元金融機関社員が語る「貯蓄上手」になるたった1つのコツ

今回は、老後破産を防ぐコツとして「貯蓄ベタの人の共通点」をお話したいと思います。

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貯蓄下手に共通する行動4選!

今年は値上げラッシュが続いています。

少し前になりますが、2022年8月22日、家電大手のパナソニックは一部製品を約2~33%値上げすると公表しました。

8月の冷蔵庫・食器洗い乾燥機・電気カーペット類につづき、9月はヘアドライヤー・ブルーレイプレイヤーなども値上げ対象になっています。

買い替え頻度こそ少ないものの、「一度で大きい金額になりやすい買い物」は貯蓄下手さんにとって悩みの種であることが多いですよね。

日常で必要な買い物にも苦労するようなら老後はどうなってしまうのか…と先が思いやられる人もいるかもしれません。

そこで今回は、老後破産を防ぐコツとして「貯蓄ベタの人の共通点」をお話したいと思います。

【注目記事】厚生年金だけで「ひと月平均20万円以上の年金収入」という羨ましい人は男女で何割か

【図解でわかる】家計の見直しポイントとは?(出所:金融庁)

1. 老後破産者はどれくらいいるのか

そもそも、老後破産は現実的におこるのか、想像しにくい部分ではありますよね。

参考として、日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会が47都道府県の50地裁全てを対象におこなった「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」を検証しておきましょう。

破産者全体の負債をおった原因18の選択肢のうち、上位5項目は以下のとおりです。(複数回答可、その他を除く)

生活苦、低所得 61.69%

病気、医療費  23.31%

負債の返済(保証以外) 20.48%

失業、転職 17.58%

事業資金 16.13%

生活用品の購入 14.76%

「破産」という言葉から連想されがちなギャンブルは7.18%、浪費・遊興費は11.37%と「生活用品の購入」よりも低い割合です。

2011年以降、給料の減少を原因とする割合は16.13%→9.60%まで減少傾向にあるため「全体として月収は増加傾向にあるが、家計負担も増加傾向にあり、結果として生活苦に陥っている」と推察されています。

なお、老後の入り口である60歳代の破産者は16.37%。70歳代以上は9.35%となっており、破産者全体の4分の1を占めているようです。

ギャンブルや浪費よりも「生活のためにお金を借りる」人は多く、貯蓄をもたずに老後を迎えることになれば老後破産は他人事では済まないといえるでしょう。

2. 貯蓄下手に共通する行動4つ

もともとの所得の問題で生活するだけで精一杯という人もいるとは思いますが、ここでは一般的な年収があっても貯蓄ができない「貯蓄下手さん」に共通する特徴をみていきましょう。

2.1 〈貯蓄下手に共通する行動その1〉不必要な買い物が多い

派手な浪費よりも発見がむずかしいのが「小さい出費を日常的に続けてしまう人」です。

たとえば、ブランド物のバッグや小物を毎月買っていて貯蓄ができない場合は原因が明確です。また、本腰を入れて貯蓄を始めようと思えば高額なブランド品を買い控えるだけで効果はテキメンです。

しかし、「テレビのつけっぱなし」「ジュースやお菓子を常備している」「20%引きなどの商品に目がない」など日常でついた細かい買い物癖ほど自覚しにくく改善も難しいのです。

金融庁「基礎から学べる金融ガイド」

筆者の知人で貯金ができないと言う人の中には、1台のスマートフォンに対して短期間でケースをいくつも買い足したり、ケーキ屋さんの前を通ったからという理由でスイーツを買ってくるようなタイプがいます。

単体の価格がそれほど大きくないことも影響して、本人は「金遣いが荒いわけでもない」と認識している節があるのですが、周りからみると不必要な買い物が多いのはあるあるです。

2.2 〈貯蓄下手に共通する行動その2〉貯蓄をする理由があいまい

そもそも「何のために貯蓄をするのか」があいまいな人は、お金が貯まりにくい傾向にあります。

世間的に老後にむけた貯蓄はしておいた方がいいという認識が浸透しているものの、なんとなくで貯めたお金は、なんとなく使ってしまいがちです。

その結果、お給料のあまりが一旦貯蓄のような形で口座に入ってはいても、買い物や遊興費などで「いつの間にか無くなっている」という状態を繰り返すことに。

このためにお金を貯めたい!という理由がないと「貯金ができない月があっても気にならない」ことも要因で、必然的に貯蓄に対する意識が希薄になってしまいます。

2.3 〈貯蓄下手に共通する行動その3〉貯蓄の目標額が定まっていない

貯蓄をする理由とあわせて、目標額を決めるというのも重要なポイントです。

自分のなかで具体的な貯蓄をする理由ができると、「そのためにはいくら必要か」というステップにすすみ自然と目標額が定まってきます。金額は、ご自身のライフプランを参考に考えるといいでしょう。

出所:金融庁「投資の基本」

退職予定の65歳までに3000万円など目標にあわせて月々に確保するべき貯蓄額を逆算し、淡々とその金額を先取りしていくのが成功への近道です。

大きな金額が貯まるまでには長い年数がかかるため、理由も目標もなければ途中で挫折してしまうこともあるでしょう。

また、仮にある程度まとまった貯蓄ができたとしても「その金額が老後どの程度助けになり、どの程度まだ足りないのか」が不明確になります。

「ちょっとくらい使っても良い」という気持ちが芽生えることにも繋がり、貯蓄をがんばった自分へのご褒美で貯蓄から散財してしまい、結果としてお金が貯まりきらない傾向があります。

2.4 〈貯蓄下手に共通する行動その4〉口座の使い方が下手

貯蓄が下手または苦手な人は、高い確率で口座をうまく使えていません。

基本的には、「口座の使いすぎ」と「口座を1つしか使っていない」の2つに大別できます。

口座を使いすぎて失敗する人は、引き落としがかかる口座を複数つくってしまうことで合計の支出が自分の推測を超えてしまう傾向にあります。

引き落としの用途ごとに口座を分けてもきっちり管理できる人なら問題ありませんが、お金の流れを把握するのが苦手な人は支払いに使う口座をまとめることをおすすめします。

一方の口座をひとつしか使っていない人は、給与口座と貯蓄口座が同じ状態をさします。

A銀行に給与が振り込まれ、各種引き落としはA銀行、残ったお金を貯蓄するのもA銀行というのが典型的です。

先月から残ったお金に次の月の給与が合算されてしまい、貯めていくお金と使っても良いお金の線引きが複雑になってしまいます。

給与受け取り口座と引き落とし口座を同じにすることは問題ありませんが、貯蓄専用口座は別で準備しましょう。

3. 貯蓄上手になるには、勝手に貯まる「仕組み」をつくること!

毎度「このお金を貯金する!」と意気込むと、続けるのが精神的に負担になってしまうこともあります。

しかし、貯蓄を順当に増やすにはコツコツ継続しなければなりません。

ラクに貯金を続けたい人は、「月の収入が入ったら自動的に貯まる仕組み」をつくるのがおすすめです。

財形貯蓄・自動積立の定期預金・個人年金保険・つみたてNISA・iDeCoなど、掛け金が自動で引き落とされる制度や金融商品を取り入れると簡単に仕組み化ができます。

金融庁「つみたてNISAつみたてNISA早わかりガイドブック」

ただし、手元に緊急時にすぐ動かせるお金がない場合は「給料が入ったらまずは2万円貯金する」など最低これだけは貯金に回すと決めた金額を「貯金専用口座」に移しましょう。

先取り貯金の習慣さえ身に付いてしまえば、その金額を金融商品の掛け金に変えるのはむずかしいことではありません。

老後破産を防ぐためにできることを、今日から始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

パナソニック「国内向け家電製品の出荷価格改定のご連絡」

金融庁「基礎から学べる金融ガイド」

金融庁「投資の基本」

金融庁「つみたてNISAつみたてNISA早わかりガイドブック」

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