
大人が恋するってかっこ悪くない。女性の幸せのカタチはいろいろ【鈴木おさむさんインタビュー】
放送作家としてはもちろん、エンタメ界の第一線を走り続けている多彩な鈴木おさむさん。キャリア27年目にして映画監督に初挑戦し、話題となっています。これまで30代、40代の恋愛を描いた邦画が少ないと感じていた鈴木さんが選んだジャンルは、ずばり「大人が楽しめるラブコメ」。そこで今回は、本作を通して伝えたい思いや夫婦円満の秘訣についてたっぷりと語っていただきました。女性読者にとって目からウロコのアドバイスは必読です!
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大人の女性が観たくなる恋愛映画がもっとあっていいと思った
――本作では仕事にも恋愛にも悩む大人の女性を主人公に描いていますが、なぜこの題材にしようと思ったのですか?
鈴木おさむさん(以下、鈴木さん):だいぶ前のことなんですが、モデルの子から「25歳でもうオーディションで線引きされてしまう」という話を聞いて、女性は年齢に関してとてもシビアな状況を生きているんだなと感じたんです。だからこそ、「“アラサー”や“アラフォー”で本当に選択肢が狭まってしまうのか?」という点をいつか掘り下げてみたかったんです。近ごろの邦画には、大人の女性が観られる恋愛ものが少ないですよね。だからこそやりたいというのも動機の1つでした。
――最初は脚本だけを担当する予定で始まった企画だったそうですが、監督も務めることになった経緯を教えてください。
鈴木さん:恋愛のショートドラマはずっと作ってきましたし、僕のブログの読者の9割9分が女性でリアルな声が届いたりもするので、恋愛モノについてはやれるかなという自信はありました。で、脚本を作ってから「どの監督にお願いしようか」と話し合ってみたんですが、よく考えたら恋愛ってものすごく個人的な感情じゃないですか。これという法律がないし。別の監督を立てて「僕の恋愛観はこうです」っていうのを理解してもらうのはかなり厳しいぞと気づいたんです(笑)。だったら自分で監督もやってみるか、と。
幸せのカタチは人によって違う
――吉田羊さん演じる主人公の飛鳥は、パティシエとして成功しつつも恋愛によって失敗も重ねてきている女性ですが、モデルとなった方はいたのですか?
鈴木さん:自分があちこちで聞いた話とか経験がベースになっています。僕がよく行く麻布のバーで、ある日、スタイリストをしているという50代の女性が「恋人に振られた」と号泣していたことがありました。それを見たとき、「ああ、50歳で恋して泣いている姿ってかっこいいな」と思ったんですよ。もしかしたら「50歳にもなってまだ恋愛しているなんてカッコ悪い」と言う人がいるかもしれないし、「結婚して子どもがいた方が幸せだ」と比べる人もいるかもしれない。でも、“幸せのカタチ”なんて誰にもわからないし、一つではないですよね。そういうものが脚本のベースになっているところはあります。
――思わず共感してしまうヒロインの姿は魅力的でしたが、もうひとつ気になるものといえば、遺伝子で恋愛体質を診断してくれるというクリニック「ラブドック」。このアイデアはどこから生まれたのですか?
鈴木さん:恋愛についてのデータとか遺伝子がどうのこうのってテレビや雑誌でよく言われますけど、「ほんとかよ!」と突っ込みつつもみんな好きじゃないですか(笑)。僕も血液型の話は結構好きなんですが、バラエティをやっているとそういう情報がいろいろと入ってくるので、「これを商売にしている人がいたらおもしろいだろうな」という素朴な思いつきでした。
――では、実際にあったら、ご自分も診断してみたいですか?
鈴木さん:行くことはないだろうけど、あったらおもしろいことになりそうだとは思いますね。ニーズはありそうだし、儲かりそう(笑)。
交際0日婚のきっかけは発想の転換!?
――鈴木さんは森三中の大島さんと交際0日でご結婚をされているので、ある意味、遺伝子レベルで恋愛するタイプなのではないでしょうか?
鈴木さん:昔の恋愛では、付き合っては2年で別れるみたいなことを繰り返してきたから、「どうせ結婚しても自分は2年で浮気して離婚するだろう」と思ってたんですよ(笑)。そんなときに大島さんと出会って、ふと、自分のいままでのパターンじゃなくて、しかも価値観や背負っているものが同じ人と一緒になったらどうなるんだろう? と考えてみたんですね。発想の転換で。
――それは過去の失敗や経験があったからこそ、たどり着いた答えですか?
鈴木さん:そうですね。たとえば、どんなに美人だとしても、「かわいいな」という理由だけで付き合うとね。ほら、美人は他にもいっぱいいるから、1年ぐらい経つと別の人がかわいく見えてくるわけですよ(笑)。そういう部分ではなく、価値観や自分が人生で大事にしているものが一緒の人だといいなと気づけたんでしょうね。
夫婦円満に欠かせない大事なこと、教えて!
――では、夫婦円満を維持するためにオススメの方法はありますか?
鈴木さん:たとえば、スキーが大好きな2人だったら、1年に1回でいいから一緒にスキーに行くことは結婚しても大事だと思うんです。自分のテンションがあがる体験を一緒にするということですね。そういう意味で、うちの奥さんと同じですごくよかったのは、ちょっと変わった場所へ旅行するのが好きなところ。奥さんが「ハワイ大好き〜」みたいな人だったらハワイが苦手な僕にはちょっと辛かったかなぁ(笑)。
――逆にしない方がいいことは何ですか?
鈴木さん:結婚したてのころは、僕の好きな映画や舞台鑑賞に付き合ってもらっていたんですが、あるとき奥さんから「好きじゃない趣味に付き合わされるのは辛いから、1人で行って欲しい。その代わりに、これは一緒に観たら盛り上がるというのだけは誘って」と言われたんです。その瞬間、「それはそうだな」とすっきりしたんですよ。だって、僕も奥さんが好きな長〜い韓国ドラマを見せられるのは辛いですから(笑)。押しつけすぎもよくないんだと学んで、それからは楽になりました。
――日常的な夫婦の会話などで気をつけた方がいいことはありますか?
鈴木さん:好きなものは変わっていくのでそのつど2人の共通点を探せばいい。でもちょっと違うのは「怒り」のポイント。旦那さんが仕事か何かで猛烈に腹を立てているときに同じ温度で怒ってあげるといいんじゃないかな。愚痴とは違う、真剣に腹を立てていることをちゃんと聞いてあげる、その温度感に合わせてあげるってことですね。そこを夫婦で共有できるのは結構デカいと思います。「結婚したら一緒にいっぱい笑って」とかってよく言われますけど、生きていくってしんどいことの方が多かったりしますから。
――確かに「怒り」って、自分が持っている根本的な価値観から湧いてくる感情ですから、そこにズレがあると辛いかもしれません。
鈴木さん:別に詳細は理解しなくていいんですよね。テンションを合わせる、って感じかな。あと、自分の中で処理できる小さな感情なら、夫婦だからといって相手に押しつけすぎないこと。相手のリアクションが薄いとイラっとしちゃうでしょ(笑)。だから、無理強いせず、すべてを共有しようと思いすぎない。バランスですね。
――夫婦間での恋愛的なドキドキは必要だと思いますか?
鈴木さん:それよりもやっぱり感情の振れ幅が近しいことの方が重要だと思いますよ。同じ気持ち、同じテンションで悲しんだり怒ったりできないと、それこそドキドキなんて発生しようもないし。
――お忙しいなかでも、いつも奥さんをサポートしていらっしゃいますが、子育てに関して意識していることはありますか?
鈴木さん:僕もそうなんですけど、男ってすぐに油断するから、いろいろと見過ごしてしまいがちなんです。たとえば、奥さんと息子がすごく仲良さそうにしている日常シーンがありますよね。でも、その関係性を築くまでには、実は奥さんがすごく手間をかけているんです。だから、そういう“当たり前”のことに対して毎日感謝するようにしています。「当たり前が当たり前じゃない」ということに気づけるかどうかがすべてな気がしますね、“夫婦円満の秘訣”があるとすれば。何か問題が起きてしまう前にそれを感じることが大事だと思いますよ。
――それでは最後に、LIMIA読者に向けて、この作品から感じて欲しいことを一言お願いします!
鈴木さん:もし最近、恋をお休みモードにしてきたのならぜひ映画館へ。年上、同世代、年下、3タイプの男たちが惑わせてくれますから、ヒロインに自己投影して楽しんでいただきたいですね。一気に女性ホルモンをアップさせましょう!
映画『ラブ×ドック』作品詳細
【STORY】
人気パティシエとして成功を収めているアラフォー女子の剛田飛鳥(吉田羊)。人生の節目節目で恋愛に走ってしまったことが原因で、仕事や親友をなくしていた。そんなとき、飛鳥は「ラブドック」という名の遺伝子で恋愛を診断するというクリニックを発見。そこで、恋愛体質の自分を変えるため、危険な恋愛をストップできる特別な薬を処方してもらうのだった。はたして飛鳥は恋愛の軌道修正を図り、幸せをつかむことができるのだろうか?
『ラブ×ドック』
2018年5月11日(金)〜全国ロードショー
●監督・脚本:鈴木おさむ
●出演:吉田 羊、野村周平、吉田鋼太郎(特別出演)/玉木 宏ほか
●製作:『ラブ×ドック』製作委員会
●企画・制作・配給:アスミック・エース
●取材、文:志村昌美
●写真:土佐麻理子
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