溶接DIYの簡単な始め方!溶接の種類・必要なもの・やり方・初心者でもつくれる作品などを一挙紹介
本記事では、「溶接DIYを始めたいけど、何から始めたらいいのかわからない」という方のために溶接で必要なものや溶接DIYの流れ、注意点についてまとめています。これから溶接DIYを始めようとしている方はぜひ参考にしてみてください。
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溶接はDIYでできる!
DIYは、木材加工やタイル張り・塗装などが一般的ですが、近年は「溶接」が注目され始めています! 溶接は、鉄や金属などを自宅で接合することができる本格派なDIY。溶接機は職業としての使用ではない限り資格は不要なので、誰でも簡単に始めることが可能です。
溶接DIYは、一般的な木工DIY等に慣れてきて新しいジャンルにチャレンジしたくなっている方や、バイクや自動車の補修・整備を自分で行いたいという方、またちょっぴり特別なアイアン雑貨を自分で作ってみたいという方におすすめのDIYです。
また、革エプロン、革手袋、溶接面などといった防護グッズもきちんと装備してから行うようにしてください。
溶接DIYに必要なもの
ここでは、溶接を始めるために必要な道具を紹介していきます。
《機材・必要器具》
▼溶接機
自宅で溶接を始めるにはまず、溶接機が必要です。
溶接DIYでよく使われている溶接機の種類は、被覆アーク溶接・半自動溶接・TIG溶接などです。
その中でも特に初心者におすすめで使いやすいのは半自動溶接機ですが、それぞれに特徴がありますのでご自分に合った溶接機をセレクトしましょう。
▼溶接棒・溶接ワイヤ
溶接を行うためには、溶接棒や溶接ワイヤなどの溶接材も欠かせません。
溶接材は、被覆アーク溶接機には「溶接棒」、半自動溶接機には「溶接ワイヤ」と、溶接機の種類に合わせたものをそろえる必要があります。
初心者の方は、溶接機と溶接棒がセットになっている「溶接キット」から優先的にチェックするのがおすすめです。
《工具類》
▼溶接用マグネット
溶接用マグネットは、溶接作業に入る前、母材を仮押さえしたり仮組みするときに活用するアイテムです。
強力なマグネットでしっかり押さえてくれるので、手元の操作が心配な初心者にとって便利なのはもちろん、中級者・上級者になっても作業効率をアップさせるために必要なアイテムだといえます。そのため、最初にそろえておくのがおすすめです。
▼スパッタシート
スパッタシートとは、溶接作業の際に飛び散る「スパッタ」と呼ばれる溶けた金属の粒を受けられるシートのことです。
作業場の床に敷いたり、壁に貼り付けたり、すだれのようにかけたりして使用するのが一般的。自宅の作業場やガレージでも安全に作業するために、そろえておきたいアイテムです。
▼溶接用ペンチ
溶接用ペンチは、溶接ワイヤをカットしたり引き出したり、スパッタを除去したりするために必要なアイテムです。
普通のペンチではなく、きちんと溶接用のペンチを使うことでケガや火傷などの余計なトラブルを防ぎやすくなるので、溶接を始めたい方はあらかじめそろえておくのがおすすめです。
▼グラインダー
グラインダーとは、「溶接ビード」と呼ばれる溶接部分の金属の余分な盛り上がりを、研磨仕上げするための機材です。
とくにアーク溶接をした場合、ビードが発生するのは不可避なので、アーク溶接から始める初心者の方はあわせてそろえておくようにしましょう。
▼チッピングハンマー&ブラシ
チッピングハンマーも、アーク溶接で必要なアイテム。溶接後ビードを覆っている「フラックス」と呼ばれる、溶接を安定化させるための被覆材を取り除く際に欠かせません。
とくに、被覆アーク溶接機を購入する場合はセットで購入しておくようにしましょう。
また、ワイヤーブラシは、溶接を始める前の母材を掃除したり、溶接が終わった後接合部を磨いたりすることができる、何かと便利なアイテムなので持っていて損のないアイテムです。
《保護具》
▼溶接面
溶接面は、溶接作業時に飛び散る火花から顔を守るためはもちろん、アーク溶接などで発生するまばゆいアーク光から眼を守るために必要な保護具です。
手持ちタイプとヘルメットタイプの2種類がありますが、初心者の方は手元の作業に集中できるようヘルメットタイプを選ぶのがおすすめです。
また最近はセンサーが反応して自動で遮光してくれる「自動遮光溶接面」が人気です。
▼防塵マスク
溶接時は、空気中で冷えて微細な粒子となった「ヒューム」と呼ばれる溶接金属が漂うため、防塵マスクで吸い込まないよう対策することが大切です。
ヒュームを吸い込むと肺に入ってしまい、じん肺(じんぱい)などの弊害が出る可能性が高まるため、溶接を始める際は必ずそろえておくようにしましょう。
▼革手袋
溶接時は飛び散る火花から手元を守るために、革手袋を装着することが大切です。
牛本革や牛床革など、熱を通しにくい革でできた手袋を選ぶようにしましょう。初心者の方はとくに、長袖タイプを選ぶことで火花の飛び散りを対策しやすくなります。
▼前掛け
溶接作業時は前掛けも必要です。手元だけでなく、体のほうに火花が飛んでくることも珍しいことではないので、前掛けもしっかり準備するようにしましょう。
素材は溶接用の熱に強い素材のものがおすすめですが、革もしくは綿のものでも大丈夫です。
▼溶接腕カバー&脚カバー
革手袋が長袖設計でない場合や、火花に対する心配があるという場合は腕カバーもあわせてそろえておくのがおすすめです。
また、脚をカバーしてくれるアイテムもあるので、エプロンの裾がやや短い気がするという場合や、足元が心配な場合はあわせて準備しておくとよいでしょう。
腕カバー・脚カバーともにやはり素材は、熱に強い素材のものか、革もしくは綿がおすすめです。
溶接DIYの材料はどこで買う?
溶接がはじめての場合、材料がどこで買えるのかわからないものですよね。
ここでは、溶接の材料の購入場所を紹介していきます。
鋼材の購入は鋼材屋やホームセンターがおすすめ
- 鋼材屋
- ホームセンター
- 鋼材専門のオンラインショップ
溶接の材料は、ホームセンターで購入することが可能です。
また、より専門的な材料をお求めの場合は、鋼材専門店に行くのも適切な手段。
近年では、鋼材の通販サイトや、ホームセンターのオンラインショップが多数展開されているので、店舗で購入する手間を省きたい方はネットで注文するのもおすすめです。
溶接用品なら「スズねっと」で揃えられる!
DIY向け溶接機をはじめとした、溶接周辺アイテムを取り揃えているSUZUKIDが運営する溶接用品専門オンラインショップ「スズねっと」。
これから溶接DIYをはじめてみたいという初心者の方にもおすすめです。
溶接DIYに必要なアイテムが一式揃えられる「溶接キット」はもちろん、繰り返し購入する必要があるような消耗系のアイテムもここで購入することが可能。さらに、アウトレット品が用意されていたり、キャンペーンが行われていたりするので「溶接アイテムをできるだけ低価格で購入したい」という方は要チェックのオンラインショップです!
初心者でも簡単!溶接DIYのやり方
ここでは、溶接DIYの流れを解説していきます。
【1】作るものを決める
まずは、溶接DIYで何を作りたいのかを決めましょう。初心者の方はネットや本で作品例を参考にすると決めやすいです。
どの部分にどんな素材を使いたいかなど、細かいところも明確に決めていきます。
【2】デザイン画・設計図を作成する
次に、作品のデザイン画や設計図を用意します。
どんなデザインにするのか、また作品を収納するスペースの寸法をあらかじめ測っておき、そのスペース内に収まるように作品の寸法を決めていくようにしましょう。
【3】ホームセンターなどで必要なものを揃える
必要な材料が決まったら、ホームセンターやオンラインショップなどで必要なものを揃えます。
買い忘れがあると作業が止まってしまうので、漏れがないようにあらかじめメモにリストアップしておくのがおすすめです。
【4】材料を設計図通りに切る
材料と道具がそろったら、作業を始めていきます。
材料を設計図通りにカットしていきましょう。鋼材を自宅で切るのが厳しい場合は、ホームセンターのカットサービスを利用するのもひとつの手段です
【5】溶接で材料を繋げていく
いよいよ溶接作業です。
設計図通りにカットした鋼材を溶接し形にしていきます。
その際、いきなり本溶接はせず、まずは全部の箇所を仮止めし、全体の形やバランスを確認したうえで本溶接をしましょう。
【6】溶接した作品各材料をサンダーややすりで磨く・塗装を行う
溶接した箇所や材料の切断面をサンダーややすりで磨きます。溶接痕や断面はざらついていたり、尖ったりしていることがあるのでしっかり整えておくようにしましょう。
尚、材料が鉄の場合、経年変化により徐々に錆が発生します。できるだけ錆びさせたくない場合は錆止め用塗料もしくは錆止めスプレーを使用しましょう。
溶接初心者でも挑戦しやすい家具系の作品
- 収納棚
- シェルフ
- テーブルの脚
- スツール
- ハンガーラック
DIY初心者でも作りやすい簡単な家具は上記の通り。最初のうちは曲線が少ない家具作りから始めるのが良いでしょう。
寸法もシンプルなので間違えにくく、カットもしやすいためおすすめです。力に自信がない方であれば、その中でも小型の家具からトライするのが◎。
また、家具作りでは鉄と木を組み合わせることで、作れるものの幅が広がりますよ。
溶接DIYで作る人気アイテム
- ネームプレート
- ペーパーホルダー
- スパイスラック
- 卓上収納ラック
- ペン立て
- 傘立て
溶接DIYで作る人気アイテムは上記の通り。
キッチンやデスクの上などに収納ラックを置きたいけれど、市販で買えるちょうどいいサイズの収納ラックがないという場合は、この機会に自分で作ってしまうのがおすすめです!
初心者におすすめの溶接機5選
ここでは、初心者の方におすすめの溶接機を5選紹介していきます。
どんな機種があるのかチェックしておきたいという方は、ぜひ参考にしてみてください!
Buddy80
溶接方式 | ノンガス半自動溶接 |
定格入力電圧 | 100v |
定格使用率 | 35% |
出力調整機能 | ○ |
質量 | 6.3kg |
本体寸法 | 幅152×奥行317×高さ273mm |
100v専用のノンガス半自動溶接機「SUZUKID」の「Buddy80」。
小型軽量なので、持ち運びも楽チン! 手軽にご使用いただけるおすすめの一台。初心者にもぴったりな扱いやすい溶接機です。カラーバリエーションとして「イエロー」のほか、お洒落な「モスグリーン」と「サンドベージュ」があります。
Buddy140
溶接方式 | ノンガス半自動溶接 |
定格入力電圧 | 100V/200V兼用 |
定格使用率 | 100V:35% 200V:25% |
出力調整機能 | ○ |
質量 | 6.0kg |
本体寸法 | 幅152×奥行348×高さ273mm |
100V/200V兼用のノンガス半自動溶接機「Buddy140」。100Vで最大4.0mm(100V 15Aで3.0mm)、200Vでは最大4.5mmまでの幅広い溶接ができるようになったモデルです。
さらに、小型&軽量設計をかなえているので、様々な場所で溶接作業を行うことができるところも魅力的な特徴のひとつです。オンライン限定モデルなので、気になる方は下記のリンクからチェックしてみてください。
MS-100
溶接方式 | 半自動/被覆アーク両用溶接 |
定格入力電圧 | 100v |
定格使用率 | 25% |
出力調整機能 | ○ |
質量 | 5.2kg |
本体寸法 | 幅165×奥行352×高さ205mm |
モノタロウ専売品の「SUZUKID」製の「MS-100」。ノンガス半自動溶接だけでなく手棒溶接機能(MMA機能)も搭載し、多様な溶接シーンに対応しています。
出力電流と出力電圧を2つのダイヤルで調整可能なため、溶接材料や電源などにあわせて最適な溶接ができます。
Arcury80 NOVA
溶接方式 | ノンガス半自動溶接 |
定格入力電圧 | 100v |
定格使用率 | 35% |
出力調整機能 | ○ |
質量 | 7.5kg |
本体寸法 | 幅185mm × 奥行515mm × 高さ350mm |
100v専用のノンガス半自動溶接機で、グッドデザイン賞も受賞した「SUZUKID」の「アーキュリー80NOVA」。被覆アーク溶接もでき、プロから溶接DIYまで幅広い方に対応する人気モデル。
溶接する材料や板の厚み、溶接ワイヤー棒の直径などを設定することで電圧・電流が自動調整されるため、初心者の方でも使いやすい一台です。
STICKY80
溶接方式 | アーク溶接 |
定格入力電圧 | 100v |
定格使用率 | 20% |
出力調整機能 | ○ |
質量 | 3.8kg |
本体寸法 | 幅121 × 奥行252 × 高さ200mm |
幅121 × 奥行252 × 高さ200mmの小型&3.8kgの軽量をかなえている「STICKY80」。小型軽量の本体で扱いやすいうえ、使用率オーバー防止機能も付いているので、初心者にもってこいの一台。
また、溶接スタート時にアークの発生をスムーズに促す「ホットスタート機能」や、溶接作業中にショート電流が流れるのを防いでくれる「アンチスティック機能」なども備わっている使いやすい溶接機です。
溶接DIYをする際の注意点
ここでは、溶接DIYを行う際の注意点について紹介していきます。
必ず設計図を作ってから行う
DIYをスムーズに進行するためには、段取りが大切です。
材料と道具が揃っていたとしても、作業を進めているうちに混乱してきてしまうこともあるため、最初に設計図を作ってから取りかかるようにしましょう。
材料のカットが不安な場合は無理に自分で行わない
材料のカットをする自信がないという方は、無理に自分で行おうとすると怪我をするリスクがあるため、カットを行わないDIYを行うのがおすすめです。
どうしてもカットする必要が出てくる場合は、カットができる人に頼むかホームセンターのカットサービスを利用するようにしましょう。
溶接DIYなど一人で始めるのが不安な場合はワークショップから始めるのが◎
金属の取り扱いや、溶接など専門器具が必要なDIYに挑戦してみたいという場合で、「一人で始めるのは少し心もとない」と感じる場合は体験型ワークショップに参加するのがおすすめです。
不安が残るまま無理に始めても、続けにくくなってしまうのでまずは一度プロのもとで教わるのが適切です!
初心者はワークショップから始めるのがおすすめ!
「溶接DIYを始めてみたいけれど、実際は何から初めていいのかわからない」という方は、ワークショップでプロに教えてもらいながら体験してみるのがおすすめです!
Fe★NEEDS 鎌倉店で溶接を体験!
大きな赤い扉が印象的なこちらのお店はSUZUKIDが運営する「Fe★NEEDS(フェニーズ)鎌倉店」。神奈川県鎌倉市にある溶接ワークショップ工房です。
メニュー | 料金(税込) |
スタンダードメニュー | ・サインプレート:1時間 5,500円 ・チョークボード:1時間 5,500円 ・角スツール:2時間 8,800円 ・丸スツール:2.5時間 11,000円 ・シェルフ1段:2時間 11,000円 ・ミニシェルフ2段:2時間 7,700円 |
自由製作 | ・オリジナル作品の製作:1時間 5,500円 |
季節限定 | ホームぺージにてご確認ください |
LIMIA編集部では、Fe★NEEDS鎌倉店で実際に溶接を体験! 編集部スタッフは溶接未経験なので最初はやや難しく感じることもありましたが、お店の方が丁寧に教えてくれたことで、次第にコツを掴んで楽しく作品を作ることができました。
体験したスタッフの実際のレビューや、作った作品については下記の記事にまとめられているので、どんな様子なのか気になるという方はぜひチェックしてみてください!
溶接DIYに関するQ&A
Q1. 溶接DIYとは?
A. 鉄や金属を接合するDIY方法です。
バイクや自動車の整備や、鉄や金属を用いた小物や家具の制作を自宅で手軽に行うことができるという点で、近年注目されています。
Q2. 溶接機を操作するには資格が必要?
A. 自宅でのDIY目的であれば、資格は不要です。
溶接機は、職業としての使用ではない限り必要な資格は要りません。そのため、誰でも気軽に始めることが可能です。
Q3. 溶接はバーナーでもできる?
A. バーナーでの溶接はおすすめできません。
バーナーでの溶接は、溶接機での溶接に比べると熱の量も足りず、かなり簡易的であるため、仕上がりの強度が低いといえます。そのため、バーナーでの溶接はおすすめできません。
Q4. 溶接DIYできる素材は?
A. 鉄・ステンレス・アルミです。
一般的に溶接DIYで使われている溶接機(ノンガス)で溶接できる素材は鉄・ステンレス・アルミになりますが、これから溶接DIYをはじめる・・・という方は、一番扱いやすく、材料も入手しやすい鉄がおすすめです。
また、アルミの場合はアルゴンガスが必要になるのでガス対応の溶接機とガスボンベ等の用意が必要です。
※ 記載している情報は、LIMIA編集部の調査結果(2024年8月)に基づいたものです。
※ 記載している価格情報は、LIMIA編集部の調査結果(2024年8月)に基づいたものです。
※ 一般的な使用方法をご紹介しています。製品の効能・使用法は、各社製品によって異なる場合もございます。各製品の表示・使用方法に従ってご利用ください。
※ 製品によって、お手入れのしかたは異なりますため、必ず製品の取扱説明書に従って作業を行ってください。
※ アイコン画像出典:PIXTA
※ 一部の画像はイメージです。
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