気仙沼発!港町のつくり手〔MAST HANP〕による帆布のシンプルなカバン

東日本大震災から6年。被害の大きかった宮城県気仙沼でオリジナリティあふれる製品を作り続けているカバン工房があります。今年の9月に気仙沼復興商店街南町紫市場の一角に店を構えた〔MAST HANP〕をご紹介します。

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お客さんの声を聞きながら手探りではじめたカバン店

2009年に気仙沼港に近い南町に工房兼お店を開いた宍戸さん。カバンは宍戸さん自らがデザインし、帆布を裁断、ひとつひとつ縫っていきました。

「最初はどのようなものがいいのかわからなかったので、お客さんの声を聞きながら、それを取り込んでいって、カタチにしていきました」

そして起きた2011年3月の東日本大震災。気仙沼の町は地震と津波の影響で壊滅的な被害を受け、宍戸さんの工房も津波で流されてしまいました。

しかしその1ヶ月後に宍戸さんは高台の自宅で仕事を再開。現在に至るまでカバンを作り続け、その結果、〔MAST HANP〕の名は少しずつ世の中に知られるようになっていきました。

気仙沼復興商店街 南町紫市場にショップをオープン

これまで〔MAST HANP〕は、宍戸さんの自宅を工房兼店舗として営業をしていましたが、今年の9月に気仙沼復興商店街 南町紫市場の2階にお店をオープンしました。大きな窓から陽の光が差し込み、宍戸さんの作ったカバンたちをやさしく照らします。

「帆布」とは木綿や麻を平織りにした厚手の生地のことを言います。もともと船の帆に使われたためその名がつきました。〔MAST HANP〕では厚手のもので4号を、裏生地のある薄いものは10号の帆布を主に使用しています。布の縮みを想定し、1枚ずつハサミで丁寧に裁断。厚い布をきっちり均等なステッチで縫っていくには職人ならではの仕事です。

帆布以外の布を用いたりオーダーメイドにも対応

〔MAST HANP〕では帆布のほかに、染色した生地を使った製品も作っています。使うほどに程よく色が抜け、独特の風合いを増す「硫化染め」。洗っても色落ちが少ないうえに耐性が高く、生地の風合いを残したまま染色できる「反応染め」などの生地も使っています。

天然素材の生地は、化学繊維と違ってやわらかな風合いに染まります。しかし厚手の生地を芯まで染め、色あせしにくいように染められる工場は国内にそう多くはありません。独自の味わい深い色合いも〔MAST HANP〕ならではです。

現在はオーダーメイドの注文も多いそうで、色やサイズをお好みでアレンジでき、イニシャルやロゴなど刺繍にも対応してくれます。〔MAST HANP〕の製品はWebショップでも購入することができますが、オーダーメイドはお店に来店できる人のみの対応となり、制作に2ヶ月ほど時間が必要です。

カバン以外の小物も充実したラインアップ

トートバッグをはじめ、メッセンジャーバッグ、ショルダーバッグ、サコッシュなど、さまざまなデザインのカバンを作る〔MAST HANP〕は、小物も充実しています。

色ちがいでそろえてしまいたくなるようなポーチ、何を入れようか楽しみなペン立て、ブックカバーにティッシュケース、ペンケース、などなど。

お店にいるとついつい、あれこれと手にとってしまいます。お店でポーチなどを手に取った際は、プリントされた柄にも注目してみてください。少し擦れた感じの、ダメージ加工が施されたボーダーや水玉模様に気づくはずです。宍戸さんのセンスがキラリと光っています。

〔MAST HANP〕のロゴに描かれる「人」には、いろんな世代の方に使ってほしい、そんな想いが込められているのだそうです。カバンやポーチを持った瞬間、すっと手になじんでいく、やさしい温もりは、そんな作り手の想いの現れなのかもしれません。


●ライター 忍章子

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