平均年収が30年以上変わらない日本。年収400万円は何割か

バブル崩壊以降、日本が歩んだ「失われた30年」は、世界とどのくらい差を生んでいたのでしょうか。

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IMF(国際通貨基金)が公表した2022年世界のGDPをもとにすると、日本はアメリカ・中国につぐ世界第3位の経済規模を維持しています。

ところが、いまの日本人の平均年収は世界の平均よりも低い。

バブル崩壊以降、日本が歩んだ「失われた30年」は、世界とどのくらい差を生んでいたのでしょうか。

【注目記事】厚生年金だけで「ひと月平均20万円以上の年金収入」という羨ましい人は男女で何割か

1. 世界で何番目?日本人の平均年収の推移

OECD(経済協力開発機構)の世界の平均賃金データ2021によると、日本人の平均年収は4万0849ドル。1ドル110円で換算して約450万円ほどになります。

2020年にくらべると一時的に2654ドルほど増加していますが、1990年の約3万8000ドルからほとんど変わらない水準をただよっています。

OECD加盟国の平均である5万2436ドル(年収600万円前後)からは大きく下回り、順位でみても34カ国中24位という結果です。

【画像】怪しい副業・アルバイトのトラブル(出所:国民生活センター)

2. この30年で世界の平均年収はどのくらい上がっていたのか

1990年-2020年までの30年間で、世界の平均年収はいくらになっていたのか主要7カ国を比較してみましょう。

日本‥‥‥3万6739ドル→3万8194ドル(1.04倍)

アメリカ‥4万8789ドル→7万2817ドル(1.49倍)

イギリス‥3万3334ドル→4万8718ドル(1.46倍)

カナダ‥‥4万0576ドル→5万6258ドル(1.39倍)

イタリア‥3万9746ドル→3万8686ドル(0.97倍)

フランス‥3万5939ドル→4万6765ドル(1.30倍)

ドイツ‥‥4万1995ドル→5万6015ドル(1.33倍)

日本とイタリアをのぞく主要な先進国では、年収が1.3~1.5倍に上昇しています。

1990年の3万6739ドル(約400万円)を基準とした場合、日本人の平均年収も1.3倍であれば約520万円。1.5倍であれば約600万円になっていたかもしれません。

しかし日本にかつての勢いは無く、世界の経済成長から取り残されているのが実態だと言えるでしょう。

もちろん国によって雇用制度や失業率などが異なるため、平均年収だけで「良いか悪いか」を判断することはできません。

ただし、このまま日本人の年収はほとんど変わらず世界の賃金水準や物価だけが上がっていった場合、私たちの生活にどういう影響が出るかは考えておかなくてはいけません。

3. 日本のサラリーマンは何割が年収400万円台なのか

ここで、国税庁「民間給与実態統計調査(令和2年)」から日本人の年収について深掘りしておきましょう。

出所:国税庁「民間給与実態統計調査(令和2年)」

「給与」「人間関係」「勤務時間の柔軟性」など、働き方を選ぶ上で重視する条件は人により異なりますが、給与水準に焦点をあてると給与所得者全体の平均年収は433万円です。

といっても正規雇用者は平均496万円・非正規雇用者は平均176万円とおおきな賃金格差があり、全体平均の年収400~500万円に該当するのは14.6%にとどまっています。

また、年収400万円未満の割合は55.1%、つまり半数以上の人が平均年収以下という状況です。

賃金や物価は経済成長にあわせて上がっていくのが本来あるべき姿ですが、日本経済は30年間も低迷したまま。

賃金は変わらず税や社会保障の負担は増え続け、消費や購買意欲が低下する。さらに経済が低迷するという負のスパイラルから脱却できる日はくるのでしょうか。

4. 副業トラブルの増加に注意

伸び悩む年収を打破するため、若年層を中心とした副業の波がひろがっています。

収入源を増やすことで金銭的な不安を払拭することが期待できる一方、国民生活センターに寄せられるトラブルの相談件数の増加も。

出所:独立行政法人 国民生活センター「若者向け注意喚起シリーズ〈No5〉」

「簡単に稼げる」「気軽に始められる」と強調するインターネット広告やSNSの副業情報

報酬を受け取るために必要などとして登録料・サイト利用料等で高額な請求をされる

荷受代行、荷物転送

上記のような勧誘に対して注意喚起がおこなわれています。

販売資格の有無や、行政の認可をうけた事業者かどうか確認することでトラブルを未然に防ぎやすくなりますので副業を調べる際にはチェックしておきましょう。

5. 自分が働く or お金が働く

将来に不安を感じながらも、「副業は働く時間が増える」「いまを楽しむことも大事にしたい」と考えている人もいるでしょう。

そんな人は銀行においてある貯金の一部や、これから毎月貯金する予定のお金を資産運用に回すのもよいでしょう。

遊んでいるときも寝ているときも「お金が働いてくれる」という点は、副業との大きなちがいです。

資産運用は、はじめてすぐに今の暮らしが劇的に良くなるというものではありませんが、じっくり時間をかけて資金を育てることを意識するのが失敗しないコツです。

参考資料

IMF(国際通貨基金)「世界のGDP」

OECD(経済協力開発機構)「世界の平均賃金データ2021」

国税庁「民間給与実態統計調査(令和2年)」

独立行政法人 国民生活センター「若者向け注意喚起シリーズ〈No5〉」

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