【小さなお店 #5】春支度を楽しくする。おもちゃ箱みたいな文房具店

出かけた先で出合った、懐かしい味わいの老舗洋菓子店。セレクトセンスがピタリとはまったクラフトショップ。この連載では、そんな、見つけたことでその街に通いたくなるような、通ううちに思い出のエピソードでいっぱいになっているような「小さなお店」を紹介しています。

今回ご紹介するのは、個人的にも思い出深い、吉祥寺の人気文房具店。「懐かしい」あれこれから「新しい」アイテムまでがぎゅぎゅっと詰まった、“吉祥寺らしい”お店です。

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“暮らしを楽しむ街”吉祥寺で客足絶えない、文房具と雑貨の店〔36 Sublo(サブロ)〕

住みたい街として不動の人気を誇る吉祥寺。買い物をするにも外食をするにも困らず、自然も豊富とあって、暮らしに関することなら吉祥寺だけで事足りてしまう、豊かな街です。暮らしを楽しむためのアイテムが買えるお店も多く、今回ご紹介する〔サブロ〕もそのひとつ。

場所は、吉祥寺駅からほど近く。吉祥寺通り沿いに建つ古いビルの2階。ビルの前に立て看板がありますが、少し目線を上げて歩けば窓の大きな「36」というロゴが目に入るので、その方が探しやすいかもしれません。

階段を上ると、レトロな扉の向こうから、あたたかな光が出迎えてくれます。

一歩中に入れば、ひと目で見渡すことのできる、ところせましと並べられた文房具や雑貨たち。アイテムの種類がとにかく豊富で、まずはどこから見ようかと二歩目をためらってしまうほど。

店内で使用されている什器は、ヴィンテージのものが多いのですが、中でも印象的なのが、レジの奥で在庫管理に使用されている薬品用の木製棚。たしかに、引き出しがたくさんついていて、アイテム数の多い「サブロ」の在庫管理には使い勝手がよさそう! モノ選びのセンスが表れていますよね。そう、ここには、アイテムの数以上に、店主・村上幸さんのセンスが詰まっているんです。

キュンとするレトロな文房具や雑貨の宝庫。オリジナルや関連商品も

わたしが初めてこちらを訪れたのは、息子がまだ生まれて間もなかったころ。パッと目に飛び込んできた、ライオンのイラストがかわいい《ナイスおどうぐばこ》(1,728円、税込)がどうしても買いたくて。ちょうど収納方法を悩んでいた息子用の体温計やベビー用爪切り、スキンケアクリームなどを入れようと購入。用途は後づけでしたが、約6年が経ったいまも、中身を少しずつ変えながら、愛用しています。

あとから知ったのですが、このライオンのイラストは福田利之さんによるもので、〔サブロ〕オリジナルの商品なのだそうです。そのほかにも、ノートやボールペン、ハンコ、マスキングテープまで、ほとんどのカテゴリーにオリジナル商品があり、文房具界から信頼され、実行力ある村上さんの人柄が見て取れます。どれもベーシックなようでいて、他の文房具店では手に入らないレアなアイテムだらけ。

黒板と黒板消しのストラップ、ミニサイズの水のりや鉛筆、小さな原稿用紙風の便箋、その名も《チビセン》などは、ミニチュア好きにはたまらないのではないでしょうか。

また、雑貨好きには知られた存在の《おはぎやま》シリーズも、実は村上さんが関わるプロダクト。関西出身の村上さんが、関東出身のデザイナー植木明日子さんと一緒に始めた〔西東〕という雑貨ブランドの第一弾として生まれたキャラクターなのだとか。番付は小結、得意技はうっちゃり。好きなおやつはチーズおかきで、趣味はなんとキックボード! その風貌から細かい設定まで、なんだかクスッと笑わせてくれる《おはぎやま》。ひと目見たら忘れられない。知れば知るほど気になる!

そのほか、“のり”ひとつとっても、水のりからスティックのり、懐かしい《わんこのり》(183円、税込)まで、たまらない品揃え。缶入りの輪ゴムも、「輪ゴムってこんなにオシャレだったっけ?」と思わず手に取ってしまいます。ああ、本当に時間ってあっという間……!

文房具を愛し、文房具の神様に愛されたお店。ルーツは実家の文房具店

〔サブロ〕のルーツは、村上さんの地元、京都。ご実家が文房具店を営んでおり、店名の由来は、お祖父様の名前なのだとか。レジの横に飾られている、ご実家で使用されていた温度計と、幼少時代の村上さんとお祖父様も写る家族写真が、店内の温かい空気感と懐かしさを、より濃いものにしています。

開業当初の〔サブロ〕は、現在のように人通りの多い道路沿いではなく、路地裏にありました。3人入ればいっぱいになるような小さなお店で約6年間営業したのち、2010年に今の場所へと移転したそうです。

場所が大きな通り沿いになり、お店がちょっぴり広くなり、村上さんの関わるプロジェクトは吉祥寺を飛び出して全国へ。期間限定の特集的なスペースも見応えたっぷり。(※写真は現在展開されている〔夜長堂〕の「モダンJAPAN復刻ペーパー」)これからも、ここから何が生まれるか、楽しみです。

【36 Sublo(サブロ)】
●住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-4-16 2F
●電話:0422-21-8118
●営業時間:12:00〜20:00
●定休日:火曜

●醍醐由貴子(だいごゆきこ)
ライター。女性誌から男性誌まで、ジャンルはフードからライフスタイルまで、幅広く活動中。すっかり意見するようになった息子に助けられつつ、日々奮闘しています。

●写真 さくらいしょうこ

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