厚生年金と国民年金を「女性」は月額平均でいくら受給しているか
シニア世代が現役の頃は、離職する女性が多かったものです。その結果、年金の受給額が男女で差がついていることをご存知でしょうか。今回は「女性」の厚生年金・国民年金受給額にフォーカスを当ててみたいと思います。
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2021年6月に育児・介護休業法が改正されたことを受け、2022年4月から段階的に施行が開始されます。
男女ともに育休制度が整いつつあることから、今後も働く女性は増え続けることでしょう。
現在年金を受給しているシニア世代が現役の頃は、育児や介護の負担は女性にかかりやすく、結果的に離職する女性が多かったものです。その結果、年金の受給額が男女で差がついていることをご存知でしょうか。
今回は「女性」の厚生年金・国民年金受給額にフォーカスを当ててみたいと思います。
公的年金のしくみとは
まずは日本の年金制度についておさらいしましょう。年金制度は図の通り2階建ての構造になっています。
1階にあたるのが国民年金。日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入する義務があり、一律の保険料を納めます。
これに加え、公務員や会社員、私立教職員の方などは2階部分の厚生年金にも加入します。こちらの保険料は一律ではなく、収入に応じた等級で決定されます。
納めた保険料や加入期間によって、将来もらえる年金額が変わるということです。一律保険料の国民年金に比べ、厚生年金では受給額の差が大きいと予想できます。
では、実際に受給している方のうち、女性の受給額はいくらぐらいなのでしょうか。
「国民年金」女性の月額平均はいくらか
厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、まずは国民年金の受給額を見ていきましょう。
【女性】国民年金平均月額:5万4112円
1万円レンジごとの受給権者数は以下の通りです。
~1万円未満:6万2087人
1万円~2万円未満:23万5046人
2万円~3万円未満:71万1764人
3万円~4万円未満:216万71人
4万円~5万円未満:332万1823人
5万円~6万円未満:462万1737人
6万円~7万円未満:624万1716人
7万円以上:147万3357人
平均5万4112円に対して、ボリュームゾーンは6万円~7万円未満。実はこれらの特徴は、男性でもほぼ違いがありません。一律の保険料を納めるという特性上、平均から大きく外れることは少なそうです。
また女性は夫の扶養に入るケースも多いですが、いわゆる第3号被保険者は保険料を納める必要がありません。そのため当時保険料を納付していない女性でも、夫の扶養に入れていれば現状受給できているケースが多いです。
「厚生年金」女性の月額平均はいくらか
続いて同資料から、厚生年金についてみていきます。厚生年金の金額には、国民年金の金額が含まれています。
【女性】厚生年金平均月額:10万3808円
1万円レンジごとの受給権者数は以下の通りです。
1万円未満:2万8004人
1万円以上~2万円未満:6884人
2万円以上~3万円未満:6万1267人
3万円以上~4万円未満:10万9541人
4万円以上~5万円未満:9万4941人
5万円以上~6万円未満:10万3206人
6万円以上~7万円未満:23万8112人
7万円以上~8万円未満:44万9205人
8万円以上~9万円未満:69万2135人
9万円以上~10万円未満:85万2017人
10万円以上~11万円未満:76万8808人
11万円以上~12万円未満:57万9740人
12万円以上~13万円未満:40万7435人
13万円以上~14万円未満:28万8035人
14万円以上~15万円未満:20万8976人
15万円以上~16万円未満:15万2367人
16万円以上~17万円未満:10万9888人
17万円以上~18万円未満:7万5929人
18万円以上~19万円未満:5万1905人
19万円以上~20万円未満:3万7458人
20万円以上~21万円未満:2万4850人
21万円以上~22万円未満:1万6796人
22万円以上~23万円未満:1万976人
23万円以上~24万円未満:6934人
24万円以上~25万円未満:3951人
25万円以上~26万円未満:2188人
26万円以上~27万円未満:1098人
27万円以上~28万円未満:516人
28万円以上~29万円未満:208人
29万円以上~30万円未満:144人
30万円以上~:375人
平均は10万3808円で、ボリューゾーンも9万円以上~10万円未満という結果になりました。
ちなみに男性の平均は16万4742円、ボリュームゾーンは17万円以上~19万円未満です。正社員で働き続けることが難しかったシニア世代では、男女での差が顕著に表れています。
将来の生活をしっかり考える
女性の平均年金月額は、国民年金の人で5万4112円、厚生年金の人で10万3808円(国民年金含む)です。最近では働く女性も増えたため、男女間でのギャップは埋まることが予想されます。一方で、年金の額はここ最近マイナス傾向にあります。
年金だけで暮らせるのかどうかについては、「ねんきんネット」などを用いてしっかり把握することが重要になります。
生活費として足りない分は、自助努力が必要になるでしょう。今回の資料が、マネープランを考えるきっかけになれば幸いです。
なお、今回の資料では、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない、報酬比例部分のみの65歳未満の受給権者が含まれていることにご留意ください。
参考資料
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