カップの下に座った猫が激かわ!裏まで作り込まれた猫陶器が話題

猫、それはあらゆる隙間に潜り込むもの。くつろいだ表情を浮かべた猫が、両方の前足を胸の下にしまいこむように座った“香箱(こ...

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猫、それはあらゆる隙間に潜り込むもの。
【画像】まったりとくつろぐ猫に癒やされる!器の底にも注目

くつろいだ表情を浮かべた猫が、両方の前足を胸の下にしまいこむように座った“香箱(こうばこ)座り”をしているのは布団のようなカップの下!陶製だが、乳白色のカップは見るからになめらかで、柔らかそうな質感だ。「ニャトン フリーカップ」と名付けられたこのカップはTwitterで12.3万いいねを獲得(2021年9月現在)。作者の白亜器さん(Twitter:@hakua_ki)さんが「ぬかりないぞ」とツイートしたように、カップをひっくり返せば、薄ピンク色の肉球に尻尾、体の模様までしっかり作り込まれている。このカップ以外にも猫モチーフの作品を世に送り出している白亜器さんに、猫作品を作り始めたきっかけや、猫の魅力について話を聞いた。

入れ物にしても良し、カップにしても良し、使い方はその人次第な「ニャトンフリーカップ」
裏側の作り込みもばっちり!

活動当初はダブルワークで作陶。猫と子供が転機になって作家一本に

白亜器さんが作家名としている“白亜器”という名前は元々、工房名だったそう。

「窯元に弟子入りをして2008年に独立した後、しばらくは個人名で活動をしていたのですが、生活ができなくなって一度陶芸から離れてまったく関係ない職種に就職したんです。個人名義で活動していた時は自分勝手な事ばかりして自滅した苦い経験もあったので、その戒めとして工房名である“白亜器”で活動することにしました。100%自分の思いではなく、いろいろな人の意見を取り入れてものを作ろうという気持ちからです。作家活動再開時は卵と化石をイメージした作風だったので、白と太古を表す“白亜紀”をもじって“白亜器”という名前にしました」

日中は防災設備士として働き、合間に作陶するという生活が2011年から2019年までは続いたという。転機となったのは2016年ごろから猫をモチーフにした作品が注目を集めるようになったこと。

猫作品第一号の箸置き。このころはシンプルな作りだった
ポーズも柄もさまざまな猫箸置きたち

「手作り市などの屋外イベントに出店する際に、名刺代わりに持って帰れるような手ごろな作品を用意しようと作ったのが猫の箸置きでした。まだその時はデザインとして猫を捉えていたので、あえて顔を作ったりせず、オシャレぶってました(笑)。猫の箸置きが思いの外好評で、そこから“つるしねこ”と名付けたオブジェや“猫香炉”などが生まれました」

そしてもう1つの転機が2019年に子供が生まれたこと。これを機に会社員を辞めて陶芸一本で活動することに。子供が保育園に行っている間と、寝かしつけのあとに作陶をする日々だ。ある程度時間の制約があるなかでの活動は歯がゆかったりしないのだろうか?

「ここ最近はずっと何かの締切に追われ続けているので、作業時間はいくらでも欲しいです。ですが、やりすぎると心が壊れちゃうので、制限時間があるくらいがちょうどいいと思うようにしています」

「自分にしか作れないものを作ろう」と思ってから変わった、作品作りの姿勢

煙管(きせる)を持った猫の中にお香を入れると、猫の口から煙が出てくる“猫香炉”。お酒を1合注ぐと、徳利を持った猫がお猪口1杯分のお酒を注いでくれる“猫徳利”。白亜器さんの猫モチーフ作品は、器と猫を一体化させたアイデアが光る。しかし、現在の作風に至るには葛藤もあったそう。

猫作品を手掛ける以前から作り続けている「たまごカップ」。柔らかなフォルムと色合いが手に馴染む
猫がお酒を注いでくれる「猫徳利」。お猪口に引っかかるようにいる猫もかわいい!

「猫の箸置きが好評だったとはいえ、最初のうちは食器と猫を組み合わせるのには抵抗があったんです。使いにくい、洗いにくいじゃないですか。ましてやシンプルな器をブランドイメージにしているのに、相反するものですよね。ですが、猫作品の反響が大きくなるにつれて、期待に応えたいという思いと、器に関しては自分より上手に作れる人はいくらでもいるし、安くて丈夫な器を作れる大手メーカーもあるのだから、そのなかでわざわざ競争に参加しなくてもいいのではないかと思うようになりました。それよりも自分にしか作れないものを作ろうと。使いやすい器は使いやすい器屋さんで買って下さい、と思うようになってからは遠慮なく猫を組み込んでいけるようになりました。でも、基本は自分が欲しい物、自分が使える物を作ろうと考えているので、使っていてストレスになるような物は作っていません」

また、白亜器さんの作品は猫の表情も特徴。ただ「かわいい!」だけではない、不思議な能力を持っていそうな渋さのある顔立ちが印象的だ。これは「飼い猫の留守番」が猫作品のテーマになっているためだという。

「普段は文字通り“猫を被っている”猫たちが、人間がいないところではどのように過ごしているのかを想像しながら制作しています。人間の真似をして煙管を吸ったり、お酒を飲んでいたりしたらおもしろいな、と」

中にお香を入れると、口から煙が出てくるアイデア作品「猫香炉」

お酒が好きな白亜器さんは、コロナ禍以前はよく居酒屋に足を運んでいたそうで、そこで出会った人たちからもインスピレーションを得ていたそう。

「酔っ払うと喜怒哀楽の感情表現がストレートになるのと、いい具合に脱力しているのでその人達の表情や佇まいを眺めながら、時には武勇伝を聞きながらイメージを具現化しています」

依頼人と会って、話して「その方のために何かを作りたい」

多くの猫作品を手掛ける白亜器さん。家に猫がいるのかと思いきや、今は飼っていないそう。ただ、実家にいた頃は捨て猫を拾って飼っており、そのころの記憶や感触が手に残り、造形の元となっているのだとか。

オーダーメイドで制作した「にゃ体盛り皿」。平べったくしても猫ならあり!と思わせるのが猫の魅力だと白亜器さんは語る

猫の魅力がどこにあるかを聞くと「“猫は液体”と表現されることがしばしばありますが、多少無茶な造形をしても猫の方が形に合わせてくれる寛容さが好きです。例えば、お皿をデザインする時にすごく平べったい形にしても猫に見えるし、骨格を無視したようなポーズを取らせても『まぁ猫ならできそう』と思わせてくれる包容力があります。これは猫にしかない魅力だと思います」と答えてくれた。

今後の目標は「全国各所で展示をする」こと。現在はオーダーフォームから注文を受ける形をとっているが、依頼人と面識があるかどうかで作品のできが大きく変わっていくのだそう。

一輪挿しのニューバージョン「花影で眠る猫」

「オーダーメイドでの作品制作は手紙を書くようなものなので、相手の事を知らないと定型文しか書けなくなってしまうんです。私自身が依頼主の方に興味を持てないと話が盛り上がらないですよね。いろいろな事情が重なって難しくなってしまいましたけど、各地に赴いて、来てくださった方とお話して、その方のために何かを作りたいです」

白亜器さんに思い入れのある猫の姿を形にしてもらったらどんな器になるのだろうか?そんな想像をしながら白亜器さんが自分の街に来る日を待ちたい。

取材・文=西連寺くらら


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