢が小さいと倒れてしまう可能性も。鉢植えのものを購入する場合は、鉢とのバランスもチェックしましょう。

大型のクワズイモの場合、かなりのスペースを必要とするので、あらかじめ置き場所を考えたうえで選びたいところ。成長が早いのもクワズイモの特徴のひとつです。植え替えて大きく育てたいのなら、小さくても根茎がしっかりしていて、葉にハリのあるものを選びましょう。

家に持ち帰ってから元気がなくなることも……

しっかり選んで元気なクワズイモを購入したはずなのに、家に持ち帰ってしばらくするとなんだか元気がなくなってしまった……そんなときは、ちょっと様子をみてみましょう。

植物も人間と同じように、環境にうまく対応するまでに時間がかかることがあります。あわてて置き場所を変えてみたり水をやったりすると、かえって状態が悪くなってしまうことも。

新しい環境に慣れるのには少し時間がかかることを頭の片隅に入れておくと、余裕をもって対応できるでしょう。購入したときの状態がよければ、きっとその変化は一時的なものです。徐々に回復していきますので、しばらく見守りましょう。

クワズイモの上手な育て方

はじめてでも比較的育てやすいクワズイモですが、美しい状態を長く保つためには、育てるうえで注意したい点がいくつかあります。ポイントは、「暗すぎず、寒すぎず、蒸れすぎず」を守ること。

水やりのタイミング

クワズイモは、水をやりすぎないことが肝心。排水がうまくできなかったり、風通しが悪くなったりすると根腐れを起こしてしまいます。根の部分は乾燥ぎみなくらいがちょうどいいでしょう。春から秋にかけての成長期は、土の表面がしっかり乾いてから水やりを。鉢の底から水がしみ出すくらいまでたっぷり与えます。

冬のあいだは、水やりをできるだけ控えて根を乾燥させて、根腐れを防ぎましょう。水やりの頻度は4~5日に1回程度でOKです。気温が低いときに水をやりすぎると根が腐ってしまうことがあるので、温度の高い日中にするといいですね。

水のやり過ぎは要注意ですが、クワズイモは高湿度を好む植物です。一年を通して、霧吹きなどで葉水をこまめに与えましょう。水やりをした翌日に葉先から水が出るので、タオルや受け皿を葉先の下に置いておくと安心です。

肥料はいつ与えればいい?

生育期の春から秋に、10日~2週間に1回のペースで液体肥料を与えます。新しい芽が出ると、そちらに栄養がいって葉が枯れてしまうことがあるので、成長の様子をみながら肥料や水分を調整しましょう。

肥料を与えると当然ながら成長が促されます。あまり大きくしたくない場合は控えめにするといいですね。

日当たりは?日陰でも大丈夫?

クワズイモを育てるうえで気をつけたいのが、日当たりのこと。基本的には明るい場所を好みますが、夏の直射日光はとても苦手です。葉が焼けてしまうので、暗すぎない明るい日陰で管理しましょう。レースのカーテン越しなら、適度な明るさが確保できておすすめです。

日陰でも育ちますが、暗すぎると茎だけが伸びてバランスが悪くなってしまいます。新しい芽が出てこないこともあるので、日照不足には注意したいところ。

南国風の見た目どおり、冬の寒さに弱く、管理が悪いと葉が傷んでしまうことがあります。気温が5度までなら屋外でも冬越しできるといわれていますが、インドクワズイモは寒さに弱いので室内での育成が基本となっていることから、品種に合わせて冬の栽培方法を変えましょう。

根詰まりを起こしてしまったら?

育てているうちに、なんだか葉が小さくなってきたと感じることがあるかもしれません。クワズイモの葉が小さくなってしまうと、茎が目立ちすぎてなんだかアンバランスな印象になってしまいます。葉が小さくなる原因はいろいろですが、そのひとつに「根詰まり」が考えられます。

クワズイモは成長が早く、鉢のなかでどんどん根が成長していきます。自分で空いているスペースを見つけて上手に伸びてくれればいいのですが、こちらの思いどおりにはいきません。根は外へ外へと伸び、鉢のなかでギュウギュウに詰め込まれた状態になってしまいます。そうなると、根が傷んで新しい根が伸びなくなってしまうのです。

葉が小さくなること以外にも、次のような様子がみられたら根詰まりのサイン。

➢ 鉢の穴から根が出てきた。
➢ 水をやってもうまく土にしみ込まない。
➢ 新しい芽が出なくなり、成長が遅くなった。
➢ 下葉が枯れてきた。
➢ 葉に元気がなく、ツヤがない。

そのまま放っておくと枯れたり病気になったりするので、なるべく早めの植え替えを考えましょう。

クワズイモの植え替えはどうすればいい?

植え替えのベストタイミングは5月~6月。2年に1回を目安にするといいですね。ただし、根詰まりを起こしている場合は、5月~8月に植え替えてもOK。もし株が複数に分かれていて、大きさを変えずに育てたい場合は、株分けを考えましょう。

まず、園芸用のハサミを使って株を切り分け、それぞれの株にある下葉や古くなった根を切り取ってスッキリさせます。いままでの古い土は捨てて、新しく観葉植物用の土を鉢の5分の1くらいの深さまで入れてからクワズイモを入れ、その上に土を入れて、クワズイモをしっかり固定させましょう。

もし大きく育てたい場合は、ひと回り大きいサイズの鉢に植え替えます。以前の鉢から抜いた状態のまま新しい鉢に入れるのではなく、古い土を少し落として、傷んでいる根があったらハサミでカットしてください。どちらの場合も、前日の水やりを控えておくと作業をスムーズに進められます。植え替えた後はたっぷりの水を与えて、風通しのよい明るい日陰で管理してくださいね。

クワズイモの根が腐ってきた!対処法は?

水を与えすぎて土の湿度が高い状態が続くと、根の部分が腐ってしまうことがあります。もしそうなっても、あわてずに。腐った部分を切り取って癒合剤を塗りましょう。

もし根だけでなく株も腐っている場合は、上部の元気なところを残してバッサリ切り取り、癒合剤でケアします。クワズイモは、茎があれば発芽も発根も可能な植物。乾いてから、挿し木用の土に挿して管理してください。3週間くらい経つと発根が始まります。様子をみながら少しずつ日に当てて、1か月半くらい経ってから観葉植物用の土に植え替えましょう。新しい芽が生えて回復するはずです。

バランスが悪くなったら剪定を

葉が育ちすぎたり傷んだりしている場合は、剪定して形をきれいに整えましょう。枯れた葉や傷んだ葉があれば、思いきって根元からカットします。切り口に殺菌剤をつけておけば、病気予防になるのでおすすめです。

クワズイモの樹液でかぶれてしまうことも!

植え替えや剪定をするときに気をつけたいのが、クワズイモの樹液。「食わずイモ」という名前からもわかるように、クワズイモには毒性があります。樹液には「シュウ酸」が含まれているため、肌が敏感な人はかぶれてしまうのです。

万一クワズイモを口に入れてしまうと、中毒症状が現れます。作業をするときには必ずゴム手袋を着用して、作業が終わったらしっかり手を洗いましょう。

クワズイモに花が咲くってホント?

グリーンの印象が強いクワズイモですが、花が咲くこともあります。サトイモ科独特の仏炎苞(ぶつえんほう)で、中央にある黄色いトウモロコシのような肉穂花序(にくすいかじょ)がとても可憐な印象です。同じサトイモ科の仏炎苞だと、アンスリウムや水芭蕉がよく知られていますね。

花の種を取って育てることもできますが、実際にクワズイモの花が咲くのはなかなか珍しいことのようです。そのまま花を咲かせていると株の栄養を奪われてしまうので、種を採取しないのなら、ある程度楽しんだ後で花を切り取りましょう。

クワズイモに病害虫はつく?予防する方法は?

クワズイモは「食べられないイモ」だけに、比較的病害虫がつきにくい植物ですが、春から秋にかけての生育期はやはり注意したいところ。特に多いのが「ハダニ」や「カイガラムシ」です。

ハダニを見つけたら殺ダニ剤や牛乳スプレー(牛乳:水=1:1)で退治しましょう。牛乳スプレーはハダニを窒息させることができますが、スプレーした牛乳が腐ってしまうので、乾いた後はしっかり水で流すこと。ニオイが気になる場合、夏場の使用はあまりおすすめできません。

カイガラムシは、そのまま放置すると「スス病」を引き起こしてしまうことがあり、注意が必要です。スス病になると、ススのような黒カビが発生して光不足になり、育たなくなってしまいます。カイガラムシを発見したら、いらなくなった歯ブラシでこすって落としましょう。病害虫を防ぐためには葉水が欠かせません。こまめな葉水で葉の乾燥を防いで、クワズイモを守りましょう。

まとめ

クワズイモの花言葉は「復縁」「仲直り」。大きなハート型の葉がその由来だといわれています。クワズイモと一口にいっても、手のひらサイズの小さなものから天井に届くほど大型のものまで、サイズや形によってずいぶん印象が変わります。

上手に育てれば株分けで増やすことも可能。すくすくと成長する姿をぜひ楽しんでくださいね♪

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