
同じじゃないの?プロパンガス・LPガスの違いと特徴を徹底解説!
プロパンガスとLPガス、どちらも一度は耳にしたことがある言葉だと思います。しかし、その違いを説明することができますか? 実は、大きな分け方をすると、プロパンガスもLPガスも同じものです。家庭用に供給されているボンベタイプのガスが、プロパンガスと呼ばれることもLPガスと呼ばれることもあるのはこのためです。では、厳密には何が違うのでしょうか? 今回は、プロパンガスとLPガスの違いや特徴を詳しくご紹介します。
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LPガスとは? LPの意味は何?
LPガスとは、「Liquefied Petroleum Gas」の略称です。「Liquefied」は液化するという意味、「Petroleum」は石油という意味です。つまり、LPガスは、気体の状態である石油ガスを液体の状態にしたものということになり、日本語では「液化石油ガス」と訳されます。
ガスは通常、常温・常圧では気体として存在します。LPガスの主な成分であるプロパンとブタンも、そのままなら気体として存在していることになります。しかし、プロパンガスなら、-42℃で冷却するか、常温で0.8~0.9MPa(8~9kg/㎠)の圧力をかけることで、液体の状態にすることができるのです。ブタンガスも同様に、-2℃で冷却するか、常温で0.2~0.3MPa(2~3kg/㎠)の圧力をかけることで、液体にすることができます。
とはいえ、LPガスは、油田や天然ガス田などの内部にメタンやエタンなどほかのガスと混ざった状態でたまっているので、これを地下から採掘した後、冷却したり圧力をかけたりして液化する前に、プラントで不純物などを取り除く作業が必要になります。しかし、天然ガスなどに比べると簡単に液化しやすい、つまり、体積を小さくしやすいため、流通に優れているという特徴があります。
LPガスとプロパンガスの違いって?
LPガスの主な成分は、プロパンガスとブタンガスです。つまり、LPガスはプロパンガスとブタンガスが混じった混合のガスになります。しかし、ガスボンベに封入されたかたちで一般家庭に供給されるLPガスはプロパンガスのほうを多く含んでいるため、一般的にはLPガス=プロパンガスと理解されています。
一般家庭向けにガスを小売りしている事業者には、「LPガス販売」と記載されている場合と、「プロパンガス販売」と記載されている場合とがあります。しかしいずれも同じ、“一般家庭向けにLPガスを小売りしている業者”と考えて問題ありません。
一方で、特に工業用として多く活用されている、ブタンガスのほうを多く含むLPガスもあります。家庭用としてなら、ブタンガスは、ライターやカセットコンロのボンベの燃料などとしても広く普及しています。
つまり、一般にプロパンガスというときは、一般家庭の給湯器やガスコンロなどで使われるLPガスのことであり、工業用で使用されるブタンを主としたLPガスなどと同じ、LPガスの種類の中の1つであるといえます。
LPガスの特徴は?
では、プロパンガスとブタンガスを含むLPガスにはどのような特徴があるのか、以下にまとめてみます。
【重さ】
LPガスには空気の1.5~2倍ほどの重さがあり、空気中に放出されると床に広がって、低いくぼみなどに滞留します。そのため、LPガスのガス漏れ警報器は、床付近に取りつけられるのが特徴です。ちなみに、都市ガスで利用されている天然ガスは空気より軽いため、天井にたまる性質があります。
【運搬性】
LPガスは容易に液化することができます。液化すると、体積を気体のときの約250分の1まで圧縮することができるので、ボンベに充填して運搬・供給することができます。そのため、地中の配管を通じて供給される都市ガスなどに比べ流通に特化しており、災害に強い特徴があります。
【熱量】
LPガスは都市ガスに比べ熱量が多く、プロパンガスであれば24,000kcal、ブタンガスであれば31,000kcalと、都市ガスの2倍以上にもおよびます。そのため、強い火力が必要な飲食店など、業務用としても広く利用されています。
【環境性】
LPガスは天然ガスと並び、石油や石炭などそのほかの化石エネルギーに比べて、CO2排出量が少ないクリーンなエネルギーだといわれています。燃焼時の排ガスにも硫化物をほとんど含まないため、環境にも人の体にもやさしいエネルギーです。
【におい】
一般家庭で使われるガスに独特のにおいを感じる方は多いでしょうが、LPガスそのものには本来においはありません。しかし、ガス漏れ時に気づくよう、特有のにおいを付加してあります。ただし、このにおい成分はガスが完全に燃えてしまえば消えてしまうので、LPガスを正しく使用している場合は、においに気づくことはありません。
まとめ
プロパンガスとLPガス、普段は同じ意味合いで何気なく使っていたかもしれませんが、実は、含まれる成分で微妙な違いがあったのです。運搬性に優れていてクリーンなエネルギー、しかも災害に強いという特徴を持つLPガス。これからは、ガスの種類やそれぞれの特徴もちょっと気にかけて、安心・安全にガスを利用してみてはいかがでしょうか。
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