自由にオリジナルデザインで作れるハンドメイド教室〔みちくさアートラボ〕
ハンドメイド好きなら、誰もが一度は訪れたことがある問屋街・浅草橋。その浅草橋に、レジンやプラバン、デコパージュ、レザークラフトなどが楽しく気軽に学べるハンドメイド教室があると聞き、さっそくお邪魔してきました。
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すべてが2時間、1回完結のワークショップ
浅草橋駅から徒歩2分。おしゃれなアトリエのような教室では、レジンやプラバン、デコパージュ、レザークラフト、アクセサリー、雑貨などのワークショップが開催されています。
レッスンをしてくれるのは〔みちくさアートラボ〕のオーナー、シイナさんです。シイナさんはもともとグラフィックデザイナーとして活躍、その傍で、写真を撮ることが好きで、ご自身で撮った写真をインテリアや小物にできたらいいなあ、と思ったことがキッカケで、ハンドメイドを始めたのだそうです。
シイナさんが初めて作ったのは写真を使ったレジンのアクセサリーでした。おうちのネコちゃんの写真をたくさん撮っていたので、そういった写真を使って、アクセサリーを作りました。自分で撮った写真がアクセサリーになったときの嬉しさは今でも覚えているそうです。
それまでまったくアクセサリーづくりをしたことがなかったシイナさんは、浅草橋を訪れ、店員さんが金具の使い方などを教えてくださったそうです。そして、ビーズを繋いだり、丸カンで金具を繋いだりと、ひとつずつ、手を動かし、トライしていくうちに、ハンドメイドの技術が身につき、自分で作れるようになっていったのだそうです。
失敗もたくさんあったそうです。でも、どうしたら失敗なくもっと簡単にできるのか、自分のように不器用な人でも楽しめるクラフトはなんだろう? そんなことを考えながら、ひとつひとつできることを増やしていったのだそうです。
そうして、8年前に浅草橋に〔みちくさアートラボ〕をオープンしました。この棚はシイナさんが「魔法の棚」と呼んでいる、たくさんのアイデアが並んでいる棚です。シイナさんが自分の手で、ひとつひとつ、カタチになるモノを作り、学び得て来たことがここに並んでいます。
「自分でモノを作っていくのはとても楽しいです。ここへは、ほとんどの方が“初めて”“おひとり”で参加されます。どの講座も、初心者の方でも楽しく作れるように工夫をしています」とシイナさん。講座に参加される方の年代も幅広く、ハンドメイドをしてみたいという思いを持って集まって来た方が“作る楽しさ”をここで共有しているようです。
講座はドリンクを飲みながら、2時間で行われます。現在は100種類ほど講座があり、1ヶ月で20講座ほど開講しているのだそう。最大8人と少人数制なので、シイナさんの目も細かく行き届きます。
〔みちくさアートラボ〕のすべての講座は基本的に初心者の方が作れるように工夫がされています。さらに、これまでアクセサリーをまったく行ったことがないという方や、道具の名前もわからず見たこともない、という方向けには“基本シリーズ”を行なっています。このシリーズには、基本のピンワークや、カシメとテグスワーク、最近人気のUVレジンの基本のキを学ぶ講座などが用意されています。
講座では、アクセサリーづくりを趣味で始めてみたい、と思っている方のために、どんな道具をそろえるのか、値段はどのくらいするのか、作品ひとつあたりの原材料費はいくらくらいか、最初に材料を購入する数はどのくらいか、どこのお店で何を買えばいいのか、なども教えてくれるそうです。
「たとえば、ピアスをひとつ作るとしても、材料店では、ビーズが1粒ずつで売っているわけではありません。ですから“こんなものを作りたい”と思ったときに、何がどれだけ必要かの計算ができると、初めての方にも最初の一歩を踏み出してもらいやすいのではないかと思います」とシイナさん。これから始めてみたいなと思っている方はぜひ参加してみたい講座ですね。
材料使い放題で、好きな材料を選んで作れるバイキング方式
〔みちくさアートラボ〕で作るものは、市販のキットなどは使いません。「作る方によってそれぞれデザインは違いますし、みなさん、自分でこんなものが作りたいなと思い描くものがあると思います」とシイナさん。
講座では、教室に目一杯、材料を並べるのだそうです。「材料、パーツは何100種類とあるのですが、そのなかから自由に選んで使っていただきます。ぎっしりと並んだ材料は、選びたい放題です。みなさん好きなだけ使ってやっていますよ。選ぶ時間が全体の半分くらいかもしれないですね。みなさんとっても楽しそうに、あれこれと選んでらっしゃいます」とシイナさん。
夏に人気の花カゴバックの講座。コンパクトなカゴバッグにシルクフラワーをつけ、夏物バッグを作ります。この講座でも、教室にたくさんのシルクフラワーを並べるのだそう。参加された方たちは、たくさん並んだシルクフラワーのなかから、選んでいきます。
「お花も取り放題です。実用を考えると『控えめにしておいたほうがいいですよ』とみなさんにお伝えするのですが、みなさんたくさん盛ります(笑)」とシイナさん。たくさん並んでいるなかから、お花を摘むようにして選び、貼っていく。そんな時間がとても楽しい♪ と評判だそうです。
シルクフラワーの講座は、カバンを作ったら、今度は帽子を、その次はポシェットを、という感じに、ひとつ作ると、また新たなものを作りに来る方が多いそうです。自分の好きなように、自由に作れるというのは大きな魅力ですね。
「講座のあと、ご自宅で再現できるように、講座で使っている材料の仕入先などすべてお伝えしています。来ていただく実感すると思いますが、材料をそろえるって実はとても大変なんです。ここには、いろんな種類の材料がたくさんあります。いろんな種類の材料をたくさん買うって難しいですよね。そのため、ここに来て、たくさん作っていくという方も多くいらっしゃいます」
どこにもない、新しい講座。縫わないハンドメイドと珍しい素材
コサージュやリボン、スマホケースなど、ネクタイの形状を活かして作るネクタイ雑貨。〔みちくさアートラボ〕を立ち上げた当初、シイナさんは、古着屋さんや家に使わなくなったネクタイがたくさん余っているという声を耳にし、ネクタイで小物やアクセサリーを作り始めました。
「裁縫はニガテなんです」というシイナさんが編み出したのは、“縫わないハンドメイド”でした。筒状で裏地のついたネクタイをそのまま生かすのだそうです。縫い目をほどいたり、切ったり縫ったりという作業はほとんど行いません。
たとえばスマホケースなら、ネクタイを3つ折りにし、先端の三角部分をフタに。接着はグルーガンを使います。グルーガンを使ったことがない方には最初に使い方を教えます。
その他、帽子に巻き付けたり、バッグに貼ったり、2本を組み合わせて付け襟にしたりするというアイデアもあります。
こちらは残ったネクタイの切れ端をくるみボタンにしています。ネクタイの裏側のタグもアクセントに利用し、余すところなく使っています。「1本のネクタイで作るバラやダリアなどのコサージュはとくに人気があります」とシイナさん。巻き方やねじり方を変えることで、つぼみになったり、開花した花になったりするのが魅力なのだそう。
この“縫わないテク”は、畳のヘリを使ったアクセサリー講座でも応用されています。ネクタイのみならず、畳のヘリという“新素材”をアクセサリーにするという斬新なアイデア。
「畳の端のピシッと角が立つような“張り感”は、この畳のヘリならではのもの。普通の布にはない質感なので、仕上がるアクセサリーも独特な雰囲気がありますよ」とシイナさん。
講座では、1.5メートルの畳のヘリから、複数のアイテムを作るのだそう。ヘリは100種類くらいの柄を取り揃えています。
小さいサイズのネクタイ《ヘリネクタ》が人気。チェーンを通してこのようにネックレスにします。
コサージュはジャケット、帽子などにもぴったりです。
シイナさんはブレスレットを愛用されています。こちらも縫わずに作り、接着はグルーガンで行います。
人気のUVレジンの講座もさまざま
紫外線をあてることで硬化する透明の樹脂“UVレジン”を使って作るUVレジンアクセサリー。太陽の光でも硬化し、紫外線を照射するUVライトを使うと数分で硬化することができます。
UVライトを使用すると硬化の状態をコントロールでき、マスキングテープやシール、布、和紙、転写シート、ビーズ、ドライフラワー、メタルパーツ、ブリオンなどさまざまな素材をレジンに閉じ込めることができます。
セッティング金具(台座)を使ったレジンアクセサリー。台座を使って作るレジンアクセサリーには、基本のキがたくさん詰まっているそうです。
こちらは発砲スチロールにデコバージュし、表面をUVレジンでコーティングしたボールビーズです。
花びらをレジンでコーティングしています。
花びら1枚1枚を自分で開くところからスタートし、レジンでツヤツヤにコーティングした立体レジン。お花のレジンアクセサリーは〔みちくさアートラボ〕でも人気がありますが、このバラのお花の立体レジンアクセサリーはとくに高い人気があるそうです。
こちらは友禅和紙で折った鶴をレジンでコーティング。折り紙で扇子を折って、コーティングするとタッセル風のピアスに。ツヤツヤでとても不思議な質感です。
〔みちくさアートラボ〕ではUVレジンを使った講座はいろいろと行っています。どの講座も、それぞれ違った切り口でのUVレジンの使い方を学ぶことができます。
「それぞれの講座内容はすべて、異なる視点、違ったやり方で構成しています」とシイナさん。同じ材料に違う種類の技法を施したり、新しい手法を従来のやり方にミックスするなど、アレンジしやすくなるように工夫しているとシイナさんは言います。そのため、気になる講座をいくつか受講していくうちに、自然とハンドメイドやクラフトについての体型的な知識が深まるのだそう。
「ハンドメイドやクラフトに慣れ親しんでいる方も、何かと何かを掛け合わせてできる科学反応をお楽しみいただけると思います」とシイナさん。今までやってきた手法に何かひとつアイデアを加えたい、自分の表現の幅を広げたい、違った環境で作ってみたいという方もぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。
【みちくさアートラボ】
●住所 東京都台東区浅草橋1-31-4 大原第三ビル3階B室
●電話 080-5687-6730
●ライター 忍章子
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