初心者にも育てやすい!観葉植物「ポトス」の育て方、増やし方

観葉植物の代表選手として高い知名度を誇る「ポトス」は、育てやすいことから初めて観葉植物を育てるという人にもおすすめ。小さな鉢で育てることもでき、美しい葉がエギゾチックな印象を与えてくれます。観葉植物としては比較的古くから国内でも人気を得てきた「ポトス」について、普段の水やりや株分け、挿し木での増やし方、ハイドロカルチャーの方法までまとめてみました。

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【目次】
・観葉植物初心者にもおすすめの「ポトス」とは?
・「ポトス」にはどんな品種があるの?
・「ゴールデンポトス」
・「ライム」
・「マーブル・クイーン」
・「エンジョイ」
・「ハワイアン」
・多年草で常緑性「ポトス」の育て方は?
・「ポトス」の置き場所
・「ポトス」の水やり
・「ポトス」の肥料
・「ポトス」を楽しむ飾り方あれこれ
・縦に伸ばす「ポトス」の飾り方
・横に伸ばす「ポトス」の飾り方
・下に伸ばす「ポトス」の飾り方
・「ポトス」のハイドロカイルチャー(水耕栽培)
・株分けは水挿し?「ポトス」の増やし方
・株分けで「ポトス」を増やす
・挿し木で「ポトス」を増やす
・水挿しで「ポトス」を増やす
・根が腐る、葉が変色「ポトス」栽培のトラブル
・「ポトス」の葉が黄色く枯れる
・「ポトス」の葉に茶色い穴が開く
・「ポトス」の根が黒く腐る
・「ポトス」の根が張っている
・まとめ

観葉植物初心者にもおすすめの「ポトス」とは?

東南アジア、ソロモン諸島などが原産とされるつる性の着生植物である「ポトス」。美しいグリーンを一年中楽しむことができる、常緑多年草です。旧属名の「ポトス」と一般に呼ばれてはいますが、実は現在属しているのは「エピプレムヌム属」。国内では「オウゴンカズラ」とも呼ばれ、古くから親しまれてきました。

一般に観賞用として流通しているのは幼葉で、卵状楕円形の葉を持っています。自生している熱帯地方では、ほかの木に巻きついて(着生)大きく成長し、長さ数十メートルまで伸びることも。葉も1メートルを超える大きさなり、以下のモンステラのような切り込みが入るようになります。

「ポトス」には園芸用に改良されたさまざまな品種があり、卓上サイズのミニ観葉としての育て方から、大鉢に支柱を立てて上に伸ばす育て方、室内の棚などにつるを這わせる育て方など、幅広いスタイルが楽しめます。また、低温や乾燥にも比較的強く、初心者でも育てやすいことから、観葉植物の入門として人気を集めています。

「ポトス」にはどんな品種があるの?

「ポトス」といえば、卵型で光沢のある緑色の葉に、黄色の斑(ふ)が不規則に入ったものが一般的です。しかし、近年では品種改良が進み、さまざまな新品種が登場しています。その数およそ50品種といわれ、現在でも世界各国で新品種への改良が行われています。

品種の違いはおもに葉の大きさや形、色などに表れますが、成長の速さや寒さ、乾燥などへの耐性などにも違いがあることも。品種によって育てやすさも異なる場合があるので、気をつけましょう。以下に、数ある「ポトス」のなかから、人気の品種をご紹介します。

「ゴールデンポトス」

一般に「ポトス」として園芸店やホームセンターなどで広く流通している品種です。鮮やかなグリーンの葉に黄色の斑が入ります。寒さや乾燥にも強く、丈夫で育てやすいのが特徴です。

「ライム」

「ゴールデンポトス」より全体にワントーン明るめ、ライム色の葉を持つ品種です。葉全体が黄緑色から淡黄色で、斑はありません。日光を浴びるにつれて葉の黄みが増し、逆に暗い場所で育てると緑色の強い葉色に育ちます。

「マーブル・クイーン」

白色またはクリーム色の葉に緑色の斑が入った品種です。「クイーン=女王」の名を持つ通り、「ポトス」としては他の品種に比べて清楚で可憐な印象があり、シックで落ち着いたインテリアによく似合います。「ゴールデンポトス」よりやや成長が遅く、寒さに弱い性質です。根腐れしやすいので、水やりには少し注意が必要ですので、後述する水やりの方法をしっかりと読んで下さい。

「エンジョイ」

コンパクトな緑色の葉に淡黄色の斑が大きく、くっきり刻まれた品種です。近年、インドで「マーブル・クイーン」の枝変わりから作られました。全体にスタイリッシュな印象で、モダンな室内に映えます。丈夫で育てやすく、成長が遅いため姿も乱れにくいと、ポトス初心者に人気急上昇中の品種です。

「ハワイアン」

明るい緑色の葉に乳白色の砂子斑が入った品種です。数ある「ポトス」の品種の中でも、最も新しく誕生した品種となっています。

ひと口に「ポトス」といっても、品種によってその姿はさまざま。空間によって似合うポトスも変わってきます。また、見た目の印象はもちろん、品種によって育てやすさにも違いがあります。さまざまな観点から、ベストな品種を選び出してください。

多年草で常緑性「ポトス」の育て方は?

熱帯生まれの「ポトス」は、暑さに強く寒さに弱い性質を持つ観葉植物なので、初心者でも楽しみながら育てることができます。しかし、これからご紹介する「置き場所」「水やり」「肥料」など、いくつかのポイントに最低限気をつけましょう。

「ポトス」の置き場所

「ポトス」は日光が不足すると斑がぼんやりと不鮮明になってしまいます。日陰でも十分育ちますが、適度に日光を浴びられる場所で育てるのが適切です。

特に成育期である春(4〜6月)と秋(9月)は明るい戸外や室内の窓辺など、日当たりの良い場所に置くようにしましょう。日差しの厳しい盛夏(8月)には、半日陰に入れて調節します。外気温が下がる冬場(10〜3月)には、外で育てている「ポトス」も室内に取り込みます。

室内でも日当たりが良く、温度が10度を下回らない場所を選んで置き、ガラス越しの日光を十分に浴びさせて冬越しさせましょう。

「ポトス」の水やり

「ポトス」は多湿を好む植物です。一年を通して土が乾燥しないよう随時水やりを行います。室内で育てる場合は、室内の最低気温が25度を超える夏場はほぼ毎日、室内の最低気温が15度くらいになる春や秋は鉢土の表面をチェックして、白く乾いているようならたっぷりと水を与えます。少し乾かし気味に管理したい冬場には、鉢土が完全に乾くまで水を与えません。冬場の水やりはおよそ1週間から10日に1度のペースでOK。

いずれの季節も水やりをする際には鉢の下に受け皿を置いて、鉢土が全体的に湿り気をおび、鉢底から水が滴るまでたっぷりと水を与えます。その後、土に水が染み込むまで10分ほど待ち、受け皿に溜まった余分な水は捨てておきましょう。そのままにしておくと、根腐れしてしまうので注意が必要です。

特に乾燥が厳しくなる夏場を中心に、霧吹きで葉に水を与える「葉水」も施します。「葉水」には防虫効果や葉についたホコリを落とす効果があり、色つやの良い美しい葉を楽しむことができます。夏場、「葉水」を行う際には、必ず夕方の時間帯に。朝や昼に行うと、高温により葉が蒸れて傷んでしまいます。

「ポトス」の肥料

基本的には春から秋にかけての成育期に、2ヶ月に1度のペースで緩効性化成肥料か油かすの置き肥えを施します。新しく展開した葉のサイズが小さくなってきたら、肥料を施すべきサインです。

「ポトス」を楽しむ飾り方あれこれ

鮮やかな緑色の葉とつるがぐんぐん伸びる「ポトス」は、さまざまな飾り方が楽しめるのも魅力です。縦に伸ばしたり、つるを垂らしたり、またつるを這わせたりと、飾り方によって多彩な表情を味わえます。ここでは、「ポトス」の飾り方バリエーションと、ポトスを飾って良い場所、いけない場所などをご紹介します。

縦に伸ばす「ポトス」の飾り方

大鉢に植えた「ポトス」の根元に支柱やポールを立て、つるを上に伸ばしながら育てます。縦に伸びたつるや葉を踏んでしまう必要がなく、家具のすき間や壁際などに「ポトス」を置きたい場合に向いています。この育て方では「ポトス」が驚くほど大きく、高く育つケースも。熱帯のジャングルでのびのびと育っている時と同じ状態なので、「ポトス」本来の姿を楽しむことができるのです。

横に伸ばす「ポトス」の飾り方

「ポトス」の鉢を棚やカウンターなどの上に置き、つると葉を横方向に伸ばして育てることもできます。日々、ぐんぐん伸びる「ポトス」のつるが描く曲線は、インテリアのアクセントとなります。

下に伸ばす「ポトス」の飾り方

「ポトス」はつるを下方向に伸ばして育てるのも素敵です。チェストやテレビの上など、お部屋の高い位置に「ポトス」の鉢を置き、そのままつるを垂らして飾ります。吊り下げられる鉢カバーを用意して、壁や天井に「ポトス」をかけて飾る「ハンギング」という方法でも、垂れ下がるつるの表情を楽しめます。水やりなどの手入れを少し面倒に感じることもあるかもしれませんが、空間に奥行きが出て、「ポトス」らしさを味わえる飾り方です。

「ポトス」のハイドロカイルチャー(水耕栽培)

「ポトス」は「ハイドロカルチャー(水耕栽培)」と呼ばれる方法でも育てることが可能です。土の代わりに、高温で素焼きした粘土「ハイドロボール」や「レカトン」、「セラミス」、「ネオコール」などの植え込み材を使用します。

「ハイドロカルチャー」では土を使わないので虫がつきにくく、吸水性の高い素材を使うことで水やり回数も抑えることができます。清潔なのでテーブルの上などでも気軽に楽しむことができます。透明な樹脂やガラス製の鉢にカラフルな植え込み材を入れて「ポトス」を育てれば、存在感のある素敵なインテリアオブジェにもなります。

株分けは水挿し?「ポトス」の増やし方

長く「ポトス」を育てていると、植え込んだ鉢のサイズを超えて大きく成長することはよくあります。ひとまわり大きいサイズの鉢に植え替えてさらに大きく育てるのも良いですが、大きく育った「ポトス」は「分けて増やす」という方法もあります。根が育ちやすい「ポトス」は、比較的手軽に増やすことが可能。「ポトス」を増やすための、一般的な3つの方法をご紹介します。

株分けで「ポトス」を増やす

「株分け」は、「ポトス」を植え替えるタイミングで行うのが効率的です。成長の早いポトスでは2〜3年に1度、鉢から取り出してひとまわり大きい鉢に植え替えます。その際に根の部分を分割して別の鉢に植えつけます。これ以上株を大きくしたくない時などにおすすめの方法です。植え替えも「株分け」も、5〜8月の生育期に行うのが基本です。

挿し木で「ポトス」を増やす

根元に近い部分のつるを5〜15cm切った「挿し穂」を土に挿して増やす「挿し木」でも、「ポトス」を増やすことができます。つるを切る際には、必ずぷっくりと膨らんだ節の部分をひとつ以上残して切るようにしましょう。培養土に挿して適度に水やりをすれば、1〜2ヶ月で十分な大きさの株に育ちます。直射日光は避けて、やわらかな日差しが差し込む場所に置きましょう。「挿し木」に適しているのは5〜7月ですが、暖かい地域では9月上旬ごろまで可能なこともあります。

水挿しで「ポトス」を増やす

「ポトス」を増やす方法のうち、もっとも手軽にできるのが「水挿し」です。伸びてきたつるを切り戻し、水に挿しておくだけで比較的簡単に発根します。「挿し木」と同様、つるは節を残して切るようにします。水が汚れるとつるが腐ってしまうので、2〜3日に1回は水を替えましょう。「水挿し」に適している時期は5〜7月ですが、発根したら10〜11月ごろに気温が下がる前に土に植え替えてやりましょう。

根が腐る、葉が変色「ポトス」栽培のトラブル

丈夫で育ちやすく、害虫などにも比較的強い「ポトス」ですが、栽培していると葉が枯れたり、根が腐ったりといったトラブルが起こることもあります。「ポトス」栽培時に起こりがちなトラブルの原因と対処法をご紹介します。

「ポトス」の葉が黄色く枯れる

「ポトス」の葉が黄色く変色し、ポロポロと落ちてしまうことがあります。これは、水切れ・根腐れ・根詰まり・病気・害虫など、さまざまな原因が疑われる症状です。「ポトス」の様子をよく観察して、原因を取り除くようにしましょう。

カイガラムシやハダニなどの害虫が発生していればアクテリックスやスミチオンなどの殺虫剤で防除、水切れのようなら十分に水やりを施します。気をつけたいのが根腐れや根詰まりで根から適度な水分を吸い上げられず、水切れを起こしている状態。2〜3年同じ鉢で育てている場合は、鉢の中で根がパンパンになってしまっていることもよくあります。土の中の状態もよくチェックしましょう。

「ポトス」の葉に茶色い穴が開く

「ポトス」の葉に茶色の穴が開くようなら、直射日光による「葉焼け」を起こしていると考えられます。「ポトス」は日光不足では元気に育ちませんが、強すぎる日差しもまたトラブルの元となってしまうのです。窓辺に置く際にはカーテンなどで光量を調整するようにしましょう。

「ポトス」の根が黒く腐る

「ポトス」は多湿を好む植物ですが、水を与えすぎると根が黒く腐る「根腐れ」を起こしてしまいます。土の状態をよく観察して、「乾いたら水やり」の鉄則を守りましょう。また、受け皿に水を溜めたまま放置することも厳禁です。

「ポトス」の根が張っている

根が強く、成長も早い「ポトス」は、購入後2〜3年も経つと購入時の鉢の内部はびっしりと根が張った状態になります。根が張りすぎると水分や酸素を充分に取り入れることができず、葉が変色したり、しおれたりすることも。2〜3年に1度は土の中の様子もチェックして、必要に応じてひとまわり大きな鉢への植え替えを行いましょう。

まとめ

大ぶりの葉とぐんぐん伸びるつるが、スタイリッシュなお部屋によく似合う「ポトス」。育て方さえ間違えなければ、栽培初心者でも長く付き合える観葉植物です。ポイントをおさえて、あなたの部屋にもぜひ「ポトス」を迎え入れてみてください。

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