すごいライブ感!AppleMusicの新機能「空間オーディオ」「ロスレス」「ハイレゾ」の楽しみ方

Apple Musicで、6月から新たに聴けるようになった高音質の音源「空間オーディオ」「ロスレスオーディオ」「ハイレゾロスレスオーディオ」。それぞれの特徴や、聴くための手順と必要な機器、対応する音源の探し方などを解説します。

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Apple Musicで、6月から新たに聴けるようになった高音質の音源「空間オーディオ」「ロスレスオーディオ」「ハイレゾロスレスオーディオ」。それぞれの特徴や、聴くための手順と必要な機器、対応する音源の探し方などを解説します。

追加料金なしで高音質音源に対応

今回新たに対応したのは、「空間オーディオ」「ロスレスオーディオ」「ハイレゾロスレスオーディオ」の3種類。いずれの場合も、利用するにはiPhoneをiOS14.6にアップデートしておく必要があります。

現在Apple Musicを利用している人なら追加料金は不要。これまでと同じ月額980円(個人プランの場合)で高音質な音楽を楽しめます。

6月に実施されたApple Musicのアップデートで対応した。画像参照:https://www.apple.com/jp/apple-music/

空間オーディオとは

目の前で演奏されているような臨場感を体験できる

「空間オーディオ」は、音を立体的に聴くことのできる技術。前後左右や頭上など、周囲のあらゆる方向から音が聞こえてくることが特徴です。たとえば、オーケストラの楽曲を再生すれば、実際に目の前で演奏されているかのような臨場感を体験できます。

なお、空間オーディオには、ソニーによる「360 Reality Audio」、米ドルビーラボラトリーズによる「ドルビーアトモス」など、複数のフォーマットが存在しますが、Apple Musicでは「ドルビーアトモス」が採用されています。

空間オーディオの聴き方

空間オーディオの設定は、「設定」の「ミュージック」で「ドルビーアトモス」を選んだ画面から行います。

ドルビーアトモスを選ぶ。

iPhone XR以降のiPhoneの内蔵スピーカーを使って聴く場合や、AirPods、AirPods Pro、AirPods Maxおよび、「Beats」ブランドの対応イヤホンを使う場合は、初期設定の「自動」のままでOK。

それ以外のドルビーアトモス対応ヘッドフォンを使いたいときは「常にオン」を選びましょう。

今回はiPhone 12 Proの内蔵スピーカーで聴くので「自動」を選択。

空間オーディオ対応曲の探し方

空間オーディオの曲を探すときに役立つのが、アプリの「見つける」タブに内にある「空間オーディオ:プレイリスト」という項目。クラシックやジャズ、ロックなどのジャンル別に空間オーディオに対応した曲を集めたプレイリストが用意されています。

まずはここのプレイリストから体験してみよう。

また、「見つける」最下部にある「その他」の一覧で「チル」を選び、「ドルビーアトモスの空間オーディオ」という項目を選んだページからも、空間オーディオに対応した曲やアルバム、プレイリストを見ることができます。

カテゴリ別の空間オーディオ対応アルバムや新曲が紹介されている。

空間オーディオに対応している曲の場合、再生中の画面では、現在の再生時間を示すバーの下に「Dolby Atmos」と表示されます。

再生画面で空間オーディオに対応していることが確認できる。

また、アルバムを表示したときに、再生ボタンの下に表示されるアイコンからも見分けることが可能。なお、この場所には、ロスレスオーディオ対応を示す「Apple Digital Masters」や、ハイレゾロスレスのアイコンも表示されます。

アルバム単位でも対応状況の確認が可能。

ロスレスオーディオ/ハイレゾロスレスオーディオとは

データ欠損のない高音質な音楽を聴くことができる

Apple Musicのような音楽配信サービスでは、元となる音源を圧縮して、データのサイズを小さくしたうえで配信されるのが一般的です。

Apple Musicではこれまで、AAC(Advanced Audio Codec)とよばれる圧縮形式が使われていました。AACの場合、圧縮を行うことでデータサイズは小さくなりますが、音源に含まれる情報の一部は失われてしまいます。

今回、「ロスレスオーディオ」の実現のために新たに導入された「Apple Digital Masters」では、データを完全な状態に保ちながらサイズを小さくすることが可能になりました。それでもAACに比べると1曲あたりのファイルサイズはかなり大きくなるため、ストリーミング時のデータ通信量やダウンロード時の空き容量には注意する必要がありますが、これまでより高音質な音楽を手軽に聴けるようになります。

Apple独自開発の「Apple Digital Masters」で高音質を実現。画像参照:https://www.apple.com/jp/itunes/mastered-for-itunes/

また、「ハイレゾロスレスオーディオ」は、さらに多くの情報を持つフォーマットのこと。Appleでは、「ロスレス」をサンプリング周波数48kHzまで、「ハイレゾロスレス」を、48kHzから192kHzまでのロスレスオーディオとしています。

簡単にいうと、「AAC(従来の形式)」→「ロスレス」→「ハイレゾロスレス」の順に、高音質な音楽を楽しめるということになります。

ロスレス/ハイレゾロスレスオーディオを聴くための設定

ロスレスオーディオやハイレゾロスレスオーディオを聴けるようにするには、「設定」→「ミュージック」の「オーディオの品質」を選び、「ロスレスオーディオ」をオンにします。

「ロスレスオーディオ」をオフにすると、従来の音質で配信される。

続いて、その下の3つの項目で、再生環境ごとにどの形式まで有効にするかを選択します。なお、ここで表示される「高音質」とは、従来形式であるAACのこと。

「モバイル通信ストリーミング」は、スマホのデータ通信を使って音楽を聴く場合の設定。いわゆる「ギガ」を消費する聴き方となるので、データ無制限の通信プランに加入している場合以外は「高音質」にしておくのがおすすめです。

また、「Wi-Fiストリーミング」は、Wi-Fiを使ってネットに接続している状態で音楽を聴く場合、「ダウンロード」は、曲をスマホ本体にダウンロードして聴く場合の設定となります。

ロスレス/ハイレゾロスレスオーディオの再生に必要な機器

ロスレスオーディオは、有線接続のイヤホン、もしくはiPhoneの内蔵スピーカーで聴くことができます。iPhone購入時についてきた有線イヤホンが手元にあれば、それを使うのが手軽でしょう。なお、Bluetoothで接続するワイヤレスイヤホンは、Appleの「AirPods」シリーズを含めて非対応となっています。

iPhoneへのイヤホン同梱は2020年に廃止。ただし、それ以前は毎回付属していたので、持っている人は多いのではないだろうか。

ハイレゾロスレスの場合は、「ハイレゾ対応のイヤホン/ヘッドホン」および「DAC(ポータブルアンプ)」を用意する必要があります。iPhoneのLightning端子にDACを接続し、そこからイヤホンやヘッドホンをつなぐことで、ハイレゾ音源を聴くことができるようになります。

ハイレゾを聴く環境を整えるには、機器の準備が必要になる。

なお、iPhoneでハイレゾを聴く場合に必要な機器については、下記の記事で詳しく解説しているので、あわせて参照してください。

ロスレス/ハイレゾロスレス対応曲の探し方

ロスレスやハイレゾロスレスに対応した楽曲の場合、再生画面に「ロスレス」もしくは「ハイレゾロスレス」のラベルが表示されます。

曲ごとに対応しているかどうかを確認したい場合はここを見よう。

また、空間オーディオの項目で触れたとおり、アルバムのページに表示されるアイコンでも見分けることができます。

ハイレゾロスレスについては、現状で配信されているのは洋楽が中心。先に紹介した空間オーディオ案内ページに掲載されている曲には、ロスレス/ハイレゾロスレスにも対応している曲が多いので、そこから探すのが早そうです。

なお、ロスレスオーディオについては、年末までにApple Musicで配信されているすべての曲が対応すると発表されています。邦楽でも、比較的新しいアルバムを中心に、ロスレス対応の表記が確認できます。

まとめ

Apple Musicで新たに聴けるようになった高音質音源「空間オーディオ」「ロスレスオーディオ」「ハイレゾロスレスオーディオ」。いずれも追加料金なしで楽しめるのが魅力です。空間オーディオは内蔵スピーカーで、ロスレスオーディオは有線イヤホンや内蔵スピーカーで楽しむことができるので、新たに視聴機器を用意する必要もありません。また、ハイレゾロスレスは必要な機器のハードルが少々高いものの、より高音質で音楽を聴くことができます。空間オーディオ対応曲を集めたプレイリストなども用意されているので、Apple Musicユーザーなら、ぜひ試してみてください。

文◆酒井麻里子(ITライター)
スマホ、PC、ガジェットなどのデジタル製品レビューや、アプリ・サービスの解説記事などを執筆。Twitter(

)では、デジタル関連の気になる話題や、ちょっと役立つ小ネタを発信。

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