屋根塗装における色選びのコツを伝授！気をつけたい3つのポイントとは？

【ポイント1】外壁や周囲の環境とのバランスを考える

もっとも大切なのは、「家全体の色のまとまり」です。特に、家の大部分を構成する屋根と外壁の色がマッチしていないと、家全体がちぐはぐな印象となり、落ち着きがなくなってしまいます。そのため、屋根と外壁は基本的に色の系統を統一しましょう。一体感のあるバランスのよい家を目指している方は、「ちょっと地味かな」と思えるくらい同系色でまとめるのがおすすめです。

また、周囲の環境とのバランスを考えた色を選ぶことも重要なポイント。いくら好きな色だからといって個性的な色を選んでしまうと、自分の家だけが浮いて見えてしまう場合があります。屋根の色が街の雰囲気に馴染まず、あとあと「もう少し周りに合わせておけばよかった……」と後悔しないためにも、自分の家のバランスだけでなく、周囲の家や建物とのバランスも意識したうえで色選びをしましょう。

周りを考慮しつつも、ちょっとほかとは違う色にしたいという場合は、周りの色に合う組み合わせを考えると選びやすいです。例えば周囲の建物にブラウン系が多いのであればオレンジやベージュ、白っぽい色が多いのであればブラウンやグレーなど、周囲の色とコーディネートする感覚で選ぶとよいでしょう。

ちなみに、地域によっては「景観ガイドライン」が作成されている場合があります。これは国土交通省が定めているルールで、一言でいえば「周りと色を合わせましょう」というものです。ガイドラインの中で塗装できる色が限られていることもありますので、あらかじめ確認しておきましょう。

【ポイント2】「面積効果」に気をつける

面積効果とは、同じ色でも大きさによって色が違って見える視覚現象のことです。これを知っていないと塗装前のイメージと仕上がり後の印象にギャップが生じてしまい、後悔につながります。実際に面積効果による失敗談はよく聞かれるため、注意しましょう。

面積効果による色の見え方の違いは、以下のとおりです。
【明るく鮮やかな色】小さい面積で見るより大きい面積で見るほうがより明るく鮮やかに見える
【暗い色】小さい面積で見るより大きい面積で見るほうがより暗く見える

基本的に屋根塗装の色を選ぶ際は、わずか数センチ四方の小さい色見本を参考にして選びます。そのため、実際の屋根に塗ったら、色見本で見た色と違って見えたということが起きやすいのです。

この面積効果による失敗を防ぐためには、色見本を見て明るい色であれば1トーンか2トーン暗めを、暗い色であれば明るめを選びましょう。また、実際の住宅を見て回ったり、塗装業者にアドバイスを求めたり、色見本だけでなくほかの要素を参考にしながら選ぶことをおすすめします。ある程度色を絞り込めたら、できれば大きめサイズの色見本を作ってもらえるよう業者にお願いしてみるのも1つの良策です。

【ポイント3】屋根は外壁よりも汚れやすく、色が変わりやすいことに注意

屋根は雨風の影響を受けやすく、そのぶん汚れやすいといった特徴があります。白は人気の色ですが、実際には汚れが目立ってかえって汚い印象を与えてしまう可能性があり、汚れやすさの観点で考えるとあまりおすすめできません。

また、屋根は多くの紫外線を浴びるため、外壁に比べると早く色あせます。例えば、赤や青など原色に近い鮮やかな色を選んでしまうと色あせが早く進み、古い印象を与えてしまうこともあります。もちろん定期的な塗り替えをおこなえば劣化を防ぐことができますが、経済的に大きな負担が生じることは避けられません。

汚れや色あせが目立ちにくいことを最優先で考えるのであれば、グレーやブラウン、ベージュなど落ち着いた色を選ぶようにしましょう。それでも、白を選びたいという場合には、明るいグレーやブラウンを選ぶといいでしょう。日の光が当たると、色見本で見るよりも白っぽく見えます。また、近年では汚れにくい、高性能な塗料も多数登場していますので、そうした塗料を使うのもおすすめです。ただし施工が難しかったり、費用が高額になってしまったりといったデメリットもあるため慎重に検討しましょう。

まとめ

センスが問われると思われがちな屋根塗装の色選びですが、実際はセンスだけで決めるのではありません。外壁や周囲環境とのバランス、面積による色の見え方の違い、汚れや色あせ対策など、気をつけるべきポイントがたくさんあります。

色味がなかなか決まらず迷ったら、街を歩いていろいろな家の屋根塗装を参考にしてみるのもよいでしょう。そして屋根塗装業者からアドバイスを受けながら、何年経っても飽きの来ない満足できる色選びを目指しましょう。