建築とソーシャルディスタンス 2

ソーシャルディスタンスを確保しようといっても、どれくらい離れればいいのか、いちいち距離を測るのは難しいと思います。
身の回りにあるものの大きさを覚えておくことで、その距離の目安とすることができます。

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新型コロナウィルスの感染が世界的に広がったことがきっかけとなり、「3密を避ける」「ソーシャルディスタンス」という言葉がよく言われるようになりました。
未知のウィルスに対して、その感染拡大を抑えるために何が有効なのか、専門家達は一生懸命に検討を重ねていたことと思いますが、そうしている間にも感染は爆発的に広がり、マスク1つにしても、その有効性に対して様々なことが言われていたと思います。
それは、みんながマスクをつければ安心という簡単な問題ではなく、みんながマスクを求めることで、医療従事者など、本当に必要な人の分が不足してしまうのではないかという懸念や、マスクをつけていても、その衛生状態を清潔に保てない場合、より感染リスクが高まるのではないかという懸念、マスクを求める人同士による争いが起こるのではないかという懸念など、数々の懸念があったからなのではないかと思います。
日夜感染の拡大が報じられ、少しずつ日常生活にも変化が現れてくるような状況で、マスクと同様に事態が複雑化し、どのような人にも当てはまるような対処法は極端になってしまいがちです。
常に冷静でいるのはなかなか難しく、気持ちばかりが焦ってしまいがちですが、自分や大切な人の身を守る方法は、自分で信用のできる情報を探し、自分の置かれた環境や、生活状態を考慮した上で、自分で考え、見つけてゆくしかないのだと思います。

建築とソーシャルディスタンスというタイトルで記事を書こうと思ったのは、その答えを、私が読む人に教えてあげたいというようなことではなく、私自身が、記事を書くことで、新型コロナ後の建築について考える機会としたいと思ったからです。
読んでいただく人にとって、明確な答えを得ることはできないかもしれませんが、何かしらの参考、もしくは考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

前置きが大分長くなってしまいましたが、2回目となる今回は、新型コロナウィルスの感染を防止する為の指針として、ソーシャルディスタンス、つまり人と人との距離の取り方についてどのようなことが示されているのかを見てみたいと思います。

WHO

WHOのホームページ内のadvice for public(2020/04/29更新)には、人と人の距離を1m(3feet)以上離すようにと書かれています。理由は、くしゃみや会話により、ウィルスを含んだ可能性のある液滴が広がり、近すぎる人に吸い込まれてしまうい、感染してしまうということのようです。
混雑した場所にも、人との距離を1m(3feet)離す事が難しく、感染者に接触する可能性もあるので、避けるようにと書いてあります。
ちなみに、1feetは30.48cmなので、1mと3feetとは8.5cm程度の差があります。
あくまでも目安ということであれば1mと考えておくのがいいかもしれませんね。
ただ、1mと言われても、常に物差しを持ち歩いて距離を測ることも難しいと思うので、日常的に身の回りにあるものでその距離感がつかみ、ソーシャルディスタンスの目安にできたら便利だと思い、色々測ってみました。

身の回りにある1mのものとしては、シングルベッドの幅が大体1mだったり、野球のバットの長さが大体1mくらいだったり、畳のサイズは地域によって差があるのですが、一番大きい京間の巾に+4.5cm足したくらいだったり(かなりわかりにくいですね)。

身の回りのものを測ってみると、意外とぴったり1mの長さのものが全然無かったので、日常的に目にするのものの中で、目安となりそうなものを他にも書いてみました。

横断歩道の白線の巾と、白線と白線の間どちらも45cmなので、2本分と少し(+10cm)で1mということになります。白線の長さは3mなので、3等分するとちょうど1mとなります。

厚生労働省

東京でよく見る歩道はこのような感じだと思います。
縁石や側溝の蓋は、大きい方の辺の寸法が60cmのものが多い(そうでないものもあります)ので、3個分で1.2メートル。
東京でよく見るガードパイプは、大きいもので巾が3mなので、3等分すると1mです。

厚生労働省が5月4日に示した<新しい生活様式>の中では、ソーシャルディスタンスの具体的な距離については、
・人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。
と書かれており、WHOよりも距離を広く設定しています。
東京都のホームページ内の、「新型コロナウィルス拡大防止」というページでも、これに倣って2mとしていました。

2mというと、畳の丈よりも広く、横断歩道の白線だとおよそ4本分の距離なので、人との距離をこれだけあけて生活するのはかなり難しそうです。
最近は、スーパーやコンビニでも、レジに並ぶ列に立ち位置をマーキングして、人との距離をとる目安としていますが、2mあけて設定しているところはほとんどないのではないでしょうか。
2mという距離の根拠には、会話やくしゃみなどでウィルスを含んだ可能性のある液滴が飛び散る距離が考慮されているようなので、お互いにマスクをつけていれば必ずしも2mの距離を取らなくてもいいのかもしれません。
それでも、最低1mは確保できた方が安心だとは思うので、身の回りにあるものの大きさを覚えておいて、それをソーシャルディスタンスの目安にするのは有りなのではないかと思います。

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