お中元やお歳暮のマナー|のし紙の書き方や贈る時期を解説します

お中元・お歳暮につける「のし紙」には、書き方があります。また、贈る時期やギフトの選び方など、お中元・お歳暮にまつわるさまざまなマナーは社会人としてしっかり押さえておきたいもの。そこで今回は、のし紙の書き方を中心に、お中元・お歳暮のマナーを解説します。

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お中元・お歳暮を贈る時期はいつ?

お中元やお歳暮はそれぞれいつ贈ればよいのでしょうか。以下でチェックしていきましょう。

お中元を贈る時期

「中元」は本来旧暦7月15日を指し、その時期にお盆でのお供え物を贈り合っていた習慣が「お中元」の由来です。お盆の時期が地域によって異なることから、お中元の時期も関東と関西で異なります。

関東では7月初旬から7月15日まで、関西では8月初旬から8月15日までにお中元を贈るのが一般的です。ただし最近では、東日本のタイミングにそろえることも多くなっています。さらに7月にお中元が集中しないよう、6月下旬に早めることもあります。

もし贈る時期を逃してしまった場合は、表書きを変えて贈りましょう。立秋の前日までは「暑中御見舞」として、立秋以降処暑(8月23日ごろ~9月7日ごろ)までは「残暑御見舞い」として贈ります。なお目上の人に対しては「暑中御伺い」「残暑御伺い」とするのがマナーです。

お歳暮を贈る時期

お歳暮はもともと、正月の準備を始める「事始めの日」である12月13日から12月20日くらいまでに、正月の御供物を贈り合っていたのが由来です。

現在では関東、関西ともに12月初旬から12月31日ごろまでに贈るとされています。ただし年末の忙しい時期に重ならないよう、12月20日くらいまでに届くようにするのがベストです。なお最近では11月くらいに早めて贈ることもあります。

もし贈る時期が年明けになってしまった場合は、お中元同様、表書きを変えて贈ります。関東地方では1月7日(松の内)まで、関西地方では1月15日までに「御年賀」として贈りましょう。それにも間に合わなかった場合は、立春(2月4日ごろ)までに「寒中御見舞い」(目上の人の場合は「寒中御伺い」)として贈ります。

ワンポイント:喪中のときは?

お中元やお歳暮は日ごろお世話になっている人への感謝の気持ちを贈るものであり、お祝いごととは関係がありません。したがって自分または相手が喪中の場合でも、お中元やお歳暮を贈っても大丈夫です。ただし、紅白の水引を使ったのし紙はかけず、白無地の奉書紙か無地の短冊を使うようにしましょう。

お中元・お歳暮を贈る相手は? いつまで贈る?

お中元やお歳暮は、日ごろお世話になった人に贈るのが基本です。以下で贈る相手と贈る期間について見ていきましょう。

贈る相手

親族では、両親や兄弟姉妹、親せきなどに贈ります。親族以外では、仲人や恩師に贈るのが一般的です。また仕事関係では職場の先輩や上司、お得意様などに贈るとよいでしょう。

ただし学校の先生に贈るのはNGです。先生に贈る場合はお稽古ごとの先生などに贈るようにしましょう。また会社によってはお中元・お歳暮の受け取りを禁止しているところもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

なお、お中元やお歳暮は必ず贈らなければいけないものではありません。気持ちが大切ですから、上記に挙げた人すべてに贈る必要はなく、感謝の気持ちを伝えたいと思う人に贈るようにしてくださいね。

贈る期間

お中元やお歳暮は基本的に、お世話になっている期間中贈ります。たとえば家族や親せきなどには、気持ちがある限り贈ることになるでしょうし、お稽古ごとの先生などは、お稽古を続けているあいだ贈ることになります。

なお仲人や媒酌人などの場合は、3年程度が目安です。

お中元やお歳暮をやめたいと思ったときには、まずお中元をやめてお歳暮を続けるようにしましょう。それからしばらくしてお歳暮もやめるのが自然です。

「のし」とは? のし紙(水引)の種類とそれぞれの意味

「のし」と「のし紙」は違うということをご存じでしたか? またのし紙にかかっている水引にはさまざまな種類があり、それぞれに意味があります。以下ではお中元・お歳暮にふさわしいのし紙(水引)の種類や、「のし」と「のし紙」の違いについて見ていきましょう。

「のし」と「のし紙」の違い

のしとは、のし紙についている小さな飾りのことを指します。より細かくいうと、飾りの中に包まれた黄色い紙を「のし」といい、その周りをのし飾りというのが正しい名称です。古くからめでたいものの象徴として贈答品に添えられていたアワビ(のしあわび)が、のしの由来となっています。

したがって正式にはのしのついた掛け紙のことを「のし紙」といいます。

のしをつけてはいけない場合

先述したとおり、のしはアワビをはじめとした生ものの代用品としてつけられています。したがって魚介類をお中元やお歳暮として贈る場合には、のしをつけず、水引だけの掛け紙をつけるのがマナーです。

水引の種類1:紅白蝶結び

紅白蝶結びは、結び目を何度でも結び直せることから、出産など繰り返してもよいお祝いごとやお礼などに用います。お中元やお歳暮に使う水引はこの紅白蝶結びです。なお、魚介類を贈る場合以外はのしもつけます。

水引の種類2:紅白結びきり

紅白結び切りは、結び目がほどけないことから、結婚など一度きりであってほしいお祝いごとなどに使います。紅白結びきりの水引を使う場合も、のしをつけるのが一般的です。

水引の種類3:黒白結びきり

黒白結びきりはお葬式や法要の場面で使う水引です。告別式前後の御霊前や御供物のほか、法要の御供物や法事のお返し、引き出物などに使います。のしはつけません。

水引の種類4:黄白結びきり

黒白結びきりと使うシーンは同じです。関西地方でよく使われます。のしはつけません。

「内のし」と「外のし」の使い分けについて

のし紙をかける際には、「内のし」と「外のし」があります。

内のしは、品物に直接のし紙をかけ、その上から包装する方法です。気持ちを控えめにするときに使います。

外のしは、品物を包装紙で包み、その外側にのし紙をかける方法です。気持ちを強く表したい場合のほか、贈り物を手で持参する場合に使います。

のし紙の書き方

のし紙の表書き(中央上部)には「御中元」または「御歳暮」と書きます。贈るタイミングがずれてしまった場合の表書きについては「お中元・お歳暮を贈る時期」の項目も参照してください。

名入れ(中央下部)のマナーについては以下のとおりです。

個人で送る場合

フルネームを書き入れます。ただし目下の人に贈る場合は名字だけでいいこともあります。

連名で贈る場合

フルネームを、右側ほど目上になるよう並べましょう。なお連名とするのは3名までが一般的です。

代表者名のみ書く場合

もし3名以上で贈る場合は、代表者名を中央に書き、左下に「他一同」と書き添えましょう。なお代表者以外の名前は中包みに並べて書きます。

会社名を入れる場合

個人名に会社名を添える場合は、名前の右側に小さく書きます。

お中元・お歳暮ギフトの選び方

お中元やお歳暮のギフトを選ぶときは、贈る相手の家族構成や好み、年齢、贈る季節などを校了する必要があります。

以下で抑えておきたいポイントをご紹介しましょう。

避けたほうがよいもの

まず、好き嫌いが分かれるものは避けたほうがよいでしょう。珍味や缶詰、香味野菜を使った料理など、においや味が特徴的なものは選ばないほうが無難です。

保存がきかないものもできるだけ避けます。お中元は夏休み、お歳暮は冬休みと重なる時期に贈ることになり、贈り先が長期間家を留守にしている可能性があるためです。せっかくの贈り物がだめになってしまわないよう注意しましょう。日持ちのするものや日用品などが安心です。

もし生鮮食品などを贈りたい場合は、贈っても大丈夫か、またいつ贈れば問題ないかを確認してから贈るようにしてください。

目上の人に贈る場合に避けたほうがよいものもあります。たとえば商品券やギフト券は失礼にあたるため贈らないようにしましょう。また踏みつけることを表す履物類や、勤勉奨励を意味する筆記用具、時計もお中元・お歳暮には向きません。

相手の家族構成や人柄を把握する

相手の家族構成や人柄を踏まえて贈ることも大切です。家族は何人で、どんなものをもらうと助かるかということを想定してから贈ってください。

たとえば一人暮らしや核家族の家庭に大量の食品を贈ってしまっても、食べきれなかったり置く場所に困ったりしてしまいます。そのような場合は、少量で常温保存ができるもの、賞味期限の長いものなどがおすすめです。レトルト食品や小分けのお菓子、切るだけで食べられるハムなどが喜ばれるでしょう。

逆に大家族の場合や「食べるのが大好き」という過程に贈る場合は、量もそれなりに充実した品物を選ぶのがおすすめです。せっかくもらったのにちょっとずつしか食べられない、ということではちょっと残念ですよね。

また洗剤などの日用品は、人数を問わず贈ってもらえると助かります。食品同様、かさばらないよう小分けになっているものがよいでしょう。

品物を買う場所にも注意する

特に年配の人のなかには、品物がどこで買われたかどうかを気にする人もいます。そうした相手に贈る場合は、デパートなどで購入したギフトを贈ると安心です。包装紙や宅配便の送り状などで買った場所が相手にわかっても不快な思いをさせないよう配慮が必要だといえます。

喜ばれる人気のお中元・お歳暮ギフトを紹介!

お中元やお歳暮で人気のギフトには以下のものがあります。

和菓子・洋菓子:【人気のお中元・お歳暮ギフト】

和菓子、洋菓子では、特に日持ちがよい焼菓子がおすすめです。会社に贈る場合も小分けになっていると社内の人たちみんなに分けて楽しんでもらえるでしょう。

フルーツでは、メロンなどの高級フルーツのほか、地域の特産品が喜ばれます。日持ちがしない場合が多いため、贈る際には一言連絡してから贈るようにしましょう。

ハム・ソーセージ・肉類:【人気のお中元・お歳暮ギフト】

ハムやソーセージ、焼き豚といったお肉の加工品は、比較的日持ちがするため贈答品にぴったりです。高級なものであればお盆やお正月にみんなが集まったときのごちそうにもなりますよね。

お酒・ジュース:【人気のお中元・お歳暮ギフト】

ビールはお酒好きの人には特に送って喜ばれます。日本酒や焼酎、ワインなどと違って好みがそれほど分かれない点もポイントです。また小さな子どもがいる家庭にはソフトドリンクのセットもよいでしょう。

魚介類も高級感があってよいでしょう。夏はスタミナのつくうなぎを贈ると、夏バテを気遣っていることを伝えられます。冬はカニやエビなど、お正月に楽しめるごちそうを贈るのもおすすめです。ただし生鮮食品であるため、贈るタイミングには注意してください。

海鮮:【人気のお中元・お歳暮ギフト】

その他、センスのいい贈り物:【人気のお中元・お歳暮ギフト】

食べ物の好みがわからない相手などに贈る場合は、洗濯洗剤や食器用洗剤などの日用品を贈りましょう。また消耗品ではなくてもタオルなどであれば、いくらあっても助かります。

好みを問わないカタログギフトは、贈る側も安心ですし、贈られた側もうれしいギフトです。予算に合わせて選べるため、相手の好みや家族構成などがわからないときには重宝するでしょう。

お中元・お歳暮ののし紙はマナーをふまえて、美しく♪

今回はお中元・お歳暮ギフトにおけるのし紙の種類や書き方を中心に、贈答ギフトのマナー全般についてご紹介しました。お中元・お歳暮はお世話になっている人へ感謝の気持ちを表すことが何より大切です。

相手の気を害さないよう、マナー面で失敗のないようにしたいものですよね。今回ご紹介した内容を参考に、正しいマナーを押さえて、心を込めたお中元・お歳暮を贈ってください。

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