【専門家監修】地震保険の契約期間について!地震保険だけ解約することはできる?
もしも地震の被害に遭ったときに、あなたの生活をサポートしてくれる地震保険。これから物件を購入したり借りたりする方は、火災保険と一緒に地震保険への加入も検討しているかもしれません。火災保険のオプションとして加入できる地震保険ですが、その契約期間はどれくらいでしょうか?また、火災保険だけ、もしくは地震保険だけを解約することは可能なのでしょうか? 火災保険と地震保険の関係や、契約期間について解説していきます。
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地震保険の基本ルール
地震保険は、地震・噴火・それによって起こった津波を原因とする、火災・損壊・埋没・流失の損害を補償する、災害専用の保険のことです。
地震保険に加入するには、火災保険にオプションとしてつけることが普通です。基本的には地震保険単独の契約をすることはできません。地震保険は、火災保険と密接に関係している保険ということです。
地震保険の特徴は、運営を主導しているのが「国」である点です。そのため、保険会社による補償の差や金額の違いは特になく、どの会社から加入しても同じ補償内容になっています。
最近は、地震保険単独で契約できる保険も販売されるようになりました。まだ認知度は低いですが、従来の地震保険をさらに手厚くしたいという人が加入する傾向があります。
火災保険に加入するのはすでに当たり前になっていますが、火災保険では地震や噴火などが原因で起こる火災や損壊などは、補償の対象外になっています。そのため、災害による被害が気になる方は地震保険に加入したほうが安心です。
地震保険の契約期間とは
地震保険の契約期間は、最長で5年間です。契約年数の設定は火災保険の契約年数によって変わります。
【地震保険の契約期間】
●火災保険が年払い契約:1年契約(自動更新)
●火災保険が一括払い(2年〜5年契約):1年契約(自動更新)、もしくは2年〜5年契約
●火災保険が一括払い(5年超の契約):1年契約(自動更新)、もしくは5年契約(自動更新)
このように、地震保険の契約期間は長くても5年ごとに更新するように設定されています。なお、火災保険の満期が来たら、地震保険も契約終了となります。
地震保険は期間内でも解約できるのか
地震保険は、契約期間内でも中途解約することが可能です。もし中途解約する場合は日割り計算ではなく、保険会社が定める所定の係数によって計算され、保険料が返金されます。
なお、火災保険の契約期間の途中から地震保険に加入することも可能です。例えば、5年間の火災保険に加入していて、1年経過後に地震保険に加入した場合、地震保険は4年分の保険料を支払うことになります。
火災保険と地震保険、どちらかのみ解約できるの
地震保険に中途加入、中途解約できることはわかりましたが、火災保険と地震保険のどちらかのみを解約することは可能なのでしょうか?
結論から言うと、火災保険を中途解約した場合は地震保険も自動的に解約となり、地震保険を中途解約した場合は、火災保険の契約のみ残すことができます。
なぜかというと、火災保険は「主契約」、地震保険は「特約」に当たるからです。
特約というものは主契約があることが前提なので、主契約が解約されてしまったときは、特約も自動的に解約になります。一方で、特約だけを中途加入・中途解約することは自由に行えます。
よって、火災保険のみを解約し地震保険を残すことはできませんが、地震保険のみを解約することは可能です。
地震保険を期間の途中に解約!地震保険料控除はどうなる?
地震保険には、年末調整や確定申告時に申請をすることで、所得税や住民税を軽減できる「地震保険料控除」という制度があります。課税所得から年間5万円までの保険料を控除できるようになるものです。
もし地震保険を中途解約した場合は、実際に支払いが発生した年までは控除を受けることが可能です。
例えば、年間3万円の地震保険に加入していて、その年に中途解約し、解約返戻金が2万円戻ってきた場合、実際に負担した金額は1万円です。この1万円が控除の対象になります。もし解約返戻金がなければ控除額に変更はありません。
地震保険料控除を申請する際は、保険会社から発行された「地震保険料控除証明書」を年末調整などに添付する必要があります。中途解約した場合は、そこに記載されている金額と実際の負担額が異なることがありますので、提出前によくチェックしましょう。不明点があれば、保険会社に確認してください。
地震保険に加入した方がいい人、必要ない人とは?
地震保険は中途加入・解約が可能なため、すでに火災保険に加入している人は、今からでも地震保険加入を検討することができます。地震保険に加入した方がいい人、対して、加入する必要がなさそうな人は、どういった人なのでしょうか?
地震保険に加入した方がいい人
住宅ローンの支払いが多く残っている人や、預貯金が少ない人は地震保険加入を検討した方がいいと思います。
地震に遭ったとき、もし住宅が潰れてしまったとしても、住宅ローンの支払いはなくなりません。もし支払えない場合は、支払い額の減額や返済期間の延長を銀行にお願いすることになります。それでも払えなかった場合は任意整理や自己破産をする必要があり、自分の信用状態がとても悪くなってしまいます。
また、預貯金が少ない人も、地震によって被害を受けたときに、物件を修理したり住み替えたりするお金が工面できない可能性があります。
このような事態を防ぐために地震保険に入っておいた方が安心でしょう。
地震保険が必要なさそうな人
耐震対策が十分に施されている新築マンションなどにお住まいの方や、地震の少ない地域に住んでいる方は、地震保険はあまり必要ないかもしれません。どちらも、地震によって被害を受けにくいからです。
ただ、耐震対策が十分な物件は地震保険料の割引制度があり、地震の少ない地域は元々保険料が安く設定されているので、資金に余裕があれば、念のために加入しておいてもいいでしょう。
地震保険の契約期間は火災保険による
地震保険は火災保険と密接な関係があり、契約期間も火災保険によることがわかりました。地震保険は特約のため、中途加入・解約できる自由度の高さは大きなメリットです。あなたの状況に合わせて、地震保険の加入・解約を検討してみてください。
このアイデアの監修者
金指 歩
法学部政治学科出身・元信託銀行勤務のフリーライター・ブックライター。神奈川県出身。FP3級を大学在学時に取得。金融系全般、女性のライフスタイルをテーマとした記事を中心に執筆している。
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