医療保険は盲腸で入院をした場合にどんな保障をしてくれる?
日々の生活で、手術をするような病気にはかかることはなかなかないですよね。盲腸になって初めて手術を受け、医療保険のお世話になるという方もいるのではないでしょうか。そんなとき、民間医療保険は病気やけがの治療を目的とした入院・手術について、保険金を給付し保障をしてくれます。今回は、医療保険の適用数が多い盲腸の治療と医療保険というテーマについてお話します。
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盲腸になるとどのくらい治療費がかかる?
医療保険のことを考える前に、まず盲腸になってしまった場合にどのくらい治療費がかかるのかを見ていきましょう。
盲腸の治療方法には、開腹手術と腹腔鏡手術があります。入院期間は腹腔鏡手術が5日程度、開腹手術が7~10日程度とされています。ベッド代や入院費は病院によって変わるので厳密な値は出せませんが、ここでは開腹手術を受け、7日間入院したと想定します。
まず手術費用ですが、これは腹膜炎を発症しているかどうかで料金が変わってきます。盲腸とは、虫垂という大腸にくっついた紐のような形の場所が細菌に感染することによって起こる病気です。腹膜炎は盲腸が進行し、盲腸から腹部全体に炎症が広がって発生する症状です。盲腸よりも治療は大がかりになるので、当然治療費にも差が出てきます。
3割負担での手術料金は、腹膜炎なしの場合10万8千円、腹膜炎ありで18万6千円です。腹膜炎の状態によっては28万円ほどになることもあります。実際の治療費は、これに入院料金を合わせた金額になります。まれに合併症が発生したり手術中に不測の事態が発生したりすると、これ以上の金額になる可能性もありますが、基本的には10万~20万円の範囲であると考えていいでしょう。
盲腸になった場合、医療保険はどのくらい保障してくれるのか
盲腸の治療をした場合、上記で概算した治療費に医療保険を使用するとどのくらい戻ってくるのでしょうか。なお、今回は民間の医療保険について考えていきます。
医療保険では、病気の場合には8日以上の継続入院をした場合、1日目から給付金を受け取ることができます。上記の場合は7日間の入院だったので、基本的に医療保険の入院給付金は出ないということになります。
ただし、生命保険の医療特約であれば、5日以上の継続入院で給付金を受け取ることができます。その場合は5日目から受け取ることができるため、もらえるのは3日分の給付金になります。
入院給付金の額は、契約時に1日あたりに受け取れる額を決めており、人によって違います。この金額は、契約で決めた金額×給付対象の日数です。例えば1日1万円の契約で、対象の入院日が4日あった場合には、4万円が入院給付金として受け取れます。
また、医療保険では手術給付金を受け取ることができます。手術給付金は、手術をした場合に、契約の際に各自設定した入院日額の何十倍かを受け取れるというものです。例えば入院日額が1万円だとすれば、10倍の契約であれば10万円、40倍の契約であれば40万円が給付金としてもらえます。契約や保険会社によってその額はまちまちなので、約款をよく読んで、自分の契約内容をしっかりと把握しておきましょう。
公的医療保険を利用した場合、治療費は3割負担で10万円〜20万円が必要になります。例えば入院日額給付を1万円と設定し、手術給付金が入院日額の20倍以上であれば、手術給付金と公的医療保険を組み合わせることによって、盲腸の治療費は工面できます。後から自己負担限度額を超えたぶんについては、高額療養費制度の申請をすることで返ってきます。
このように、民間医療保険のプランにもよりますが、公的医療保険と組み合われば余裕をもって治療費を賄うことが可能だと言えます。
子供は盲腸に備えて医療保険に加入させるべき?
ここまでは、盲腸の治療にどのくらいの費用がかかり、医療保険でどのくらい保障をしてくれるのかについてご説明しました。とは言っても、盲腸になりやすいのは大人よりも子供です。続いては、子供を医療保険加入させるべきかどうかについて考えていきます。
まず、自治体によっては未成年の医療費助成制度を設定していることがあるので、お住まいの市区町村に医療費の助成制度があるかという確認をしてください。医療費の助成制度がある場合には、医療保険に加入させるとかえって損をしてしまう可能性があります。反対に医療費助成制度がない場合には、子供を医療保険に加入させておくといざという時に安心です。
盲腸に備え、医療保険への加入を検討しよう
盲腸の治療では、たいていは治療費が20万円以内に収まるため、民間医療保険の手術給付金だけでも余裕をもって十分な保障を受けることが可能です。加えて、高額療養費制度が適用されるので、この申請をすれば支払った治療費から自己負担限度額が引かれて戻ってきます。民間医療保険で病気による入院の場合、入院給付金の給付には8日以上の継続入院が必要となるため、7日間の入院では給付がされません。しかし生命保険の医療特約であれば、入院給付金を受け取ることができるので、契約をしている方は活用してください。
子供は大人よりも盲腸にかかりやすいため、急な入院・治療費による家計への影響を最小限に止めるためにも備えが必要です。まずは自治体の医療費助成制度を確認してみましょう。医療費助成制度があれば、医療保険に加入した方がいいのか検討する必要があります。医療費助成制度がない場合には医療保険に加入しておいた方が安心ですね。
一時的なものとはいえ、十万単位の急な出費は家計にとって間違いなく悪い影響を与えると考えられます。急な出費があっても家計が揺らぐことのないように、備えておく必要があるでしょう。子育てをしていると、こういったトラブルはつきものです。盲腸のために医療保険に加入して備えておけば、肺炎など別の病気で入院することになったときにも役立つかもしれません。
プロフィール
諏訪竜生
3級FP技能士資格を持ち、住宅ローンおよび教育資金に関する相談を中心に業務を行っています。また、新社会人向けに社会保険や知っておきたいお金に関する知識を教えています。予備校および金融機関で勤務した知見を生かし、アドバイスを行っています。
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