「若いうちにやっておけば良かった」熟年夫婦が後悔していることから、いま学べるものとは

松井証券が行った「夫婦の家計管理事情に関する調査」によると、若い時にやっておけばよかった後悔の3位は「定期的な運動」でした。では、ほかに熟年夫婦が後悔していることは何でしょうか。5位まで確認しましょう。

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「後悔先に立たず」とは言いますが、生きていれば人生の節々でふと「あの時こうしていれば良かった」と思う場面はあるかもしれませんね。

少し前の統計になりますが、松井証券が全国の結婚2年以内の20~30代男女400名(以下、若年夫婦)、結婚30年以上の50~60代男女400名(以下、熟年夫婦)合計800名を対象に行った「夫婦の家計管理事情に関する調査」によると、若い時にやっておけばよかった後悔の2位は「定期的な運動」でした(2020年6月30日公表)。

運動はした方が体に良いと分かっていても、興味のある人でなければ続けるのは億劫になってしまいます。「いつかやろう」と思いながらいつまでもはじめず、老後になって後悔する人も多いでしょう。

では、ほかに熟年夫婦が後悔していることは何でしょうか。新型コロナウイルスの感染が拡大しておうち時間の増える今、先輩たちの後悔から今からすると良いことを学びましょう。

熟年夫婦「やっておけばよかった後悔」の1位とは

同調査より、「あなたが、若いうちからやっておけばよかったと後悔することをすべて教えてください。」という質問への回答を確認していきましょう。

熟年夫婦「やっておけばよかった後悔」

1位:資産形成・資産運用(37.6%)

2位:定期的な運動(26.0%)

3位:後悔したものはない(24.7%)

4位:旅行(19.9%)

5位:親孝行(18.7%)

※松井証券株式会社調べ

運動を抜いて、1位は「資産形成・資産運用」でした。

2019年には、年金以外に2000万円が必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。最近では運用益が非課税になるつみたてNISAやiDeCoも話題です。

とはいえ、「老後が不安だからやった方が良いのだろうけど、難しそうだからいつかやろう」と考えて行動に移さない人も多いでしょう。必要性を感じないとなかなかはじめられない点では、資産運用も運動も似ていますね。

3位に「後悔したものはない」がランクイン。「こう言い切れるようになりたい!」と感じた方もいるのではないでしょうか。

後悔がないと言い切るには、先延ばしにすることなく、その時々に自分で考えて今できることを行動に移す必要があるでしょう。何を選ぶか、どう行動に移すかがポイントとなってきそうです。

【図表】60代みんなの貯蓄はいくら?

実際に、今の60代の貯蓄額はいくらか

熟年夫婦の多くが後悔する「資産形成・資産運用」ですが、実際に60代の方はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)各種分類別データ」を参考に、二人以上世帯の貯蓄を確認していきます。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)各種分類別データ」

60代世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯含む)

平均値:1745万円

中央値:875万円

60代の貯蓄の平均値は1745万円。より実態に近い中央値は875万円です。2000万円には遠い数字となりました。

分布を確認すると、金融資産非保有が18.3%。貯蓄500万円未満で見ると37.1%にもなります。

最近は食料品の値上げが続いていますが、年金生活になれば月々の生活費の不足部分を貯蓄から切り崩すこともあるでしょう。

老後の収入の柱となるのは「年金」です。厚生労働省によると、令和4年度の国民年金の満額は「月6万4816円」(▲259円)、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)はモデル夫婦で「月21万9593円」(▲903円)。

年金だけでは生活できないご家庭も多いですし、年金の受給額は令和3年度より0.4%の引き下げとなっています。

生活費以外にも趣味や旅行を楽しんだり、リフォームや介護が必要になったりする可能性を考えると、まとまった貯蓄がないと後悔する方も多いでしょう。

60代の貯蓄分布を見ることで、熟年夫婦の後悔が垣間見える結果となりました。

「結婚までにはじめれば良かった」が約8割

先ほどの松井証券の調査より、熟年夫婦が「資産形成・資産運用」をはじめると良いと思ったタイミングを確認します。

資産形成・資産運用を始めるのがよいと思うタイミング

独身時代(50.8%)

結婚時(31.6%)

子どもの就学時(6.1%)

出産時(2.5%)

子どもの入園時(0.8%)

その他(8.3%)

1位は「独身時代」で約5割、2位は「結婚時」で約3割。つまり、結婚までにはじめたほうが良いと考える人が8割を占めます。

結婚して子どもが生まれた場合には、日々の生活で忙しく、なかなか夫婦で将来のお金について話し合う時間もとれないでしょう。運用はきちんとリスクを理解した上で、自分に合った金融商品や投資方法を選び、口座開設などの手続きを行う必要があるため、時間や手間がかかります。

一方で、結婚すると教育費や住宅ローン、車の購入費用や維持費などまとまった資金が必要になるご家庭が多いもの。現代はそれらに合わせて、自分の老後資金も準備しなければなりません。その点を考えると、やはり早いうちから備えたいですね。

また、「あなたの結婚生活を振り返って、新婚時にやっておいた方がいいと思うことをすべて教えてください。」という質問の結果は以下の通り。

1位:資産形成・資産運用(38.9%)

2位:家計管理(36.8%)

3位:家事の分担(25.3%)

お金に関することが上位2位を占め、3位は家事の分担でした。これから結婚のご予定がある方は参考にされるといいでしょう。

今からできることをはじめてみる

現代の熟年夫婦が20~30代の頃とは違い、いまはつみたてNISAやiDeCoのように運用益が非課税になる制度があります。また、スマートフォンなどを利用しての情報収集や、実際に運用ができる時代になりました。

昔と比べると、資産運用のハードルは下がったといえるでしょう。

ただし運用にはリスクがつきものなので、安易にはじめることはおすすめしません。しっかり情報収集をして、自分で納得できるものから、まずは少額ではじめてみるといいでしょう。

参考資料

松井証券「若年夫婦・熟年夫婦の実態調査」

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)各種分類別データ」

厚生労働省「令和4年度の年金額改定についてお知らせします 」

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