芯古材や珪藻土がやさしい。味わい重視なナチュラルリノベ空間。

ナチュラルでヴィンテージ感がある空間。今、最も指示を集めるリノベーション&リフォームのスタイルと言えます。Oさん夫妻が手に入れた住まいはまさにそれ。リビタのリノサポを通じて、築30年以上のマンションを購入、お気に入りの住空間を手に入れました。穏やかさに満ちた部屋をじっくりご紹介します。

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リノベーションで生まれた、ナチュラル&ヴィンテージな空間

キッチンダイニング。キッチンの天板を延長し、ダイニングテーブルに。

東京都世田谷区の住宅街にあるマンションに、Oさん一家がリノベーションした住まいはあります。珪藻土の塗り壁に、年月の経ったような幅広のフローリング。その空間は、ナチュラルでシンプルな雰囲気にあふれるもの。

Oさん夫妻がリノベーションで叶えたかったこと、それは、快適なリビングと落ち着いたプライベート空間。奥様がリビングでヨガ教室を催す予定があったため、リビングと寝室をハッキリと分けることも要望していました。

Oさん一家のリノベーションを担当した、リビタのコンサルタントの大嶋 亮さん。

賃貸マンション暮らしのときから、近所で中古マンションを購入しリノベーションすることを考えていたOさん夫妻。しかし、なかなか希望に合う物件に巡り合わないまま、2年近くが過ぎていったと言います。そんな中、夫妻に子供が生まれることがわかり、本腰を入れることに! あるリノベーションセミナーをきっかけにリビタのことを知り、物件探しから依頼しました。

リビタは、専属コンサルタントが中古物件探しからリノベーション設計、工事、引き渡しまでをワンストップでサポートする「リノベーションフルサポートサービス事業部(リノサポ)」があることが大きな特徴。Oさん夫妻の要望を聞いた担当の大嶋 亮さんが紹介した物件のなかで、夫妻が選んだのは当時住んでいた場所から1駅隣りの、いわゆる築古物件でした。

1977年生まれの築古マンション。メリット・デメリットは?

玄関ドア。築年数は経っていたが、中をフルリノベーションすることで、快適な暮らしを手に入れた。

この住宅、築30年以上と年数は経っていましたが、構造的に不安の少ない壁式構造であること、また大規模修繕工事が計画的にされていて外観の美観が保たれていたこと、住民の雰囲気がよかったことなどが購入の決め手に。

一方で、壁式構造の場合、水まわりの位置を動かせないなど間取りの変更がききにくいことがデメリットでしたが、事前に説明を受けて納得したうえで購入、リノベーションの計画を練りました。

リノサポのコンサルタントである大嶋さんがリノベーションの設計者を提案。Oさん夫妻の人柄と嗜好に合うパートナーとして、きめ細やかな提案をし、素材使いに明るいエトラデザインを選びました。

キッチンの向きを変えて、一体感のあるLDKに

南側の開口部から入る光が室内を明るく満たす。

取り払うことのできない壁があり、大きな間取り変更はできませんでしたが、玄関と水まわりを介して南と北にLDKと寝室が分かれるプランは、Oさん夫妻にとっては好都合。

LDKのなかでコの字型をしていたキッチンの向きを変え、壁側にコンロ、リビングに面してシンクカウンターを配置することで、LDKが一体となった空間が生まれました。また、南側に連続してある窓は以前よりも存在感が増し、より開放的な空間に変貌を遂げたのです。

カウンターの天板には中国産の御影石を使用。黒色が空間を引き締める。
シンク側のカウンター下は飾り棚に。趣味の器や雑貨が並ぶ。

O邸のキッチンには2つの長いカウンターがあります。以前のキッチンよりも倍近くの長さにカウンターを延長。シンク側の天板をダイニングテーブルとつなげ、食事の場として使っています。

カウンタートップとテーブル天板の素材は「福建黒」という中国産の御影石。石の表面は細かい砂を吹き付けて整えるサンドブラストという仕上げで、ほどよく滑らかな表情で空間を引き締めています。

また、カウンターの上部には吊り戸棚などを設けず、照明器具もあえて天井埋め込みのスポットライトとすることで、シンプルさの際立つLDKとなりました。

リノベーションによって、LDKが一体になった。

キッチンカウンターとダイニングテーブルをつなげるために、ダイニングとリビングの床面はキッチンよりも上げて段差をつけています。

「キッチンがダイニングと一体になっていることで、ゲストが来ても話をしながら料理できますし、孤立しません。夫が後片付けを手伝ってくれることが増えたのは、嬉しい誤算ですね」と奥様は笑います。

床は古材風に、壁は珪藻土をDIYで塗装

芯古材を張った床。石灰ベースの塗装で古びた印象を加えた。

風合いのある素材が好みのOさん夫妻。特にこだわったのは、床の材料です。

当初、Oさん夫妻は建設の現場で用いられる使い古しの「足場材」を敷きたいと願っていました。でも、足場材は素足で触れるには粗い材料で反りやすいという問題が…。そこで、設計を担当したエトラデザインが探し当てたのは「芯古材」という、足場材をスライスして表面を整えたスギ材でした。

これに、調色を繰り返した石灰ベースの塗装を施して、風雨にさらされ日に焼けたような表情が得られました。

DIYで塗装した珪藻土の壁。やわらかく光を拡散する。

LDKの壁は、珪藻土仕上げ。調湿性や匂いを吸着する効果があることを知って採用することに。「せっかくリノベーションをするなら」とご主人がショップで講習を受けて、自らDIYで塗ったそう。

「大きく動かして刷毛の跡を残す塗り方にして、テクスチャーが感じられるようにしました。マットな質感で、光が柔らかく伝っていくんです」と仕上がりには自画自賛。

Oさん一家。広々としたLDKで家族のコミュニケーションもスムーズに。

清々しく、しかし温かみのある空間は、Oさん夫妻の醸しだす雰囲気そのもの。中古マンションのリノベーションだからこそ出せた味わいとも言えます。

Oさん一家はさらにもう一人のお子さんを迎え、この住まいをステージとして新たなページを紡いでいます。

【住宅データ】
所在地/東京都世田谷区
形態/フルリノベーション
専有面積/72㎡
間取り/2LDK
家族構成/夫婦+子供1人
施工期間/1ヶ月半

リノベーション設計/エトラデザイン

既存建物竣工年:1977年

※サービス/リノサポ



Text:加藤 純
Photo:鈴木拓也

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