使い勝手&カッコ良さを両立☆都会派インダストリアルリノベ☆

一昔前ならば生涯の財産として新築一戸建てを購入することって一生の夢でしたよね。でも同じ”一生の夢”でも、今ではビンテージマンションを手に入れて、自分の好きなように自由にリノベーションするスタイルが選択肢の一つとなってきています。だからこそ誰しも失敗はしたくないものです。例えばスタイリッシュな空間と使い易さ、一見相反する要素だって両方GETしたい! そんな欲張りのアナタにピッタリの、オイシいトコ取りなインダストリアルリノベーションのお宅があるとの事。早速伺ってきましたよ!

本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています

howzlife
  • 23117
  • 125
  • 0
  • いいね
  • クリップ

スタイリッシュな拘りと住み易さ、相反するテーマは両立できる?

世の中のデザインの中には、見た目の良さと使い勝手が相反するモノって沢山ありますよね。例えばクルマ。カッコいいの代名詞でよく使われる”ウェッジシェイプ”と言われるフォルムは、前が低く後ろが高い”クサビ形”でしかも全体が低ければ低い程カッコいいわけなのです。例えばランボルギーニなどはスピードを優先するには最適な形状ではありますが、視認性も悪いし積載性は皆無と、デザイン性優先でおよそ道具としての使い勝手は無きに等しいものなのです。つまりデザイン性を高めればある面での機能性が極端に失われてしまう、というのは工業デザインの一つの定説と言えます。

ではインテリアデザインに関してはどうでしょう? こうすればカッコいいけど収納が無くなる、やっぱり見た目は諦めて使い勝手重視で、なんて妥協する事例も残念ながら多いと聞きます。特にスペースや出来る事に限りのある都内のビンテージマンションであればなおさらです。でもそこは(大多数の方々にとっては)一生の買い物。後悔したくない方々に是非、参考にしていただきたいリノベーション物件がコチラなのです。

剥き出しの素材と最新設備が交差するアーバンインダストリアルスタイル

無垢材を使用したフローリングと剥き出しのモルタル。そしてステンレスやスチールを効果的に使うことで無機質でクールな都会的な香りを醸し出しながらも、住空間としての使い易さをも追求したアーバンインダストリアルスタイル。室内窓のベッドルームなど、倉庫をそのまま改築したかのようなドライな空気感と快適な住み易さを兼ね備えています。

閑静な高級住宅が立ち並ぶ、代官山よりの渋谷エリア。そこはまさに憧れのアーバンエリアにある築45年のビンテージマンションなのですが、Sさん夫妻はリノベーションを前提としてその一部屋を購入しました。占有面積66.6㎡と一般的な広さですが、そこは都内の一等地。安いお買い物ではなく、まさに”一生の夢”。だからこそリノベーションも失敗はしたくないと、好みのインダストリアルスタイルに長けたhowzlifeにリノベーション施工をお願いしたのです。

Sさん夫妻は旦那様であるSさんがIT関係のお仕事で、奥様が海外の航空会社に務めるフライトアテンダント。海外暮らしが長く、現在はヨーロッパにお住まいになっていて、普段からお互いが日本と欧州を行ったり来たり、という生活なのだそうです。そんなプロフィールからも想像できる通り、非常に自由なセンスと拘り、そして独特のライフスタイルを持ったご夫婦なのです。

自分たちの夢を形にしたSさんご夫婦。

そんなご夫婦それぞれがこだわった”一生の夢”。それは素材感を大切にしたスタイリッシュな、それでいて長く住むのに必要な使い勝手をしっかり確保した、スマートなインダストリアルスタイルだったのです。

打ちっぱなしのモルタルにステンレス&スチール、そしてウッド使いと、「工業的」を意味するインダストリアルの基本はキッチリ押さえつつ、限りあるスペースをスッキリ見せるために設計されています。日当りの良さを最大限活用した窓側全面に面したLDK空間。そこに隣接するのは大きな開口部を持つ室内窓を設置し、空間を広く見せる効果を狙ったベッドルーム。可能な限り段差を無くしたバリアフリーの床。配管動線スペースまで考慮に入れて容量を確保した各部収納には、スッキリ見せるための目隠しもしっかり考えられています。ご夫婦の気持ちのこもったこだわりを限りある条件内で実現してみせた、howzlifeメインデザイナー黒田さんの自信作を見ていきましょう。

モルタルやスチールなど、硬質な素材使いの中にあって、ホッとさせる要素となっているリビングエリアのウッドフローリング。木目の並びは揃えず、あえてランダムにしインダストリアル感を高めています。
元々あった天井は落とし、土台そのもののモルタルと配管を剥き出しに。これぞインダストリアルのアイデンティティですが、天井が高くなるので開放感が生まれるのも人気のある要因の一つですね。
旦那様が拘ったというステンレス素材を使ったオリジナルのオーダーキッチン。LDKエリアのハイライト的存在となっています。
キッチンは水栓はグローエ、食洗器はMieleなど、ヨーロッパブランドの設備をチョイスしています。

使い勝手を徹底した”すっきりスマートデザイン発想”

キッチンの収納はデッドスペースになりそうな梁を取り囲むように設計。隅々まで無駄なく使えるようにと希望でこのデザインで造作。収納を見せたくないということでウッドの化粧板も設置。

奥様がまず一番にこだわったのは”動線”と”こだわりの最新設備”、そして”収納”でした。どれも使い勝手の良さが”住み易さ”に直結する奥様ならではの条件ばかり。収納はスタイリッシュかつ容量を確保し、海外住みの奥様ならではの使い勝手のいい海外製の食洗器の導入とステンレス仕様を両立させるためにキッチンは造作で施工。そして一番こだわったというフルフラットのフロアは特に水廻り移動でどうしても出来てしまう段差をいかに最小限にしてフラットにするか、という部分で大変苦労したそうです。その甲斐あって、見た目はすっきりとスマートに、そして使い勝手は心地よく、を実現しています。

リノベーションというととかく見て分かるデザイン性や素材使いに目がいきがちですが、実はこうした発想こそ、”生活空間”たる家にとって一番大切なのではないでしょうか。

食洗器はドイツ生まれのMiele(ミーレ)というブランド。その洗浄力の強さと使いやすさが奥様のお気に入りで「オールステンレスのキッチン+Miele食洗機」を実現したい、という夢が。既存の国内製ステンレスキッチンでは海外食洗機は選択できないということで、この食洗機を入れるためにステンレスで造作してもらったとのこと。使い勝手とデザインを重視したポイントです。
エントランスエリアにはシューズボックスの目隠しにはスタイリッシュなミラー貼り。左側のバスルームは、ドアを見れば分かりますが、段差のないフルフラットに。通常、水廻りを移設すると配管の関係上、段差が出来てしまうのですがここも拘り、なんとかバリアフリーにしてもらったのだそうです。
エントランスエリア反対側には収納として2面に渡って(画像には一面のみですが)クローゼットを設置。ここは旦那様の書斎兼多目的エリアになっているとのことで、収納場所としても適切な間取りとなっています。
LDKに隣接するベッドルームはシンプルな造りですが、実はこの画像の反対側にはかなりの容量のウォークインクローゼットがあるのです。ベッドルームの奥という、目立たない場所に、しかも大容量のクローゼットを確保するという見た目だけではない実用に即した設計なのです。

本物の素材にこだわることで時間を刻む楽しさを加味

フロアに使用されるのは、本物の無垢材を使ったウッドフローリングと磁器製タイル。最近増えているセラミック製タイルではない、質感に優れる本物の磁器製ならではの風合いがこだわりなのです。

インダストリアル、というテーマは旦那様の発想だそうです。なかでもこだわったのが”素材”。特に当初からキーワードとして考えていたのが”モルタル””ステンレス””ウッド””スチール”だったそうです。どれもインダストリアルスタイルの定番的な素材ですが、それぞれ本物にこだわることで重厚感を加味しています。一方で人気のインダストリアルアレンジの一つであるエイジング加工はあえて使わないことで、本物の素材がこれから歴史を刻んでいくのを楽しめるようにもなっています。トレンドにあえて乗らず、本物志向を貫く辺りもSさんのセンスの良さが滲み出ています。厚みのある歴史を持つ欧州にお住まいの奥様の影響もあるかもしれませんが(笑)。

ベッドルームの室内窓に使われているのがスチールの窓枠。この重厚感溢れる佇まいこそまさにインダストリアルイメージを高めてくれるものです。大きな開口部に加え、開閉式の上側、はめ込み式の下側と動きのあるコーディネイトも面白いですね。
ドア枠にもスチールを使用。窓枠と質感を合わせて造作。細かな部分の仕上をマッチさせて統一感を出すのも一つのテクニックなのです。

マンチェスター風を取り入れた欧風コーディネイト

サブウェイタイルをキッチンの壁にワンポイントで施工。互い違いにタイルを並べるイギリス貼りを思わせる並びが「らしさ」なのです。

全体のコーディネイトは、インダストリアルを中心に据えながらも、欧州的なテイストでまとめられています。特にお二人でイギリスにご旅行に行かれた際に立ち寄った、インダストリアルとは関連の深い、産業革命の中心地マンチェスターの街並みや家々のディティールをお二人とも大変気に入っていて、その辺りのイメージが基となっているのだそうです。

キッチンやトイレに使われるサブウェイタイルは、俗にいう”イギリス貼り”といわれる貼り方をお手本として施工。ちょっとした設備や調度品もイギリス及びヨーロッパを思わせるアレンジを採用することで落ち着いたお洒落さを上手に演出しています。イギリスの由緒あるPUBにでも訪れたかのようなオトナなスタイルが渋いですね。

トイレも下段部分はサブウェイタイル貼りですが、やはり互い違いに貼り込むことで一風変わった、英国チックな風合いとなっています。
食器棚の取手部分もデザインされたものを採用。無骨過ぎないインダストリアル感が欧州チックなのです。
トイレのノブ部分にはVACANT(空き)の文字があしらわれたお洒落な設備も投入。ちょっとしたところの造り込みが効いていますね。
欧風の照明はシャンデリアなどが好きだと言う奥様のチョイス。

☆デザイナー・黒田さんの今回のドア☆

背の高い、ガラス張りの存在感溢れるドア。元々予算の関係で木枠で製作予定だったのが強度が確保できないとのことで思い切ってスチール製にチェンジ。こだわった甲斐がありました。

さて突然ですが、howzlifeメインデザイナー、黒田さんのこだわりが最も端的に現れるポイント、それが”ドア”なのです。というわけで今回のこだわりのドアがこちら。素材テーマの一つである”スチール”を使い、ガラス面を広く取ることで重厚感と開放感を表現した渾身の作です。エントランスフロアとLDKを区切るドアなのですが、最も拘ったポイントが天井まで届きそうな高さ。これはSさんが絶対やりたい、と熱望されていたポイントなのだそうなのですが、このたっぷりとした存在感はオンリーワン。お部屋全体のハイライトの一つにもなっていて大成功と言えますね。

ベッドルームへのドアもスチールを使い同様のテイストでセレクト。インダストリアル感満点です。

窓側を全面LDKに!すっきりシンプルな間取りに拘る

Befor

元の間取りはリビングダイニングを中央に置いて動線兼用とした3LDK物件。リビングには採光窓がなく、狭苦しい間取りでした。

After

リビングダイニングを広く取り、他の部屋はエントランスフロア&ベッドルームという思い切りのいい2LDKという間取りに変更。LDK以外は用途に合わせて圧縮し、その代わりにクローゼットを充分に取っているのが特徴。デッドスペースを無くした無駄の無い収納は、配管動線などを極限まで圧縮した賜物なのです。

生活を犠牲にしない”スマートインダストリアル”が豊かな日々を生み出してくれます

都会的であり、なおかつ住み易さ、使い易さにまでこだわった”スマートインダストリアル”リノベーション、いかがでした? バブルの頃ならいざ知らず、現代は限りあるスペースを効率的に活用することこそスマートなスタイルと言えます。このSさん宅も同じ。センスとこだわり、そして知恵と工夫を持ってすれば、一見相反する”カッコいい”と”住み易さ”は両立できるのです。それは、一生の夢、としっかり拘る施主さんの気持ちと、それに応えるhowzlifeならではの”住む人の想いや願い”をあますことなく汲み取って形にするハートフルな姿勢があればこそ。

一生住む家だからこそ、見た目にも、そして見た目では分からない住み易さにもこだわって欲張りたい、そんな方は是非一度相談してみてはいかが?

この物件の動画はこちら

家族構成:ご夫婦(現状は子供無し)
所在地:東京都渋谷区 
構造:SRC・12階建
形態:フルリノベーション
面積:66.6平米
間取:2LDK
築年数:45年
施工時期:2016年1月
施工期間:約2ヶ月
費用:リノベ費用約1000万円(税抜) 
施工:howzlife

Text:藤川経雄
Photo:塩谷佳史
MOVIE:小久保直宣(LIMIA編集部)

  • 23117
  • 125
  • いいね
  • クリップ
コンテンツを違反報告する

関連キーワード

カテゴリ

このアイデアを投稿したユーザー

LIMIA編集部の公式アカウントです。手軽な家事の工夫、お得なセール情報、100均グッズ、収納アイデアなど、暮らしに関するオリジナルコンテンツを配信しています。

LIMIA編集部さんの他のアイデア

住宅設備・リフォームのデイリーランキング

おすすめのアイデア