撮り鉄の「食」の思い出(18)ミレニアムなローカル線、肥薩線で駅弁三昧(出発編)/2009年~2017年

歴史ロマンを求めて旅をするならば、100年を越える駅舎や鉄橋、大正時代のSLまで残っている肥薩線がイチバン。普通の本線ならば、時代の移り変わりで駅舎などもどんどん変わってゆくものですが、この路線は鹿児島本線が新路線に切り替わりローカル線となったために、まるでタイムカプセルのようです……。

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ミレニアムなローカル線、肥薩線で駅弁三昧(出発編)/2009年~2017年

歴史ロマンを求めて旅をするならば、100年を越える駅舎や鉄橋、大正時代のSLまで、そのまま残っている肥薩線がイチバン……。

熊本県と鹿児島県を結ぶ肥薩線。

今でこそ1~2両のディーゼルカーや観光列車が走るローカル線だが、元々は鹿児島本線の一部でした。

1909年に全線が開通1927年に海岸線の線路が開通するまでの間は、九州のメインルートだったんです。

そのため駅舎はかなり立派に作られていて、ホームも基幹路線規格で長く作られています。

普通の本線ならば、時代の移り変わりで、駅舎などもどんどん変わってゆくものですが、この路線は鹿児島本線が新路線に切り替わりローカル線となったために、しっかりと作られた駅舎がそのまま残っていて、まるでタイムカプセルのようです。

[明治時代にアメリカで作られた鉄橋が今も使われている。
 大正時代の機関車に牽かれたSL人吉が走る(2017年)]

この路線の人気者はオンシーズンの金曜日~月曜日を中心に走るSL人吉。

3両の客車を牽いて走ります。

機関車は大正生まれ、一時は廃車になって飾られていましたが、その後復活を遂げました。

一勝地駅も、すでに開業110年。
改装はしているものの、
当時の建物が残っている(2016年)

デゴイチなどの、昭和の大きな機関車はボッボッと太くて迫力のある音で走るのですが、この機関車はタッタッと歯切れの良い音で走ります。

なかなか、かわいい音なので、乗るときには音も楽しんでください。

[歯切れの良い音で走る8620型機関車。通称ハチロクが牽引するSL人吉(2012年)]

今回の本題は、旅の思い出を楽しく彩ってくれる「駅弁」です!

さて、この肥薩線は駅弁でも有名な路線です。
 
まずは起点となる八代駅の『鮎屋三代』。

この駅弁は、八代駅や新八代駅で主に売られているのですが、SL人吉に熊本駅から乗る場合は、熊本駅でも買えるので、こちらで買ったほうが、間違いなさそうです。

SL人吉停車中に
八代駅で鮎屋三代を売ることもあるが、
熊本駅で購入したほうが
確実に食べられる(2009年)

九州の駅弁ランキングでも
上位にランクされる
人気のシリーズだ。

まずは、オリジナルの『鮎屋三代』。

球磨川で獲れた天然鮎の骨と身の出汁で炊いたご飯に、じっくりと煮込んだ大きな甘露煮がど~んと乗っています。

まずはご飯だけ。

ふわっと甘い香りの贅沢な炊き込みです。

途中からは甘露煮を。

骨まで柔らかくビールが進みます。

[オリジナルの鮎屋三代。やわらかい甘露煮がおいしい(2017年)]

続いて、近年作られた『鮎屋三代塩焼き』。

ごはんはオリジナルと同じですが、こちらは、がっつり塩焼きが乗っています。

煮込んだものと違って骨は食べられないのですが、鮎の香りがしっかりとして鮎好きにはたまりません。

ちょっとだけ上級者向けでしょうか。

[鮎屋三代塩焼き、鮎の香りが広がります(2017年)]

景色を楽しみながら頬張る車内販売のお弁当も格別!

SL人吉の車窓からは、雄大な球磨川が見え続けます。

鮎の育った球磨川を見ながらの駅弁は、より美味しく感じます。

[SL人吉の車窓には、球磨川と汽車の煙が広がる(2009年)]

乗車している客車の中は、木がふんだんに使われていて、暖かい感じがします。

3両編成の前後には展望の大きな窓があって、前では機関車が、後ろでは広い風景が楽しめます。

車内で売っている弁当は『おごっつお弁当』。

白飯と赤飯のおにぎりとおかずが包まれています。

シンプルなのですが、車窓から目を離さなくても楽しめて、おにぎりはうれしいです。

もちろん味も素朴で大満足のお弁当でした。

客車前後には、
大きな窓の展望スペースも
ある(2009年)

[SL車内で買える『おごっつお弁当』、シンプルさがいい!]

SL人吉は3月~11月の金曜~月曜日を中心に運転されます。

運休日もあるので、旅をするときには、時刻表などで確認してから計画してください。

次回は、肥薩線到着編です。

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”。初めて鉄道写真を撮った小学生のころから約50年。鉄道カメラマンなのに、列車に乗ると走るシーンを撮影しにくいので、撮影の8割はクルマで移動。そんなワケで1年のかなりの期間をクルマで生活しています。ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。

 主な著作に「富士鉄」(講談社)「新幹線ぴあ」(ぴあMOOK)「鉄道ムービー入門」(玄光社)「ひつじがすき」(山と溪谷社)など多数、映像集に「感動の美景鉄道」(MAXAM)「日本の新幹線・特急」(シンフォレスト)など、担当番組に「素晴らしき日本・鉄道の旅」(BS-TBS)など

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