
チョーキング現象が起きたらどうすべき?再塗装のタイミングと注意点
ふと外壁に触れたとき、指先に外壁と同じ色の粉がついて驚いたことはありませんか? このように、外壁が粉をふく現象を「チョーキング現象」といいます。実はこれ、時間が経つごとに塗装が劣化することで起こっているのです。「掃除をしていないせい? 」と、慌ててしまいそうになりますが、正しく対処することで安全できれいな外壁を保つことができます。
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外壁が粉をふく「チョーキング現象」とは?
塗装したばかりのときはツルツルだった外壁の表面が、時間が経つにつれザラつき、しまいには粉をふくようになるのは、よくあることです。このように、外壁に触れたときに指先に粉が付着する現象を「チョーキング現象」、または、「白亜化(はくあか)現象」といいます。
チョーキング現象の原因
チョーキング現象は、ほこりや汚れといった外部環境に起因するものと思われがちですが、実は、塗装の劣化が原因で起こるものです。
塗装の一番外側にある保護膜を塗膜といい、顔料や樹脂で構成される塗料は、普段はこの塗膜によりコーティングされています。しかし、外壁が長い間雨風や紫外線などにさらされ続けると、顔料や樹脂を保護している塗膜が剥がれてしまいます。すると、塗料に含まれる顔料がむき出しの状態になるため、顔料の劣化が進み、粉状になって外壁表面に浮き出てしまうのです。
塗装は外壁に色をつけるだけでなく、防水や保護という重要な役割を担っているので、塗膜が剥がれた状態で放置してしまうと、そこから水が入り、外壁にかびやこけが発生しやすくなります。さらに、水が入ったり乾燥したりを何度も繰り返すことにより、外壁にひび割れが生じる可能性もあります。
チョーキング現象を起こさないための対策
チョーキングは、塗装に色をつける役割を果たす顔料の成分が粉状になり、外壁の表面に出てくる現象です。顔料を用いる塗料であれば、どのような塗装も基本的にチョーキング現象は起こり得ます。
チョーキング現象を完全に防ぐことは難しいですが、外壁の塗装に用いる塗料の成分を変更することで、保護膜である塗膜の経年劣化を遅らせることは可能です。塗料の種類と、平均的な劣化年数は次のとおりです。
アクリル樹脂塗料……約 2~3年
ウレタン樹脂塗料……約 3~6年
シリコン樹脂塗料……約 6~8年
フッ素樹脂塗料……約 8~12年
※あくまで目安であり、建物の立地条件や顔料の成分によっても異なります
塗膜が保護膜として機能し続ければ、顔料が粉状になって外壁表面に浮き出てくることを防げるため、耐久性の高い塗料で塗装を施すことは、チョーキング現象を防ぐ1つの対策といえるでしょう。とはいえ、塗料には耐久年数以外にもそれぞれに特徴があるので、塗料を選ぶときには必ず、専門業者に相談することをおすすめします。
チョーキング現象が起きてしまったときの対処法
チョーキング現象の確認には、紫外線がよく当たり、雨風が直接当たる劣化が最も激しい部分を用いるのがおすすめです。日当たりのいい南側のバルコニーや2階の外壁で確認しましょう。
チョーキング現象は経年劣化によるものなので、外壁を水で洗い流しただけでは意味がありません。粉を取り除こうとブラシで強く磨く方もいますが、かえって塗装の劣化を招いてしまい逆効果です。
ただし、放置していても自然に改善していく現象ではないので、適切な対処が必要です。主な対処法としては、外壁を塗装し直すことが挙げられます。チョーキング現象が発生している場合、ほかのさまざまなトラブルも同時に発生していることが考えられるので、まずは専門の業者に相談しましょう。専門家の判断のうえ適切に再塗装をおこなえば、表面に塗膜が再構築され、ツルツルの外壁がよみがえります。
再塗装は自己判断でおこなわず、業者に依頼するのがおすすめです。また、業者に依頼する際は、作業手順をしっかりと確認しましょう。
再塗装を業者に依頼する際の注意点
チョーキング現象は、外壁のカビやヒビなどを引き起こす原因の1つなので、急いで対処しなければと慌ててしまう方も多いようです。しかし、そのような弱みにつけこむ悪徳業者も存在するので、再塗装を業者に依頼する際は、次の2つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
1つ目は、「すぐに工事を行わないと、家が壊れますよ」などと、過度に不安を煽るような営業トークを展開する業者に依頼しないことです。たしかに、チョーキング現象を放置することで、いずれ外壁が傷んでしまうことは事実です。しかし、前述のとおり、チョーキングはさまざまな劣化現象のはじめに起こるものなので、早急な対応を要するケースは少ないといえます。悪徳業者ほどチョーキング現象を大げさにいう傾向があるので、そのほかの信頼できる業者を探しましょう。
2つ目は、下地調整をしっかり行ってくれる業者に依頼することです。外壁の塗装は、清掃や高圧洗浄などの下地調整を行ったあとで、塗料を塗る作業である上塗りを行うのですが、この下地調整がとても大切。塗装が剥がれた、浮いたというような塗装後のトラブルの大半は、下地調整の不良が原因で起こるからです。つまり、下地調整を丁寧に行うかどうかが、信頼できる業者であることを見極めるポイントの1つになるといえます。
まとめ
マイホームの外観はいつまでも美しく保ちたいもの。チョーキング現象の発見で再塗装のタイミングを知ることにより、ひび割れやカビ、藻やコケの発生を食い止めることが可能です。「外壁を触ると指先にチョークのような粉が付着する=経年劣化により生じる現象」であることを、ぜひ覚えておきましょう。日頃から外壁を定期的にチェックするよう心がけましょう。
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