生命保険契約でピルの服薬は告知する必要はある?考えておきたい保険の問題

最近は避妊だけではなく、辛い生理痛を和らげるためにピルを服薬する方が増えていますね。そこで気になるのが、生命保険契約の告知の際にピル服薬は告知する必要があるのか? という点と、ピルを服薬していたら契約で不利になるのではなるのではないかという点であると思います。この記事ではそんなみなさんの疑問にお答えして告知の服薬歴の項目について解説をしていきます。

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生命保険契約とピルの服薬歴

まず告知とは何か解説をします。生命保険を契約するときのルールに、契約者か被保険者は保険会社のする質問に答えなければなりません。この契約者と保険会社の応答を告知と言います。保険会社は告知によって得たデータで、保険契約を結ぶかどうかを判断します。生命保険に関することなので、生命の安全に関することを聞かれます。具体的には、職業や最近の健康状態、5年以内の健康状態、病歴、障がいの有無などを聞かれます。服薬歴もその一貫です。

契約者には告知義務があるので、保険会社の聞かれたことに正直に答えなければなりません。告知義務違反があった場合には、保険会社は契約を解除することができます。ただ、契約をするときの職員が告知の妨害をしてきたり、嘘を言ってしまえと勧めてきたりした場合には、保険会社から契約を解除することはできなくなります。

また、保険会社が告知義務違反を認知してから1カ月以内に契約の解除を行わなかった場合や、契約が、契約日から5年を超えると解除権が消滅します。告知の方法には、告知書に記入していく方法と保険会社の指定する医師による問診の2種類があります。

なぜ告知が必要かというと、他の被保険者との間の不平等をなくすためです。仮に同じ年齢性別の健康な人とすでに何度も体を壊している人が加入したとします。保険料は同じなのに保険金は後者ばかりが受け取ることになってしまい、前者の負担が重くなり不平等です。ですからスタートを公平にしてリスクに備えるために健康状態で選別をしています。

つまり服薬歴も健康状態を図るためにチェックをしています。体が重大な疾患を誘発しやすい状態でないかを見ているのです。告知が必要か否かの基準も診査に通るか否かの基準も保険会社によって異なりますので、1社で断られても他の会社なら大丈夫だったというケースも存在します。告知は質問されたことには正直に応えるようにしましょう。

以上の観点から、高血圧の薬などを服用していると、あらゆる成人病の原因でもあるので生命保険は加入しにくいと推測されます。ではピルはどうなのでしょうか。これは結論から言えば目的によります。以下で解説します。

生命保険契約の際、ピルは告知すべきか

服薬歴を問われたらピルは答えなければなりません。最近は理解が進んできたこともあり、ピルを服用していたというだけで加入できないということはないのですが、断られることもあります。

なぜかというとピルは避妊や生理痛緩和に効果がありますが、疾患の治療にも用いられる薬だからです。服薬歴だけでは判断ができないので、他の項目と合わせて判断することになります。

また、確率は低いですが、ピルの副作用として、血栓ができやすくなるというものがあります。血栓が心臓や脳の血管に詰まってしまうと、助からない可能性が高いです。故に保険会社によっては、ピルを服用しているということに難色を示すところも存在します。告知をした後に保険会社がどう受け取るかで生命保険に入れるかどうかが変わってきます。

ピルの服用歴がある 何を聞かれる?

告知は質疑応答義務なので、聞かれたことに答えれば大丈夫です。自分で申告内容を考える必要はありません。聞かれなかったことは、答えなくても大丈夫です。ただどのようなことを聞かれるのか気になりますね。やはり生命保険会社としては、ピルをどんな目的で服用していたのかが気になるところであると考えます。

病気の治療のために服用していたのか、それとも避妊のためなのか、生理の緩和のためなのか。あるいは服用していた期間、そして用量により判断をします。避妊や生理の緩和が目的であれば何の問題もなく生命保険に加入をすることができます。病気の治療のために服用していたのであっても完治していたり正直に申告をすることで、加入できることもあります。

加入が少しだけ難しいのが、生命保険ではありませんが、生命保険会社が提供している医療保険であるとか女性疾病特約です。これらは、病気の治療目的であった場合条件付きで許可されたり、加入が許可されなかったりします。

生命保険契約の際、ピルの使用は告知しよう

告知は公平の原則に基づき行われます。生命保険契約では、命の危険のある職業についていないかの他、健康状態について聞かれます。質疑応答義務があるので、聞かれたことにのみ答える義務が発生します。違反があった時は契約が打ち切られてしまいます。

健康状態に懸念がある場合には、生命保険会社は生命保険契約を結ばないことがあります。しかし、その基準は企業によって異なるため、一概には言えません。告知が必要な範囲も企業によって異なってしまいます。おおまかな基準であれば、健康か否かです。

服薬歴は大病になりやすい体でないかを確認するために確認します。故にピルはその服用目的で判断されます。避妊、生理緩和目的であれば、通過するものと思われます。

病気の治療のためであると断られることもあります。しかし正直に申告をすれば、問題ない企業もあり、さらに昔に完治しているものについては、ほぼ引っかからないと見て大丈夫です。生命保険会社で提供している医療保険や女性疾病特約など第三分野の保険では、加入の際に断られたり、制限付きの加入であったりします。高血圧のような成人病の原因ではないので、女性特約以外の保険ではあまり断られることなく加入できるものと考えます。

長くなってしまいましたが、ピルの服用はあまり大した問題ではないので正直に告知に答えるようにしましょう。会社ごとに基準が違うので、どうしても生命保険に加入したい方は、何社も確認をしてみると良いでしょう。きっと加入することのできる生命保険はあると考えます。

プロフィール

諏訪竜生
3級FP技能士資格を持ち、住宅ローンおよび教育資金に関する相談を中心に業務を行っています。また、新社会人向けに社会保険や知っておきたいお金に関する知識を教えています。予備校および金融機関で勤務した知見を生かし、アドバイスを行っています。

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