地盤沈下前・沈下後にできる対策と注意点を紹介!事前調査や工事について
地面中の水分や空気が抜けてしまうことにより、地面が収縮して起こる「地盤沈下」。放っておくと、最悪の場合、建物の倒壊を招く危険性があります。そこで今回は、地盤沈下を事前に防ぐための方法をご紹介します。あわせて、地盤沈下が起きてしまった場合の対策や、対策を行う際に注意したいことなども見ていきましょう。
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事前の調査と改良を!地盤沈下の事前対策
地盤沈下は事前に対策を講じ、起こさないようにしておくことが重要です。おもな対策としては、以下の3つがあります。
【地盤の調査をする】
地盤沈下を防ぐには、そもそも地盤沈下が起こる可能性の低い土地を選ぶことです。そのためには、自分が建物を建てようとしているところの地盤がどうなっているのかを知る必要があります。
地盤の調査は専門の会社に依頼しましょう。こうした会社では、その土地の地形や環境に関する情報や過去のデータと、専門の機械を使った実地調査で、その土地の地盤沈下の可能性を調べてくれます。
【行政の行っている地盤沈下対策を調べる】
地盤沈下のカギとなる地下水は公共のものです。そのため、自治体のなかには、地盤沈下対策に取り組んでいるところも多くあります。こうした対策をあらかじめ知っておくことで、地盤沈下の可能性が少ない土地を選べるでしょう。
たとえば、千葉県では地下水や天然ガスかん水についての規制を行い、地元の企業と協力しながら、地盤沈下の未然対策を実施しています。また、石川県金沢市では、地下水の保全に加え、地盤沈下対策重点区域を設定しており、地盤沈下が起こりやすい地域を公開して、優先的に地盤沈下を防ぐための方策を採っています。
【地盤改良工事を行う】
直接的な地盤沈下対策として効果的な方法が「地盤改良工事」です。地盤改良工事とは、弱い地盤を強化する工事を言います。地盤改良工事を行うことによって、地盤そのものを強くし、地盤沈下を起こりにくくします。
地盤沈下が起きてしまったら?地盤沈下後の対策
地盤沈下は事前に対策を行えれば最良ですが、いくら対策をしても地盤沈下が起こってしまうことがあります。こうした場合にはおもに「沈下修正工事」を行って地盤沈下が起きた場所を修正していきます。以下で、沈下修正工事の種類をご紹介しましょう。
【ダブルロック工法】
セメント系の薬液を地盤に流し込み、地盤中の水や空気をなくす方法です。岩のように固く、すき間もない地盤ができあがるうえ、もともとの地盤に制限がありません。その名のとおり、まるで岩(ロック)にようにロックされます。
【旧薬液注入工法】
おもにウレタン系の薬液を地盤に注入し、地面のすき間を埋めて地盤強化を行う方法です。基本的なシステムはダブルロック工法と同じですが、ダブルロック工法よりも地盤が収縮しやすくなっています。
【アンダーピニング工法】
ジャッキを使って傾いた部分を持ち上げ、建物を水平に戻していく方法です。ジャッキで水平を調整できるため、将来的に沈下が予想される建物に効果的だと言えます。ただし、ジャッキの打ち込みが支持層までできない場合は、再沈下する可能性が高い点に注意が必要です。
【プッシュアップ工法】
建物をジャッキで上げ、沈下が起こっている部分を水平に直してから建物を元に戻す方法です。比較的費用が安く、工期も短くて済むため、沈下が小さい場合に向いています。
【曳家工法】
建物を一旦別の場所に移動させてから、沈下した部分を修正して、建物を元に戻す方法です。建物をそのまま移動させるため、その分スペースが必要になりますが、建物そのものを沈下したところから移動させたい場合に適しています。
沈下修正工事にはさまざまな種類があり、各社で得意分野が違ったり、独自の工法を確立したりしています。どういった工法が可能なのか、自分に適している工法は何なのか、各業者に相談してみるとよいでしょう。
業者選びが肝心!地盤沈下対策の注意点
地盤沈下対策は、その多くを専門家に頼ることになります。そのため、信頼できる業者を選び、適切な工法を実施することが必要です。
【信頼できる業者を選ぶ】
地盤改良や沈下修正工事などは、信頼できる業者を選ぶのが最優先です。これらの工事では特に経験や実績が大切になるため、実績の多い業者であれば安心できるでしょう。最近では、ホームページに施工事例を掲載している業者も多いため、参考にするのがおすすめです。
また、地盤調査においては「地盤品質判定士」や「住宅地盤主任技士」といった専門技術者がいるか、調査報告書を出してもらえるかなどを判断基準にしましょう。
【適切な工法を行う】
地盤改良工事や沈下修正工事には、さまざまな種類があります。地盤や沈下の状態によって適した工法は違ってくるため、状況に合った工法を選ぶことが重要です。
【相見積もりを取る】
地盤調査や改良工事、沈下修正工事を行う際には、複数の業者から同じ条件で相見積もりを取るようにしましょう。いずれも専門性の高い工事のため、1社だけの見積もりでは、その価格が本当に適切なのかわかりません。なかには、顧客が素人であることをよいことに、高い金額を請求してくる会社もあるため、注意しましょう。
まとめ
地盤沈下は起こる前に対策を採ることが重要ですが、起こってからでも対策は可能です。業者や工法選びに気をつけながら、大切な住宅を守るために十分な地盤沈下対策をしておきましょう。
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